本人死亡の場合、解約しにくいサブスクの落とし穴 遅れている消費者保護

確定申告が終わって、会計ソフト「freee」の支払いを停止しました。

確定申告の時、1ヶ月だけ利用すれば十分だからです。

支払停止の方法がわかりにくく、ネットで検索しながらの作業でした。

クレジットカード番号が登録されているので、支払停止の作業が遅れれば、翌月も自動継続されて、料金が引き落とされてしまいます。

自分でもわかりにくいのに、これを家族や第三者が行う場合は、かなり面倒なことだろうと思います。

 

月額の定額料金を支払えば、そのサイトが自由に使えるというサブスクのサービスが増えています。

ところが、いざ止めるとなると、解約のページがわかりにくいところにあったり、手間がかかるように設計されていたりする場合があるのではないかと感じることがあります。(会計ソフト「freee」が特にそうだったという意味ではありません)

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サブスク、未納なら自動解約にしてほしい

サブスクの解約に関する不安をツイートしたところ、多くの反応をいただきました。

 

 

サブスクの落とし穴

このツイートは、『証言 沖縄スパイ戦史 (集英社新書)』の著者の三上智恵さんのFacebook投稿をネタ元にしています。

三上さんは、安倍晋三 総理大臣辞職のニュースに「胸がスッとする」「スカッとジャパンより スカッとする!」と書かれるような方なので、他のFacebook投稿は読んでいても、あまり共感は感じないのですが、このサブスクの記事だけは、とても気持ちがよくわかるものでした。

あなたはサブスク科の寄生虫
何匹くっつけてますか?

あなたはまだしも
あなたより先に死ぬかもしれない
大事な家族が
寄生虫まみれに
なっていないか?
それを駆除するなら
生きているうちですよ
わたしみたいにならないために
以下、読んでくだ…

三上 智恵さんの投稿 2020年12月8日火曜日

三上さんの85歳(当時)のお父様は新型コロナウイルス感染症が疑われる病状で、ある夜、少し風邪気味だからと早めに休んだものの、夜通し苦しかったらしく明け方自分でタクシーを呼んで病院へ。即入院となり2日目から人工呼吸器を着けましたが病状は急激に悪化。3日目にお亡くなりになったそうです。

東京と沖縄と離れて暮らしていたために、死亡・相続手続きに4ヶ月もかかったそうです。

結局、お父様は9つのサブスクと契約されていて、飲料水や野菜ジュースの定期便、Office365やネットフリックスなどサブスクサービスの利用料請求や代行するカード会社からの督促状に悩まされたといいます。

 

未納でも契約が続くサービスもある中、マイクロソフトは良心的で「2カ月支払いがなければアカウントは自動的に停止される」と伝えられたそうです。

ところが、三上さんのOffice365は、年間契約だったので、結局、翌年分も請求されてしまいました。

 

現状は、「解約」手続きに手間取れば手間取るほど、業者側が儲かる仕組みになっています。

意図的にそのように設計しているのではないか、とすら思ってしまいます。

 

死亡証明書一つで
それ以降の請求を無効にする
少なくともサブスクは!
たったひとつ
このルールを
法制化してください! (三上さんのFacebookより)
三上さんは、Facebook投稿で「死亡したら請求無効にする法制化」を求められていますが、アカウントごとの契約のサブスクでは、マイナンバーと紐付けでもしない限り、死亡などの個人情報をサービス提供側が把握することは難しいでしょう。

 

1年ごとに「継続する意思があるか確認」を

年間契約の場合は、本人死亡のあと、気がついたときには、次の1年分が新しく継続契約されていたということになってしまう可能性もあります。

おそろしい。

 

個人的には、

  • 2ヶ月未納なら自動解約
  • 1年ごとに、利用ページで「継続する意思があるか確認」を求めて、「了解」がなければ自動解約

の法制化が、いいのではないかと考えています。

 

これこそデジタル庁の仕事?

申込みから解約、支払いまでもがすべてネット上で完結してしまうサブスクは、新しいサービスです。

しかし、そのIDやパスワード、さらには利用サービスの数が多くなってくると、何のサブスクと契約しているかすら本人しかわからなかったりします。

 

サブスクのサービスは増えるのに、

消費者保護の観点からの法整備が遅れているのではないかと、思います。



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