「JRで車いすは乗車拒否されました」に共感できない理由

(画像は、今回、問題となった東日本旅客鉄道伊東線の来宮駅ホーム。2010年撮影。ウィキペディアより )

社民党の常任幹事の伊是名夏子さんの書かれたブログ記事「JRで車いすは乗車拒否されました」が、賛否両論で話題になっています。

今回は、これを取り上げてみたいと思います。

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JRで車いすユーザー乗車拒否にあいました

 

ブログ記事の内容は、次のようなものです。

4月1日、2日の一泊二日、ヘルパーさん、友だち、子ども2人、の合計5人で、熱海の来宮神社へ観光旅行に出かけた。電車で無人駅の来宮(きのみや)駅まで行こうとして、当日、小田原駅に30分前に行った。

すると駅員さんが、来宮駅は階段しかないので、ご案内できませんと、1.2km手前の熱海駅下車、タクシー利用を勧めた。

これに対して、伊是名さんは駅は公共機関なので、駅員さん3,4人集めてもらい、階段を持ち上げてくださいと希望。バリアフリー法、障害者差別解消法を持ち出し折衝するが、駅員さんは、利用者3000人以下の駅は法律の対象外などと反論。

1時間後、とにかく熱海駅まで行くしかないと、電車に乗ると、熱海駅では駅長が待っていた。そこで伊東線に乗り換えて来宮駅に行き、駅員4人で車椅子を持ってもらい階段を降り、自身はヘルパーさんに抱っこしてもらった。

 

来宮駅データ

来宮駅は、2013年のデータで1日平均の乗車人員は1133人です。

1993年の1日平均の乗車人員は1749人でしたから、年々、利用客が減っています。

2015年から無人駅になって乗車人員の把握ができなくなったのか、その後の来宮駅のデータはJR東のホームページでの記載はありません。

利用客が減っている無人駅に、どんどんエレベーターを設置するのはコスト的に無理があります。

今は、コロナでさらに鉄道の利用客が減って経営が苦しくなっていることでしょう。

 

ネットでは批判の声が目立つ

この記事には賛否両論の声がありますが、どちらかというとネットでは批判の方が目立ちます。

私も、記事には共感できないと考えています。

 

事前にインターネットで、来宮駅の構内図を確認し、1Fの図の表示しかなく、上りホーム側に階段が。

下りなら階段なしなのかな、と思い、行ってから考えようとなりました。(JRで車いすは乗車拒否されました)

事前に調べて、下りホームなら階段がないと思った、とのことですが、ちょっと検索すれば、この記事のアイキャッチで使用している来宮駅のホームの階段の写真が出てきます。

 

そもそも最初の小田原駅の駅員さんが、無人駅の来宮駅ではなく、バリアフリー対応の熱海駅下車を勧めた話も間違っていなくて、熱海駅からは、来宮神社まで、伊豆箱根バスで13分です。

熱海、来宮間はバスの種類も多く、車椅子を乗せてくれるはずです。 駅員さんもきちんと考えてくれていたのだと思います。

伊豆箱根バス通過予定時刻表(pdf)

 

 

乗車拒否?

「JRに乗車拒否された」のタイトルが、おかしい。

「JRで車いすは乗車拒否されました」とありますが、実際は1時間遅れで電車に乗り、熱海駅の駅員さんたちの神対応で、希望通りに来宮駅まで行けています。

 

日常生活ではなく不要不急の観光旅行でちょっと予定より遅れたものの、目的の駅まで行けているのです。

これって、乗車拒否なんでしょうか?

 

むしろ「JRの人の配慮で楽しい旅ができました」と書くべき案件でしょう。

ブログ記事のタイトルや切り口が問題です。

 

この記事からは感謝がまるで感じられませんし、こういう誰かを悪者にして攻撃して社会を変えていこうという手法は効果があるのかもしれませんが、とても後味が悪いものです。

共感できません。

 

社民党の常任幹事

伊是名さんは、2月から社民党の常任幹事をされています。億円単位の政党助成金をもらう公党の幹部です。一般人ではありません。

21日開かれた社民党全国代表者会議では、那覇市出身でコラムニストの伊是名夏子氏と沖縄平和運動センター議長の山城博治氏が常任幹事に選出された。

伊是名さんは骨の弱い障がい「骨形成不全症」で電動車いすを使用しながら、2人の子育てに奮闘している。著書「ママは身長100cm」など、コラムニストとして新聞やウェブメディアにも執筆するほか、各地で講演活動もしている。(琉球新報 2021年2月22日)

 

伊是名夏子さんの著書「ママは身長100cm」はこちらです。

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