高市早苗 衆院議員「夫婦別姓、民法改正に反対する一番の理由」…虎ノ門、文字起こし

この記事は、2021年3月18日(木)DHCテレビ「真相深入り! 虎ノ門ニュース」にご出演された前総務大臣の高市早苗衆院議員とジャーナリストの有本香さんのインタビューから、「選択的夫婦別姓」に反対される理由について、高市早苗議員の発言部分だけを文字起こししたものです。

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夫婦別姓、なぜ不要なのか…現行の戸籍制度の破壊につながる

高市早苗 衆院議員「先般から国会でもですし、一部のメディアでも、丸川珠代大臣に対する批判がすごかったですね。あの時に丸川珠代さんは、丸川珠代さんという名前で政治活動また大臣として仕事をしているのに、本名は大塚珠代さんではないかと。なんか自分だけ夫婦別姓を使っているのに、何で夫婦別姓に反対なんだっていう。とんでもないご批判がありました。

この虎ノ門ニュースをご覧の皆様でしたら、もうその違いは十分わかると思うんですけれども。夫婦別姓っていうのは戸籍でも夫婦、それから親子、子供さんも父親か母親かどっちかの氏(うじ)になりますから。これは夫婦親子がバラバラの氏(うじ)に戸籍上もなっちゃうということです。丸川さんの場合は夫婦同姓なんですね。ちゃんと結婚しても籍を入れられておりますから、大塚珠代さんでいらっしゃいます。

ただ今の法律でも、この通称というのは婚姻前の氏(うじ)の、通称使用っていうのは可能ですから。現行法に従って丸川さんという名前をちゃんと選管に登録して選挙に出て立候補してですね、当選して大臣名としても使ってらっしゃる。その区別をまずつけていただきたい。

今でもできる通称使用っていうのと、戸籍までバラしてしまう夫婦別氏(うじ)というのは別物だということをご理解いただきたいなと思っております。

戸籍を批判される方も、こないだから見受けられます。去年の12月もテレビ見てましたら、とても著名な方ですが、夫婦別姓を推進すべきだという話をしておられて。その中でそもそも戸籍を廃止してしまうべきだってことを強くおっしゃっておりました。こないだちょっと私のことを大変批判された、某県議会議長さんがいらっしゃいますが、その方も自分の発信としても、自分も個人的には戸籍制度を廃止すべきだということをおっしゃってたんです。

 

最終的には個人籍を考えていた民主党案

でも、もっと遡りますとね。民主党政権の時、平成22年に民法改正案を民主党から出されました。その時も代表提出者の方がおっしゃってたのは、結婚しましたのでなんて、なんでお国に届けなきゃいけないのかしらと。最終的には個人籍というものに考えていった方がいいですねと、いうことをおっしゃってました。

でもそうしますと、本当に戸籍の数がすごいことになりますので。これは戸籍事務の量も増えますし。そのコストも莫大なものになります。今の日本の法制度、戸籍という文言が入ってるものが非常に多くございます。これは恩給制度もそうですし、それから例えば結婚してる夫婦が、生前にですね、夫が妻に不動産を贈与したいと言うような時に、結婚20年間続いてたら税額控除、税負担が減りますよと。その場合、戸籍で本当に20年間結婚が続いてたかどうかをチェックします。

あとは寡婦家庭、お父さんの亡くなられたご家庭、母子家庭に対するお子さんに対しての福祉もそうです。これも本当に夫がいらっしゃらないのか、ご主人がいらっしゃらないのかってことは戸籍で確認をしますね。

本当にたくさんの制度、戸籍を基本に成り立ってる。これはなんでかっていったら、やっぱり日本の戸籍制度ってすごくって。自分方と相手方の戸籍を連結できるんですね。ですから無限の親族関係の広がりってのが分かりますので。

 

戸籍で隠れた相続人の存在がわかる

一番重要なのは相続の時です。例えば妻方、夫方、両方の戸籍を連結して行けますから。隠れた相続人の存在ってのがわかります。例えば婚外子がおられたということも戸籍でわかりますから、そういう隠れた相続人の権利を守ることにもなりますね。

だから日本だけこの戸籍制度があっておかしいじゃないか、とおっしゃる方もいらっしゃいますけど、日本の戸籍制度って非常に優れてて、公に証明する力、公証力というのが非常に高い。たくさんの法制度の中で活用されてます。これは守っていきたいと思いますね。」

 

18年前の高市私案「婚姻前の氏(うじ)の通称使用に関する法律案」

高市早苗 衆院議員「(実は、18年前に高市早苗議員は法律案を出していた)条文の形で今、自民党に出てるのはこれ一つだと思います。平成14年に出したんですが、当時はですね、女性が通称を使うのもけしからんという、さらにきつい意見の方がおられて。さらに完全に夫婦別姓にすべきだと意見の方もおられて、相討ちになって、この法律案は党内の審査で否決されちゃいました。

それで去年の12月にもう1回再提出しました。読んだけど全然古くなってないです。

戸籍上の夫婦親子同氏(うじ)というのは堅持させていただきます。これは戸籍が煩雑になるということを避けるためにも、戸籍を根拠とする法制度、どれだけ変えなきゃいけないのか、どれだけコストがかかるのか、これは推進派の方がちゃんと計算されることではありますけれども。私の法律案は、夫婦の氏(うじ)が同一であるということは維持しながらも、婚姻前の氏(うじ)を通称として使えるようにする責務を国、地方公共団体、公私の団体及び事業者に責務として課すものなんですね。

そうしますと今残ってる不便というのはほぼ解消できます。

 

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今はほとんどの専門業で婚姻前の氏(うじ)が使える

今もうほとんどの専門業で戸籍名、要は婚姻前の氏(うじ)は使えるようになってます。それが併記であったり、婚姻前の氏(うじ)であったりということで。その18年前とはガラッと変わってきてですね。ものすごいたくさんの専門業種で使えるようになってます。

ただそれは国家資格なんですね。国家資格でも後使えないのは、浄化槽管理士と浄化槽整備士、浄化槽管理者は環境省所管、浄化槽整備士は国交省所管。これは先般、会議を開きまして、国交省も環境省も改善するというお約束をしてくださいました。これ法律変えなくても、通知でいけますんで、これはしてもらえるということ。

ほとんどの国家資格はいけるんですが、ただ地方公共団体が付与するような資格免許類ってのがありますね。ここまでは私たちの手が届きませんので、地方公共団体にも義務付けるっていうことにしたら一挙に変わりますね。

 

私の法律案では事業者にも義務付ける

例えば調理師免許いただくとか、さまざま地方でやっていることについては変わりますね。それからやっぱり公私の団体ということになりますと、こういうあの士(さむらい)業とか教師の師がつく士業師業っていわれる専門職、見ますとね、これもやはり全部の役所が、せーのでやんなきゃ漏れ落ちというのが出てきます。

地方公共団体についてもそうです。各団体が内規で決めてるとこもあるんですね。婚姻前の氏(うじ)使ってもいいよとか、併記でもいいよとか、戸籍名しか駄目ですよっていう決めてるところもあるので、そういう団体も含めて、ご本人が希望して届け出、出されたら、婚姻前の氏(うじ)でそのままお仕事を続けていただけると。

それからあと事業者。事業者もあの18年前でも、わりと大手の企業はオフィスネームっていってね、営業職の方なんて特に氏(うじ)が変わるとなかなか営業しにくいのでっていうことで、婚姻前の氏(うじ)が使えたんですけれども、それが駄目だという会社もあったんですね。それは経営者の考え方次第ですけど。だから私の法律案ではその事業者にも義務付けるということにいたしました。

 

大臣1年間で1142件、通知を出して変えた

それからもう一つ、こういう名前の記載とか、呼称はいいんですけれども。いろんな役所のいろんな法律見ますと、申請、届け出をするときに、戸籍もしくは住民票の名前でしなきゃいけないって書いてあるのが結構あって。総務大臣を去年までやってた一年の間で、まず総務省関連法令、全部見直しました。

そりゃあ、すごい多いですよ。地方自治法から放送法から電波法から電気通信事業法から消防法から、いっぱいありました。でもこれ全法令を見直して、全部通知を出して、今1142件、総務省単独で措置できるもの全部、結婚前の氏(うじ)単独もしくは併記でですね、これきちっと申請ができるに変えることができたんで。一人の大臣が一年で、それだけできるんで。全部の役所で、せーのでやったら一挙に変わりますね。

だから本当に、通称使用されてる方のご不便はほぼ解消、いや全て解消できると思います。」

 

子供の氏の問題が最大の理由

高市早苗 衆院議員「(子供の氏の問題が)私が戸籍上、夫婦の氏(うじ)をどうしてもバラしたくない理由の最大のものなんです。まず結婚する前って、たぶん大方の方がとっても幸せな気分ですよね。

で、野田聖子先生たちが作られた案っていうのは、婚姻届を出す時に子供の氏を話し合って決めると。夫の氏にするか妻の氏にするか決めると。もしも婚姻届け出す前に、両家の親も出てきてですね。これから生まれるか生まれないかわかんない子供の氏をまず決めて、婚姻届出すっていったら、なかなか大変なことだと。さらにこれは法制審の案を紹介したもので、さらにその野田聖子先生たちに加わっていたのは、もうワンチャンスあったんです。出生届の時に最終的に子供の氏を確定すると。そうすると妊娠期間、大変ですよね。女性も大変、お父さんも大変、そんな中で出生届を出すまでに、もう1回子供の氏を話し合って。これでいいですね、ファイナルアンサーっていうのまでやんなきゃいけない。

民主党が出した平成22年の案は、これは出生届の時に決めればいいんですが、親が話し合って決まらない場合は家庭裁判所が決めるとなってるんです。

 

結婚時に氏を統一できないのに子どもの氏が素早く決まるものなのか

そうしますとね、これは余計なお世話だと推進派からいわれるんですが。一番幸せな婚約時とか、それから子供生まれてくるのを待ってる時に、両方が子供の氏を取り合った場合ですね。例えば出生届っての戸籍法の規定に従って出生後14日以内に必ず届けなきゃいけないんですが、14日間に、話し合いがつかない場合、もしくはお子さんが生まれた時に別居状態にあって協議ができない場合は、子供の氏はどうなるんだと。この辺り、一番私が心配をしたことです。

これも推進派にしたらそんなもん決められると、ほっといてくれっていわれるんですが。結婚される時にどっちの氏にするかっていうのが統一できないわけですね。戸籍上もバラバラで行きましょうっていう場合に、はたして子供さんの氏がそんなに素早く決まっていくものかというのが、とっても私が心配していることですね。」

 

一部の夫婦だけの選択式でも戸籍制度全体に影響を与える

高市早苗 衆院議員「推進派の方は、法律がいくらたくさんあっても変えるのが国会議員の仕事だろうと、こうくるんですけれども。やっぱり個人籍ってなことになったりですね、一部のご夫婦だけの選択式であっても、もう籍からして違いますよと。

子供の氏も違いますよってことになったら、これは戸籍制度全体に確実に影響を与えます。このいわゆるファミリーネームという形が、一部の方のためにはなくなると、制度としてはもうなくなるのと等しいことですからね。

 

根拠のない推進派のエピソード

よく自民党内でも推進派の議員の方が、外の市民団体から聞いた話として、今、パスポートとかマイナンバーカードとか、それから免許証、住民票、印鑑証明まで、旧姓と併記できますよね。併記できるようにもうすでになってるんですが。その併記のパスポートを持って海外に行ったら入国出来なかったっていう話をエピソードとしてよくされるんです。

これはあの非常に熱心に運動しておられる全国団体ですかね、陳情アクションの事務局長さんと番組で一緒になった時も同じ話をしておられたので、その方がずっと自民党の議員にもレクをしておられるんだと思うんですが。

 

本当に入国できない国があったら国名を教えてほしい

万が一、万が一、本当に入れないようなことがあったら、国際問題ですよね。外交問題ですね。だって、氏(うじ)のない国ありますよね。

例えばモンゴルでいうとですね、私は高市早苗ですね。私の父親は高市大休という名前でした。もう亡くなりました。ただ高市じゃなくて、大休さんの早苗さんというのが名前ですから。必ずしも氏(うじ)があるわけじゃない。

それからの連結氏(うじ)の国もありますね。旧氏(うじ)と結婚後の氏(うじ)合わせて。それからのミドルネームやったら、おばあちゃんの名前とか入れ込んで長い名前の国もありますよね。

いろんなパスポート、皆さん氏名についてはですね、いろんな表記のパスポートをお持ちですから。それで入国できないとことが本当にあったとしたら、その国名を教えて欲しいです。

日本国政府として抗議しなきゃいけない。

私も結婚してた時に山本(高市)早苗という併記のパスポート持ってました。でも、ちゃんとパスポートの後ろのページに、日本政府の説明としてですね。この方はこうしてあの結婚前の氏(うじ)を通称で使っているっていう、ちゃんと英語で説明が書いてあったので、(入国審査で)入れないとかね、そこで止められるということはまずないと思いますね。」

 

法制度の無理解を指摘したら一方的にひどく罵られた

高市早苗 衆院議員それから選択的夫婦別姓・全国陳情アクションの事務局長さんとネット番組でご一緒した時にですね。自分の友達が医療関係の専門業種だと、ある技師であると、で旧姓を使えなかったことによって、心身を病んでしまったっていうことをおっしゃってたんですが。

で、その時、私が反論したのは、医療関係は全て専門業種の旧姓併記が可能になってます。これは、医師、歯科医師、保健師、助産師、看護師、臨床検査技師、衛生検査技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、歯科技工士、臨床工学技士それから義肢装具士、ここまでですね、医療関係のは昔は駄目だったんです。戸籍名だったんですが、今は使えるようになってるんです。

だからそういった法制度もよくご理解してから発言くださいということを申し上げたんですが、まあでも、とてもひどく罵られました。こんな何も知らない人が国会議員やってるなんてって、一方的に言われましたが。医療関係、大丈夫です。医療関係も大丈夫ですが、農水省関係も獣医師、調教師、家畜人工授精師、ほぼほぼ役所の国家資格は大丈夫ですね。」

 

今月中に議員連盟を発足しようと思う

高市早苗 衆院議員「あとは地方団体、免許類、私の法律案、通してもらったら、一挙にいくのになあ、と思っています。

まだ、表に出していないんですが、今月中に議員連盟を発足しようと思っています。

つまり私が書きました、婚姻前の氏(うじ)の通称使用に関する法律案、これを現実に国会で成立させる、この活動に向けたですね、議員連盟を作ろうと思っています。

 

この夫婦同氏(うじ)ということが憲法違反だということで、今、最高裁の方にかかってますよね。

この判決が夏頃に出るのかどうかわかりませんが、もし最高裁が今の日本の夫婦親子同氏(うじ)っていう戸籍制度、違憲だと、憲法違反だっていう判断をされたら、もう私たちはぐうの音も出ません。もう最高裁の判断に従って、法務省はすぐに民法も戸籍法も改正することになるでしょう。

 

旧姓を使っておられる、通称使用している方が、1日も早くもっと便利になって欲しい

でも私が考えてるのは、今は全部の結婚されてる方が夫婦親子同氏(うじ)ですけれども、そん中で旧姓を使っておられる、通称使用している方が、1日も早くもっと便利になって欲しいっていうその一心なんです。

ちょっとでも社会生活で不便があったら、やっぱり辛いと思いますよ。会社に頼まれて申請書を出しに行って、で自分の戸籍名しかダメだといわれて。でも持ってった名刺とか、会社の身分証がですね、旧姓で通称名になってた場合に苦労されると思いますので。それは総務省がやったのと同じように、全部の役所で徹底されるととっても便利になると思います。」

 

個人的感想

昨年のことですが、身寄りがない一人暮らしのお年寄りが分譲マンションで亡くなられて、ちょっとした関係から、そのお年寄りが所有する不動産の処分のために、相続人探しをお手伝いしたことがあります。

調査の結果、身寄りがないと思われていたそのお年寄りに、6人の代襲相続人が存在していることがわかりました。

その時、日本の戸籍というのは、とても優れているものだと感じました。

この戸籍制度を、ずっと大切に守っていきたいものです。



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