原英史さんに取材してわかった森ゆうこ議員の11月26日の “虚偽” 質問

国民民主党の森ゆうこ参院議員が、11月26日の参議院農水委員会で、またもや国家戦略特区ワーキンググループの原英史さんについて質問をされました。これで4回目です。

この質問の中で、森ゆうこ議員の発言に虚偽があったようです。

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令和元年11月19日 参議院農林水産委員会



森ゆうこ議員の主張「千葉県の国家戦略特区区域会議で」

11月26日の森ゆうこ議員の質問は、前回と基本的に同じものでしたが、新しい発言がありました。それは次の部分です。

「平成29年からスタートしてますので、もうこれ隠す必要ないんです。新たな規制改革項目として、千葉県の国家戦略特区区域会議で、規制改革項目として新たに提案されて、そしてこれは実現しております。だから議事録、隠す必要も全くありません。」

「千葉県の国家戦略特区区域会議」の議事録が隠蔽されているようにも聞こえます。

しかし、「千葉県の国家戦略特区区域会議」がよくわからないので、原英史さんにDMで直接、取材して聞いてみました。(原さんの回答は質疑書き起こしの後にあります。)

 

後半の国家戦略特区関連の質問部分の文字起こし

森ゆうこ議員「次の質問に移りたいと思います。資料をお配りしております。もうなんかライフワークみたいになってまいりましたけれども、あの、まぁ、シュレーダー首相じゃなくて、シュレッダー首相じゃないかとかですね。行列のできるシュレッダーとか、もう大喜利状態ですけれども。

内閣府の文書管理。国家戦略特区。記録がない、記憶がない、確認できない。平成27年10月23日、費用は支払った、ワーキングの委員に。しかしそれを何が行われて何に対して謝礼を払ったのか、メモもない、会議録もない、誰も覚えていない。大塚さん、私がね、聞いた相手が悪いって言いますけど、いやいや、当時の人に確認してもらってもわからないって話だったんですよ。で、内閣府ではわかんないけど、こないだの副大臣の答弁のおかげで文科省に聞くことができました。すぐに持ってきてくれましたよ。

⑤の1と2ですけどね。ちゃんと記録があるじゃないですか。ちゃんと記録があるじゃないですか。平成27年10月23日17時15分から17時30分、原さんだけが出てますけどね。これは愛知県の学校の公設民営と、これもうスタートしてます。もうスタートしてますので、平成29年からスタートしてますので、もうこれ隠す必要ないんです。新たな規制改革項目として、千葉県の国家戦略特区区域会議で、規制改革項目として新たに提案されて、そしてこれは実現しております。だから議事録、隠す必要も全くありません。大塚さんこの間の答弁、全然違うんじゃないんですか。なぜ副大臣ね、官房長じゃなくて。なぜ内閣府には記録がないんですか?」

大塚内閣府副大臣「こないだも答弁したと記憶しておりますが、ちょっと議事録、詳細見てないので、少し違うところがあったらお許しいただきたいと思いますけれども。

この規制改革の必要が、本件あるかどうかということを、ワーキンググループの先生がた、日々いろいろなタマがないかってことをサーチをして一生懸命探していただいております。それからいろんなところからご相談もある、そういう中でこの案件は特区のワーキンググループで正式にヒアリングとして取り上げて制度改正をしていく必要があるかどうか、を見極めるための打ち合わせをこの時にしていた、というふうに確認をしております。

したがって、これを確認した結果、すでに既存の制度の中でこれはできることであると、この森先生お配りになられた資料に、はっきりそう書いてあるわけですけれども。

文科省から、この⑤の2ですかね。愛知県の提案のように、当該専攻科のみの管理を委託することは可能と考える、と明確に書いてあるわけです。従って、特区のワーキンググループとしては、これらの制度改正をする必要がない、ということが確認をできましたので、正式なヒアリングプロセスに入ることはなく、国家戦略特区としての意思決定に必要な影響を与えるようなプロセスというものに該当しない、ということになったわけでございます。

一方、文科省の方は、これは文科省のご事情で、いろいろ記録をとられて、残されていたんだと思いますけれども。これはあの、国家戦略特区のワーキングと、文科省は目的も違う組織ございますので、なんら違和感はないというふうに考えております」

 森ゆうこ議員「まぁ、デタラメで答えないでくださいよ。何言ってるんですか。

この後、これ10月23日でした。

もう一回くらい会議があったと思うんですが。それはいつあったのか、公開されておりません。そもそも、この10月23日、こういう会議があったっていうことは、私、私どもが支出負担行為決定決議書を提出させて、その平成27年10月分のものが出てきたから、これに対応する会議がないねっていうことでわかってきた話で。言わなきゃ、もう、ずっと何もなかったことになって、支払いの根拠が何も示されないまま進んでいった。

でもこの後ですよ、11月26日、愛知県の国家戦略特区区域会議で、新たな追加項目、規制改革の追加項目として規制の特例が認められて提案されてるんですよ。愛知県のホームページにも、愛知県のホームページにもきちっと載ってますよ。そういうね、でもそれも記録を残していない、何も残っていないという説明にも何もなっていませんよ。何も記録を残さない行政なんてあるんですか。

ま、でも大塚官房長、内閣は特別なルールがあるようでございますので、ちょっとうかがいたいんですけどね。昨日の行列のできるシュレッダー、野党の追及チーム、見に行ったけども拒否されたそうなんですけれども。でもシュレッダーのせいって言ったのは官房長ですよ、見せてもらわなきゃ困るじゃないですか。であの、使用記録がその根拠であると、5月9日の使用記録が、たまたま、たまたま宮本衆議院議員の、その資料要求に同じ日になった。使用記録あったんでしょ、どうですか?」

大塚大臣官房長「お尋ねの名簿でございますけども、まずこれ公文書管理のルールに従って、廃棄をしたものでございましたので、この5月9日であるって事を記録した文書そのものはございません。ただ、それとその大型シュレッダーの使用に関しましても、そのお尋ねの名簿を廃棄したというその客観的な記録はございませんが、これは大型シュレッダーを予約使用した職員がおりまして、その職員については確認が可能でございます」

森ゆうこ議員「大塚さんが衆議院の答弁で、根拠はその使用記録だって答弁されたから聞いてるんじゃないですか。だからね、もうやめてくださいそういうの。それでこれがあの参議院予算委員会の理事会に提出をされた例の名簿の一部、廃棄されていない名簿です。これ176ページあるのかな。3000人分ぐらいなんですね。そうすると15000人分ですから、この約4倍。多く見積もってですよ。約4倍ですよ。行列のできるシュレッダーですから。確か40秒か45秒で1000枚処理できるそうですので、あっという間じゃないですかこれ。並ばなくても。どうなんですか。そして、管理番号の意味。桜を見る会招待者名簿6桁ありますけれども、60番台、これも消してあるのと、消してないのと両方なんですが、規則性があります。この招待者名簿の番号ですけども、この60番台ってのは、昨日、田村智子さんの質問に曖昧な答えしてましたけれども、これ60番台ってのは総理は枠じゃないんですか?」

大塚大臣官房長「今、委員ご指摘のございました、このおそらく受付票の番号というふうに理解いたしました。これじたい、なぜそういう番号を付しているかということですが、これ、招待状の発送を効率的に行うために付しているものでございまして、したがいまして、その会の終了をもって使用目的を終えております。現時点でこれら情報は保有しておらず、お答えすることはできないというものでございます」 

森ゆうこ議員「今日、配った資料、これ一番最初、だからね、この国家戦略特区全貌がわからないんです。内閣府で資料がない、しかし水産庁でもあった。当たり前ですよ、当たり前ですよ。そしてこの間の答弁で文科省にもあることがわかってすぐ出した。当たり前なんですよ。

ところがこのね、提案についてこの管理番号振ってあるでしょ。番号に意味がないって言うんですよ、内閣府は。まぁ、だから摩訶不思議な管理が行われているということで、資料も、まぁあの、少しずつしか出てまいりませんけれども、ここで諦めたら終わりですので。これ民主主義の根幹を示すものなんですから、文書管理ってのは。公文書管理法、読んでいただければわかりますけれども、諦めずに、またあの調査を続けて参りたいと思いますのでよろしくお願いいたします」

(2019年11月26日 参議院 農林水産委員会)



どっちがデタラメ?

森ゆうこ議員は「デタラメで答えないでください」と相手を断罪して、大塚副大臣に反論をさせずに、話を変えています。

みごとな印象操作の手法です。

 

「愛知県」と「千葉県」を、どうしたら言い間違えることができるのか、不可解ですが、DMでの原英史さんの説明は次のとおりです。

森議員の発言で、「新たな規制改革項目として、千葉県の国家戦略特区区域会議で、規制改革項目として新たに提案されて、そしてこれは実現しております」ともありますが、「千葉県」は「愛知県」の言い間違いかと思われます。「千葉県」は国家戦略特区に指定されていませんし(千葉市、成田市は特区)、公設民営学校とも関係ありません。

(原英史さんの説明)

原英史さんは気配りで、「言い間違い」と説明されていますが、メモを見ながら激しく追及している側が「愛知県」と「千葉県」を間違えるのはおかしなことです。

副大臣を「デタラメで答えないでくださいよ。何言ってるんですか。」と激しく罵っているのに、自分のほうがデタラメでしたでは済まないわけです。

ましてその後、すみやかな謝罪も訂正もないわけですから、わかっていてウソを織り交ぜ意図的に相手がデタラメのように印象操作しているだけではないかと疑ってしまいます。



森ゆうこ議員の「資料⑤の2」

「国家戦略特区法第12条の3の規定に基づき、(中略)検討した結果、(中略)愛知県の提案のように当該専攻科のみの管理を委託することが可能」と書かれています。

これは、大塚副大臣の説明のとおり、既存の特例措置で実施可能、という確認がされたという意味です。

 

森ゆうこ議員の「資料⑤の1」

森ゆうこ議員は、内閣府が隠蔽体質のように繰り返しおっしゃっていますが、非公開を希望したのは、内閣府や原英史さんではなく、文科省の浅原専門官であると書かれています。

 

森ゆうこ議員は、少しずつ虚偽を混ぜる癖があるのではないかと疑ってしまうわけですが、仮に単純な間違いであるのなら、資料を読み込む能力に問題があるということになります。

どちらも、他人を追及する側の人間としては、ありえないことです。



サンフランシスコ時間冤罪事件も未解決

森ゆうこ議員や原口一博議員らが、10月15日の嘉悦大学教授の高橋洋一さんのツイートをサンフランシスコ時間に改ざんして前日のツイートのように見せかけて、ありもしない質問通告の事前漏えい冤罪をでっち上げて、追及チームまで作って騒いでいたというひどい事件がありました。

この冤罪事件は、いまだに訂正も謝罪もされていません。追及チームの報告書も議事録もありません。

 

冤罪をでっち上げられた被害者の高橋洋一さんのツイッターには、今でも、ひどい誹謗中傷のツイートがくりかえし寄せられています。

 

森ゆうこ議員のご主張によれば、「記録を残すということは民主主義の根幹を示すもの」だそうですので、自らサンフランシスコ時間改ざん事件の報告書を早く公開して、民主主義の根幹を示していただきたいと思います。

 

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