香川1区の県立高校で高3生に見せたという立憲小川淳也議員の映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」は2人の娘さんで成功している

香川県高松市内の県立高校の30代男性教諭が7~9月、立憲民主党の小川淳也衆院議員(比例四国)を取り上げた映画を、3年生の世界史の授業中に見せていた問題が報じられています。

問題となっている映画は、2020年公開の「なぜ君は総理大臣になれないのか」(大島新監督)で、社会科教師が映画のDVD版を自ら購入し、7月~9月の世界史の授業で、3年生2クラスの計70人程度に見せたということです。

この記事は、そのドキュメンタリー映画 「なぜ君は総理大臣になれないのか」 を視聴しての個人的な感想です。

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小川氏主役の映画を授業で選挙区の高3生に見せたのは不適切

この事件を報じた四国新聞の記事は次のリンクで読めます。

「小川氏主役」の映画を上映 県教委、「不適切」と謝罪 高3生の世界史授業で 公選法違反の恐れも(四国新聞)

映画のDVDは自分の所有物であっても勝手に上映することはできません。上映用の値段の高い「業務用ビデオソフト」というものがありますが、教師が 「業務用ビデオソフト」 を購入して上映したということでしょうか?

記事からはよくわかりませんでした。

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監督は「連絡がなく寝耳に水」

映画の監督は「連絡がなく寝耳に水」とツイートされています。

「四国新聞は私に一切取材しておらず」とおっしゃられていますが、四国新聞は映画で描かれている小川淳也 議員の対立候補である 平井卓也 前デジタル大臣のご兄弟が経営する新聞社です。

教育現場における主権者教育

小川淳也議員が、この件について釈明をされていますが、抽象的すぎて、問題の本質がさっぱりわかりません。

「教育現場における主権者教育について、もっともふさわしい作品だ」などとも主張されています。

399円で映画を観てみました

どのような映画なのか、観てみないことには始まりません。

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で、まだ今月2000ポイントが残っていましたので、399ポイント(円)を支払って、 映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」(大島新監督) を観てみました。

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映画の感想

「なぜ君は総理大臣になれないのか」 は、自称「日本を良くしたいオタク」小川淳也 議員 の実直で正義を貫く人間性、質素な住居、彼の志を支える家族の姿などを描いた、最初から最後まで 小川淳也 議員 が主役の119分のドキュメンタリー映画です。

監督の大島新さんは、夏の妹(1972年)、愛のコリーダ(1976年)、戦場のメリークリスマス(1983年)などで有名な大島渚 監督のご次男です。

その大島新さんが、

「何ごとも51対49で決まっているものが100対0で決まっているように見える。政治というものは勝った51が、どれだけ残りの49を背負うかなんです」と熱く語る小川淳也 衆院議員(総務省の官僚出身)と出会い、

作品の発表のあてもないまま、落選した2003年の立候補から 小川淳也 議員を17年間に渡って追い、撮りためたドキュメンタリーです。

2019年の国会で 小川淳也 議員 の不正会計疑惑を質す姿が注目されました。それにあわせて映画として公開したのでしょう。

率直に言って、よくできた映画です。

小川淳也 議員 が気高い政治思想を持って、地元である香川1区の有力メディア「四国新聞」や「西日本放送」のオーナー一族の出身である自民党の世襲議員、平井卓也 前デジタル大臣に挑む姿は、感動すらします。

映画としては、おもしろかったです。 大島新さん の才能を感じます。

高校生の授業の教材として適切か?

良い映画です。しかし、これを授業でこれから選挙権を持つ地元の高校生に見せてよいのでしょうか?

以下略ちゃんの個人的感想は、「No」です。

この映画は、 小川淳也 議員をヒーローとして、感動的に作られたドキュメンタリーです。

県教委は「生徒の投票行動に影響を与える可能性があり、教育の政治的中立という観点から不適切だった」としていて学校は保護者に謝罪したということですが、 投票行動に影響を与える可能性どころか 生徒の政治信条にすら影響を与えてしまいます。

この種の映画は、選挙前でなくても、学校の授業で生徒に見せてはダメです。

映画では、小川淳也 議員の 気高い政治思想 が徹底して描かれていますが、冷静に考えてみれば、他の政治家だって腹黒いということはなくて、それぞれの政治家の話を聞いてみれば、 気高い政治思想 を持っている人はたくさん存在します。

市議、区議レベルだと、何を考えているのかよくわからない議員もいますが、さすがに国会議員クラスになると、私利私欲のために政治家になろうと思う人の方が少ないのです。

政治というのは、いろいろな考えの人、いろいろな立場の人を集約して調整していくことです。そのために、長く政治家を続けていくと、いろいろな 「しがらみ」 に囚われていってしまいます。

きれいごとだけを言っていても、何もできない。

そして、その古い政治家の「しがらみ」を批判、追及して、新しい人が国会議員になろうとする。

その繰り返しです。

大島新さん だって、あの大島渚監督の次男ということで、このようなドキュメンタリー映画を作ることができたのではないかと推測します。

良い悪いではなくて、世の中、そういう仕組みになっているのです。

映画では、対立候補の 平井卓也 さんを悪くは描いてはいませんが、ドキュメンタリーという性格上、どうしても映画を観る観客は、小川淳也 議員に感情移入してしまいます。

知識や経験に乏しい真っ白な高校生が、こうした客観的な映画評価をできるはずがなく、この映画を見せられると、 小川淳也 議員のファンになってしまうでしょう。

悪くいえば「洗脳」です。

映画に登場するヒロインの影響について

映画 「なぜ君は総理大臣になれないのか」 で、個人的に気になったのは、 小川淳也 議員のお二人の娘さんの存在です。

2017年の衆議院議員選挙の場面では、 小川淳也 議員の19歳と17歳(当時)の二人の娘さんが、「娘です。」のタスキをかけて一緒に自転車に乗って選挙活動をされています。

この映画は、このお二人の娘さんの登場で成功しているのだと思います。

2003年の最初のシーンでは、娘さんは小学校に上る前で、ちょっとだけ登場するのですが、それが映画の途中から「娘です。」というタスキをかけて、お父さんの夢のために一緒に自転車に乗って選挙運動をします。

今回、問題となった高校3年生と同年代です。

映画78分頃の場面では、この2人の娘さんが、 小川淳也 議員の選挙事務所開きに駆けつけた弁士の演説に感動して涙ぐむ表情がアップで登場します。

このシーンがとても感動的なんです。

ファンになってしまいます。

しかし、二人の娘さんたちの選挙活動も届かず、小川淳也 議員は小選挙区では落選してしまいます。(比例復活当選)

良い映画にはヒロインが必要なのです。

ヒロインとは、「良い性質を備えていて、読者・観客が共感することを想定されている女性キャラクター」のこと。

高校生にとっては、この二人の娘さんたちの健気な姿が一番印象に残ることでしょう。

そして応援したいと思うかもしれない。

判官贔屓(ほうがんびいき)といいますが、「弱い立場に置かれている者に対しては、客観的に判断しないで同情を寄せてしまう」心理現象。

日本人って、一生懸命やっているのに負けてしまう方を応援したくなるものです。

でも、それって日本の将来を考えて投票することとは違いますよね。

共産党との新党、合併論者

近年の小川淳也 議員は、徹底した野党共闘論者であり、共産党との新党、合併論者です。

そうしたことから、シンパシーを感じた教員が生徒に見せたのではないかと想像してしまいます。これはあくまでも個人的な憶測です。

最後に

映画のラストで、小川淳也ご夫婦が食事をするシーンが流れます。自宅は家賃4万7000円のアパートだそうです。私利私欲とは無縁の人と映画は伝えたいのだと思いました。

でも、 小川淳也 議員は国会議員なんですから、他の国会議員と同じ高額議員報酬を受け取っているんですよね? それも当選5回分。

とても違和感のあるシーンでした。

そのお金を政治家であり続けるために使っているのだとしたら、そこも描いてほしかったですね。

映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』予告編

この事件で 映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」 は、話題になりますよね。



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