全受験者の4分の1程度が面接0点 岡山理科大が週刊文春の不正入試報道に対して「入試の実施方法」を公開し反論

※この画像は、無料写真素材なら【写真AC】より

加計理事長の顔写真に「理事長の加計孝太郎氏は首相の“悪だくみ”仲間」と記事冒頭で記載するなど、編集に工夫を凝らした告発記事で、週刊文春が、岡山理科大の今年度の獣医学科に関する推薦入試A方式の実施方法と合否判定について、不正があるかのような記事を掲載しています。

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週刊文春「加計孝太郎氏は首相の“悪だくみ”仲間」

(画像は週刊文春3月12日号より)

安倍昭恵さんのジョークを、週刊文春は切り取って印象操作目的で告発記事に使用しています。

 

筆記試験トップ

週刊文春は3月11日、「加計学園「不正入試」疑惑 不合格の韓国人受験生は筆記試験トップだった」という続報記事を公開しました。

暗記中心の筆記試験において、数点差でトップだから何だというのでしょうか?

日本語でのコミュニケーション能力とは無関係の話です。

 

この続報記事についてのコメントでバズっているのが、このツイートです。

みごとに週刊文春の「理事長の加計孝太郎氏は首相の“悪だくみ”仲間」というキャプションが効いていると思われる、感情的なコメントです。

ほとんどの獣医学部の受験生は、「合格に向け、睡眠も惜しみ、遊ぶこともせず、ひたすら机に向か」っていると思うのですが、よくわからないコメントです。日本人の受験生は遊び歩いていると考えているのでしょうか?

なぜ「安倍」が出てくるのかもよくわかりません。

 

週刊文春の続報には、何ら目新しいものはなく、「筆記試験で上位だから」という根拠だけで「面接でも上位のはずだ」と錯覚させる記事内容になっているように読めます。

物は言いようで、筆記試験は50点、50点の2科目だけですから、筆記試験トップとはいっても、他よりすば抜けて優秀なのかどうかも判断がつきません。得意、不得意、出題に運、不運もあります。

そもそも筆記試験と面接試験は、評価のポイントが違うのです。

週刊文春は、面接でどのような不正があったと疑うのかを具体的に指摘するべきだと考えますが、そのような記載はありません。

 

日本人受験生も約10人程度が面接でE判定(0点)だった

これに対して、岡山理科大は3月11日、「一部報道について」というリリースを公開して、週刊文春の記事内容を全面的に否定しました。

 

どうやら、全志願者69名の約4 分の 1、つまり日本人受験生も約10人程度が面接でE判定(0点)だったようです。

週刊文春はこの事実を隠して記事を書いていると思われ、どうしても恣意的な記事の印象が強いです。

 

岡山理科大による推薦入試A方式の実施方法と合否判定の説明は次のとおりです。

入試の実施方法

  • 獣医学科の推薦入試A方式では、出身高等学校の調査書(50 点満点)、基礎的な試問(80分で 2 科目<獣医学科は数学必須で、英語もしくは理科の物理・化学・生物のうち 1 科目を選択>=各 50 点)、面接試験が 50 点の計 200 点満点で判定。
  • 面接試験は 1 人 15 分間。
  • 面接官 32 人が 2 人 1 組の 16 班編成で、1 班につき 4~5 名の受験生に対して実施。
  • 内容は志望動機や獣医師に関する知識、コミュニケーション能力などを問うもの。
  • A~Eの 5 段階で総合評価しており、A、B、C、D、Eとなっており、E は0点。
  • 面接は日本語能力だけを問うものではなく、獣医学科での学習に必要な基礎的な知識なども含めて総合的に判定。
  • 面接試験の評価項目のうち 1項目でもE判定がつけば総合評価もE判定となる。

 

入試の合否判定

  • 本年度の推薦入試A方式では、韓国人受験者は志願者数が 8 名で、うち 1 名が欠席したため受験者は 7 名だった。
  • 面接試験では韓国人受験者 7 名全員がE判定だった。
  • 外国人のみならず日本人も含めて、全受験者の 4 分の 1 程度がE判定だった。
  • 韓国人の推薦入試A方式受験者のうち不合格だった 2 名は、一般入試前期にチャレンジし合格している。

 

面接がある入試でも合格している

加えて韓国人の獣医学科合格者は一般入試前期で1名、留学生入試(試験は日本留学試験の点数と面接試験で行われます。)で1名、併せて 4 名となっており、面接を伴う留学生入試でも合格者がいることに照らせば「国籍差別」などしていないことはご理解いただけるもの、とのことです。

現在、獣医学科に在籍する外国人留学生は韓国 13 名、台湾 2 名。

 

岡山理科大では、入試は実施方法及び合否判定においても何ら問題なく適正に実施しているとしています。



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