石川優実さんの書籍『KuToo』におけるTwitterスレッド表示が気になる

石川優実さんに、なぜかブロックされている以下略ちゃんです。

今回は、話題の石川優実さんのいわゆる『KuTooクソリプ本』で、個人的にとても気になっている、Twitterのスレッド表示についてのお話です。

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Twitterのスレッド表示とは

Twitterには「スレッド」という機能があります。

以下のリンクは、「スレッド」機能で連投もできるという新機能についてTwitter社による解説です。

記事内容にはあまり関係はありませんが、興味のある方はお読みください。

スレッドの効果的な使い方

スレッドとは、1本の糸のような筋で、連続してつながっているように表示される一連のツイートのことです。

どのツイートを見ても、上下に関連したツイートが表示されるので、ひとつの話題をつなげてメモ代わりにも使える便利な機能です。

スレッドを作るには、ツイートに直接リプライ(返信)を付けるか、自分のツイートの下に新しいツイートを追加します。

※自分のツイートをスレッドにするかどうかは自分で決定するものであり、スレッドも自分のTwitterページの著作物の一部です。スレッド化するということは、自分でストーリーを作ることです。「スレッド」は単なる装飾ではありません。

石川優実さんのスレッド

一例として、例えば石川優実さんのスレッドは次のようになっています。

スレッドでストーリーになっています。

例えば、このスレッドから第三者が、途中の「いやーん」だけを引用して他のツイートとつなげたら、どうなるでしょうか?

話が変わってしまいますよね。

石川優実さんの本で不適切な他人のツイート引用という批判

石川優実さんの本『#KuToo(クートゥー): 靴から考える本気のフェミニズム』において、不適切な他人のツイート引用がされているとの批判があるようです。

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「無許諾のまま他人のツイートを利用して本として販売して儲けている」との批判に対して、この本の出版元である現代書館さんは、正当な引用であり問題がないと主張しています。

もちろん、Twitterの規約に従って、APIを使用してそのまま埋め込めばツイートの引用に著作者の承諾を得る必要はありません。

次のような引用ですね。

この埋め込みなら、直接、オリジナルのツイートに飛ぶこともできます。

オリジナルのツイートのアクセスを奪うことなく引用していることがポイントです。いわば双方に利益のあるWin-Win(ウィンウィン)の関係です。

しかし、紙の本に掲載して販売する場合はどうなんでしょうか?

長い文字列のURLが小さく記載されていたとしても、オリジナルへのアクセスはまったく期待できません。原稿料ももらえず、ツイート主はただで1ページの半分として利用されるだけです。

Twitter社の規約を見ても、ネット以外への引用は、そもそも想定していないようです。

出版社「原文のまま引用」

現代書館さんは、引用についての見解を、

公表された著作物は、報道、批評、研究といった引用の目的上正当な範囲内で行われるものであるならば、引用して利用することができます(著作権法第32条)。またその場合、同第48条では著作物の出所、著作者名の明示が定められております。
引用については基本的に著作者の承諾を得る必要はございません。

本書におきまして、特にその「2 #KuTooバックラッシュ実録 140字の闘い」は、#KuTooの趣旨に賛同していない投稿、石川優実さんを批判する投稿について批評し考察する章となっておりますため、著作権法第32条の規定に従いまして投稿発言(リプライ以外も含む)を原文のまま引用し(割愛する場合は[…]を表記しております。著作物の中〈投稿内〉にリンクを貼った記事の見出しなどが含まれている場合は引用をしておりません。)、同第48条の規定に従いまして投稿者のアカウント名、URLを記載いたしました。(石川優実著『#KuToo』について読者のみなさまへ)

と説明をしているのですが、個人的にとても気になるのは、この本における「スレッド」表示(の引用)です。

言い換えると、原文のツイートの「スレッド」表示を、原文のまま正確に引用しているのか? という疑問です。



原文のままの「スレッド」表示?

次の画像は、「みやびmama @miyabi39mama」というユーザーのツイートを、「原文のまま引用」したとしているページです。

『#KuToo(クートゥー): 靴から考える本気のフェミニズム』p.70

ページの下の方に、「返信をツイート」「リツイートする」「いいねする」「シェアする」などのボタンが描かれています。

Twitterの表示をそのまま紙に表示したというコンセプトの編集デザインなのでしょう。

ページまるごとがTwitter画面の引用なのでしょうか?

前述したTwitter画面のキャプチャー引用と比較して、どこの部分が引用なのか、明確に分けられていなくて、よくわからない編集です。

左側には、「スレッド」を意味する1本の縦の太いラインが引かれています。

最初の「みやびmama」さんのツイートの上にもスレッドラインが引かれていて、「みやびmama 」さんが何かのツイートに付けたリプライのように見えますが、上位の元のツイートは省略されていて何かはわかりません。

本の「2 #KuTooバックラッシュ実録 140字の闘い」では、石川優実さんへの「クソリプ」を晒して批評するという内容のようですので、上位の元のツイートは省略されてはいますが、縦のスレッドラインでつないでいることの意味するところは、

①石川優実さんのツイートに「みやびmama」さんがリプライを付け、

②そのリプライにさらに石川優実さんが返信コメントを付けた、

というスレッド表示と読むことができます。

「みやびmama」さんの上位のスレッドが見つからない

p.70で使われている「みやびmama」さんのツイートを探してみました。どうやら、このツイートのようです。

このツイートは、「みやびmama」さんが自分のタイムラインで自分のフォロワーに向けて、つぶやいているものであることがわかります。

単独のツイートですので、石川優実さんの本では「スレッド」が描かれていますが、このツイートの上位のスレッドにあたるようなツイートは確認できません。

原文のまま引用した、とのことですが、この「赤丸」のスレッドの上位には何があるのでしょうか?

この「赤丸」のスレッドラインは、「みやびmama」さんが、リプライ(返事)を付けたことを表示しています。

『#KuToo(クートゥー): 靴から考える本気のフェミニズム』p.70

存在しないスレッドを偽装した疑いがあります。

引用が認められるためには、元のツイートのとおりに掲載しなければいけませんよね。勝手にスレッドラインをひいていいんでしょうか?

スレッドとは投稿者が作成したストーリーです。

読者が誤解するのではありませんか。

ツイートの主旨を歪めて本に掲載している

本に切り取りで掲載されている「みやびmama」さんのオリジナルツイートの全文を見てみます。

靴の写真を変えてましたね
当然でしょう
ハイヒールの写真だと、誇大キャンペーンです

それにしても、いまだに、性差別だという主張を下げないんですね
慰安婦のイベントに参加するし、本丸は靴ではなくて、性差別をなくすことですね(署名ページURL)

全文を見ると、ツイートの主旨が、本に掲載されているものとは異なることに気が付きます。

このツイートの主旨は、「KuToo」の署名サイトの写真が、誤解を招くピンヒールの写真だったのに、こっそり差し替えられていたことを指摘したもの(黄色マーカー部分)のようです。

▲最初の画像
▲画像差し替え後

ところが、驚くことに石川優実さんの本では、

「それにしても、いまだに、性差別だという主張を下げないんですね
慰安婦のイベントに参加するし、本丸は靴ではなくて、性差別をなくすことですね」

という黄色マーカー部分以外の付け足しの部分だけを使用していて、本来のツイートの主旨である「署名サイトの写真の差し替え」の指摘部分とURLをまるごと省略してわからなくし、ツイートの主旨を変えて使用しています。

紙の本ですから、読者はオリジナルのツイートに飛んで確認することもできません。

これでは、本の読者に「みやびmama」さんのツイートの主旨が正確に伝わらないではありませんか。

Twitterは最大でわずか140文字なのですから、省略する意味がわかりません。きちんと原文の通り、全文を掲載すれば、どちらが的はずれなコメントをしているのかが、読者には判断できたはずです。

引用リツイートなのに、なぜかスレッド表示

石川優実さんのツイートにはURLが付けられていないことも不可思議です。

該当する石川優実さんのツイートを探して、その理由がわかりました。

石川優実さんのツイートは、本でスレッド表示しているようなリプライではありませんでした。

石川優実さんのコメント部分は、石川優実さんが、「みやびmama」さんが自分のタイムラインでつぶやいているだけのツイートを探し出してきて、石川優実さんからコメントを付けて引用リツイートしているものでした。

逆に、石川優実さんが、「みやびmama」さんにクソリプを付けている形ですね。

しかも、元のツイートの主旨を理解していない、とんちんかんなコメントです。

引用リツイートでは、スレッドは途切れてしまいます。

この引用リツイートの形では、本に描かれているようなTwitterのスレッド表示にはならないはずです。

どういうことでしょうか?



一緒に載るのはちょっとやだな

「みやびmama」さんのツイートに対して、石川優実さんはこの本で、次のように批評しています。

……あ、私が書籍デビューしたと同時にこいつのおかしな思想が私の本に載っちゃったのか。一緒に載るのはちょっとやだな。引用掲載おめでとう。(p.71)

批評というより、まるで誹謗中傷です。

嫌なら、他人が自分のタイムラインでつぶやいているだけのツイートを、勝手に使わなければいいだけの話です。他人が自分のタイムラインでどのような思想や意見をツイートしようが、「言論の自由」の範囲の話です。

しかも、石川優実さんは「みやびmama」さんをブロックしていたというのですから、わけがわかりません。

こうした一方的な批評に「みやびmama」さんは、かなりお怒りのようです。

個人的には、「みやびmama」さんにもきちんと謝礼をお支払いすればいいのに、と思うのでした。

個人的な感想

「石川優実さんを批判する投稿を原文のまま引用した」との出版社側の主張ですが、TwitterはSNSですので、タイムラインやスレッド表示など他のユーザーとのやりとりする発言の位置関係がとても重要です。

そのスレッドを正確に引用していないとしたら、それは「原文のままの引用」とはいえないのではないでしょうか。

今からでも遅くはないので、権利者の方たちに連絡をとって、出版社さんが誠意ある対応を取られればよいのになあ、と思うのです。



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