原口一博さんの「かけがい」、ZARDの「かけがえ」、正しいのはどっち?

「かけがいのない」と「かけがえのない」

「間違い」と「間違え」

どちらが正しいのか、悩んだことはありませんか?

立憲民主党の原口一博 衆院議員が10月10日にポスターを披露され、「お知恵頂戴です。」とツイートされています。

せっかくですので、ポスター改善のための知恵を出してみます。

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「かけがいのない」と「かけがえのない」

原口一博さんのポスターには「かけがいのない命を守る」というキャッチコピーが付けられています。

 

かけがいのない

 

 

女性歌手・坂井泉水さんを中心に結成された音楽ユニットZARD(ザード)が2004年に、38thシングル『かけがえのないもの』発売、この曲はオリコン4位になっています。

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『かけがえのないもの』は、当時、TBS系テレビで毎週金曜23:00 – 23:30に放送されていたバラエティ番組『恋するハニカミ!』のテーマソングでした。(2004年4月~6月)

 

原口一博さんの「かけがい」、

ZARDの「かけがえ」、

正しいのはどちらでしょうか?

 

「掛け替え」

かけがえ(掛け替え)のないとは、かわりになるものがない、このうえなく大切な、という意味です。

掛け替える(下一段活用)

「掛け替える」の連用形が「掛け替え」です。

 

「掛け替えのない」という意味で使用しているのだとしたら、

正しいのはZARDの「かけがえのないもの」で、

原口一博さんの「かけがいのない命」は誤用です。

 

 

「間違い」と「間違え」

似たような事例で、名詞の「間違い」と「間違え」があります。

こちらは「間違い」を使う人が多く、「間違え」は少数派です。

「間違え」は間違いだと言う人もいますが、「間違え」は間違いではありません。

 

この混乱は、

間違う(五段活用)
間違える(下一段活用)

の2つの動詞があることから発生しています。

 

「間違う」と「間違える」の違い

非常に微妙な違いがあります。「間違う」は「正しい(あるべき)状態から外れていること」、「間違える」は「AとBとを取り違えること」がそれぞれ意味の中心になっていると言えます。(NHK放送文化研究所)

 

「間違う」の連用形が「間違い」。

「間違える」の連用形が「間違え」。

 

ですから、どちらも間違いではないのです。

 

「掛け替え」については、「間違い」と「間違え」のような混乱はありません。



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