赤旗「Dappi氏の給料が110万円だった」記事に3つの違和感

日本共産党の機関紙赤旗が2023年1月25日にツイッターアカウント「Dappi」氏の給与が月額110万円であることがわかりましたという記事を書いています。

しかし、この赤旗の記事には3つの違和感があります。順番に解説します。

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給与110万円は昨年11月には報道されていた

赤旗は次のように「「Dappi」の発信元のワンズクエスト社(東京都)が、投稿していた社員に月110万円もの給与を払っていたことが24日までに分かりました。」と書いていますが、給与の件は昨年の11月にはすでにわかっていたことです。

野党をひぼう中傷する投稿を繰り返していた匿名のツイッターアカウント「Dappi」の発信元のワンズクエスト社(東京都)が、投稿していた社員に月110万円もの給与を払っていたことが24日までに分かりました。

 立憲民主党の杉尾秀哉、小西洋之の両参院議員が名誉毀損(きそん)で同社に損害賠償を求めた裁判で明らかになっていたもの。これによると投稿者とされる社員は、基本給で月110万円を同社から得ていました。

赤旗2023年1月25日

BuzzFeed Japan Newsが昨年11月に、会社側の閲覧制限が東京地裁に却下されたことにより、月額110万円だった給与が99万円に減給されていたことがわかりましたと報じています。

懲戒処分に関連する証拠資料として提出されていた給与明細については、会社側による閲覧制限の申し立てが11月4日、東京地裁に却下された。

両議員側の弁護団が明らかにしたところによると、2020年12月〜21年2月までの間、月額110万円だった給与が99万円に減給されていたという。

https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/dappi-12

「会社幹部関与か」の小見出しの問題

赤旗の記事は、「会社幹部関与か」という小見出しです。これも違和感があります。

被告の会社側の主張は「社員が個人的に投稿した」というものです。

その社員が会社の幹部であるならば、小見出しは「会社幹部が投稿か」にすべきだと思いますが、赤旗の「会社幹部関与か」では組織的な投稿を印象付けてしまいます。

「野党をひぼう中傷する投稿を繰り返していた」の根拠は?

野党をひぼう中傷する投稿を繰り返していた匿名のツイッターアカウント「Dappi」、と赤旗は記事にしています。

しかし、今回の名誉毀損訴訟で争われているのは一つのツイートの内容についてだけです。

「Dappi」氏の過去ツイートのほとんどは国会中継やネットのニュース解説番組を切り取って編集して、そこへ内容のまとめや感想を付け加えているものです。

切り口に偏りはみられるかもしれませんが、それはテレビや新聞と同じで合法なものです。

権力者である国会議員についてはSNSで自由に活発に批評しあうべきだと考えています。萎縮させてはいけません。

名誉毀損訴訟で争われているのは一つのツイートだけですので、あたかも「Dappi」氏のツイートが「野党をひぼう中傷する投稿を繰り返していた」と断定している赤旗の記事は根拠がなく、問題があるのではないでしょうか?

ワンズクエスト社が都議会自民党のサーバー管理や講演の文字起こしを受注している会社ということだけで、Twitterもお金で請け負っていると邪推するのはいかがなものでしょうか。



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