「かけがいのない」と「かけがえのない」
「間違い」と「間違え」
どちらが正しいのか、悩んだことはありませんか?
立憲民主党の原口一博 衆院議員が10月10日にポスターを披露され、「お知恵頂戴です。」とツイートされています。
せっかくですので、ポスター改善のための知恵を出してみます。
「かけがいのない」と「かけがえのない」
原口一博さんのポスターには「かけがいのない命を守る」というキャッチコピーが付けられています。
ポスター原案 できてきました。
ここから色とアバターを決めていきます。立憲民主党は、紺色。
私の色は、赤。お知恵頂戴です。 pic.twitter.com/IIA9ftqkF1
— 原口 一博 (@kharaguchi) October 10, 2020
女性歌手・坂井泉水さんを中心に結成された音楽ユニットZARD(ザード)が2004年に、38thシングル『かけがえのないもの』発売、この曲はオリコン4位になっています。
『かけがえのないもの』は、当時、TBS系テレビで毎週金曜23:00 – 23:30に放送されていたバラエティ番組『恋するハニカミ!』のテーマソングでした。(2004年4月~6月)
原口一博さんの「かけがい」、
ZARDの「かけがえ」、
正しいのはどちらでしょうか?
「掛け替え」
かけがえ(掛け替え)のないとは、かわりになるものがない、このうえなく大切な、という意味です。
掛け替える(下一段活用)
「掛け替える」の連用形が「掛け替え」です。
「掛け替えのない」という意味で使用しているのだとしたら、
正しいのはZARDの「かけがえのないもの」で、
原口一博さんの「かけがいのない命」は誤用です。
「掛け買い」(かけがい)とは、代金を後日支払う約束で品物を買うこと。 https://t.co/veaX3rbsYG
— 以下略ちゃん™ (@ikaryakuchan) October 12, 2020
「間違い」と「間違え」
似たような事例で、名詞の「間違い」と「間違え」があります。
こちらは「間違い」を使う人が多く、「間違え」は少数派です。
「間違え」は間違いだと言う人もいますが、「間違え」は間違いではありません。
この混乱は、
間違う(五段活用)
間違える(下一段活用)
の2つの動詞があることから発生しています。
「間違う」と「間違える」の違い
非常に微妙な違いがあります。「間違う」は「正しい(あるべき)状態から外れていること」、「間違える」は「AとBとを取り違えること」がそれぞれ意味の中心になっていると言えます。(NHK放送文化研究所)
「間違う」の連用形が「間違い」。
「間違える」の連用形が「間違え」。
ですから、どちらも間違いではないのです。
「掛け替え」については、「間違い」と「間違え」のような混乱はありません。