相互フォローの徳本 @tokumoto0 さんの映画「新聞記者」レビュー ツイートがとても秀逸でおもしろいので、許可をいただきふたたびまとめてみました。
この記事はネタバレが含まれます。
まだ映画をご覧になっていない方は、ご注意ください。
連想できる実在の団体を悪魔のように描いたフィクション
一言で言うと、加計学園、省庁文書改ざん、伊藤詩織さんの各案件をごった煮にして、殺人から人海戦術でのツイッター工作まで手掛ける悪の組織・内閣調査室を加えたお話。
望月衣塑子の映画「新聞記者」を見たので感想を少しずつ書いていきます。一言で言うと、加計学園、省庁文書改ざん、伊藤詩織の各案件をごった煮にして、殺人から人海戦術でのツイッター工作まで手掛ける悪の組織・内閣調査室を加えたお話。望月、前川喜平らの討論番組が解説のように随所で流れます。
— 徳本 (@tokumoto0) 2019年6月28日
加計学園の件をはじめ、結局自分たちが期待する証拠が見付からず、世論も冷ややかだった憂さを創作の世界で晴らしている印象。それをさておいても映画としての出来もお粗末。劇中の事実関係やメッセージは全部台詞で説明。オーディオコメンタリーよろしく望月本人らの解説(討論番組)が随所で流れる。
— 徳本 (@tokumoto0) 2019年6月28日
パソコンがずらりと並ぶ暗いフロアで職員たちがツイッターの書き込み工作に精を出す。そしてボスがでっち上げ情報を流せとか与党のネットサポーターに流して拡散させろとか直接指示。
悪の組織として登場する内閣調査室の描写も漫画のよう。パソコンがずらりと並ぶ暗いフロアで職員たちがツイッターの書き込み工作に精を出す。そしてボスがでっち上げ情報を流せとか与党のネットサポーターに流して拡散させろとか直接指示。脚本家の一人が特命リサーチ等を手掛けた人と知り納得。
— 徳本 (@tokumoto0) 2019年6月28日
主人公役は韓国人女優ですが、カタコトの日本語。
主人公役は韓国人女優ですが、カタコトの日本語がつらい。聞いててむしろ気の毒。映画制作開始の頃、日本語は日常会話がなんとかできる程度とか語る記事がありましたが、間に合いませんでしたね。母親が韓国人という劇中設定はストーリー上の意味はなく、カタコトな日本語への予防線でしょうか。
— 徳本 (@tokumoto0) 2019年6月28日
サスペンスとしてもガバガバで、不正の証拠となる省庁の極秘文書を求めて松坂桃李演じる善玉官僚が旧知の官僚を訪ねるのですが、部屋で待たされてる間に棚や机をあさりだす。そんな所にあるかよと思ってたら、鍵もかけてない机の引き出しにその文書があり、スマホでバシャバシャ撮影。#新聞記者
— 徳本 (@tokumoto0) 2019年6月28日
他のガバガバシーン1
「俺たちはマークされている」と言いつつ、主人公と見通しのよい往来で会い長話をする善玉官僚。しかも、会う前に周囲の目に気を付けろと電話で主人公に警戒を促すのだが、その時点で既に主人公のすぐ前にいる。#新聞記者— 徳本 (@tokumoto0) 2019年6月28日
他のガバガバシーン2
悪の組織として描かれる内閣調査室のボスが主人公の新聞記者に直接電話をかけ、音声も変えずに脅す。#新聞記者— 徳本 (@tokumoto0) 2019年6月28日
自殺した官僚が残した文書を読んだ主人公が、証拠がないのでまだ記事にはできないと言うくだりがあるけど、望月衣塑子はじめマスコミって散々証拠もなく記事書いてるだろと内心突っ込む。で、それでも世論が思うように動かないからこういう映画を作って憂さ晴らしというのは情けない。#新聞記者
— 徳本 (@tokumoto0) 2019年6月28日
望月衣塑子と言えば、毎回のように質問してる菅官房長官記者会見なのでここはどう映像化されているのか興味があったが、その類いのシーンは全くなし。#新聞記者
— 徳本 (@tokumoto0) 2019年6月28日
記者が、政権だか内閣だかがひっくり返るぞと特ダネにはしゃぐシーンがあり、望月衣塑子の「官邸が爆発」発言や、望月とつるんでいた菅野完の「内閣が二つくらいふっとぶ」発言を彷彿とさせ笑えます。後者に至っては過去の犯罪歴と逃亡中の身であることをスクープされ自分が吹っ飛びました#新聞記者
— 徳本 (@tokumoto0) 2019年6月28日
#新聞記者
色々誇張のある映画でしたが、国会前抗議デモの様子だけは現実に忠実なしょぼさだったのには笑いました。多分、エキストラをケチったのでしょうが。デモのシーンでアップになる人物は多分、望月衣塑子本人です。— 徳本 (@tokumoto0) 2019年6月28日
>善玉官僚が遺族と自身の元同僚だかを訪ねて得たネタ
ここは少し訂正します。自殺官僚宅にある方のネタは主人公が最初に得て善玉官僚と一緒に見るという展開でした。気になる物を主人公が持っていたとは言え遺族が初対面の記者を家にあげて金庫だかの鍵まで渡す展開でご都合主義に変わりはないですが— 徳本 (@tokumoto0) 2019年7月3日
確かに別の意味で怖い映画
#新聞記者
この映画を持ち上げるツイートで劇中の内閣調査室が怖い!というのがよくある。別の意味で確かに怖い。省庁や政府への痛手となる不祥事の類が起こるたびに、ボス自らツイッターでのクソリプ人海戦術を指示する組織だから。映画制作過程で工作として効率悪すぎると誰か指摘しなかったのか。— 徳本 (@tokumoto0) 2019年6月28日
#新聞記者
隠蔽を図る組織と暴こうとする組織。現実の仇をフィクションで討とうとする作品でも、そこで面白い攻防を描ければ映画としては傑作になりうる。しかしこの映画はそれができず、ご都合主義な偶然とゴリ押しに頼った。ここが一番駄目で、駄作に終わった原因。— 徳本 (@tokumoto0) 2019年6月28日
#新聞記者
“企画協力”に森達也と寺脇研の名があり脱力。森はフェイクを流してきた側の人間ですよ。著書「下山事件」で実行犯は誰それだと断言する証言や、犯行に使われたという車種の証言を捏造し、証言者の遺族である柴田哲孝に告発された。そして「下山事件」文庫化の際に見苦しい言い訳をしていた— 徳本 (@tokumoto0) 2019年6月28日
#新聞記者
パンフレットも買ったが、表紙込み20Pで隙間の多いレイアウトで情報量は少ない。製作の河村光庸のメッセージはガチガチのあちら界隈のそれ。プロダクションノートで、主演のシムの頭には発音やイントネーションも含め日本語の台詞が完璧に入っているとあるが、あのカタコト台詞でそれは…。— 徳本 (@tokumoto0) 2019年6月28日
#新聞記者
こういう現状認識のプロデューサーなので、映画がああいう出来なのも納得。 pic.twitter.com/oFdtRQM3jH— 徳本 (@tokumoto0) 2019年6月28日
絶対悪=政府の陰謀
「巨悪に立ち向かう」という定番ストーリー
それに苦悩する人と偶然にそれを知って取材しようとする新聞記者
映画「新聞記者」は、加計学園をあてこすった事件が話の中心で、ここがまさに現実の仇をフィクションで討っているところ。劇中での医療系新大学設立の国家戦略特区申請はどう描かれているか、要点を列記していきます。ネタバレ等気にする方は映画を見るまでこれ以降は読まないでください。#新聞記者
— 徳本 (@tokumoto0) 2019年7月4日
・冒頭から「総理のお友達だから優遇しんてんじゃねえの~」とか、認可先が内閣府だから官邸の肝いりだ!とか、医療系なら厚労省じゃないのかと記者の会話で誘導
・演出が稚拙で基本全部台詞で説明するこの映画だが、国家戦略特区の説明はまるでしない。むろん岩盤規制への言及も無し #新聞記者— 徳本 (@tokumoto0) 2019年7月4日
・文科省で汚職の罪を被り辞めさせられた実直な元官僚として描かれる人物(現実と全く異なるが前川喜平がモデルらしい)が、新設計画は目的のわからないものなので断ったと主人公の取材に対し苦々しく話す
・特区申請に携わっていた官僚が自殺。のちに遺書が見つかる。 #新聞記者— 徳本 (@tokumoto0) 2019年7月4日
・遺書は、新設大学の運営を行うのは総理の友人の会社で、そこに大量の国民の税金が流れる。そんな計画に携わるのは耐えられないので自殺するという内容
・善玉官僚(松坂桃李)が、このまま特区申請されてしまっては自殺した官僚(元上司でもある)の死が無駄になってしまうと正義感に燃える #新聞記者— 徳本 (@tokumoto0) 2019年7月4日
終盤、特区申請の真の目的が明かされる。それは以下のようなもの
・政府は生物兵器の実験場を作ろうとしている
・特区申請されているのは、生物兵器が製造可能な施設を持つ大学
・大学設立の本当の目的は医療ではなく軍事
・平和利用のための研究というのは表向きの目的 (続く) #新聞記者— 徳本 (@tokumoto0) 2019年7月4日
・軍事転用可能、戦争に転用可能な研究を行う
・官邸は生物兵器になりうる病原菌の研究のために大学という名目で研究施設を作ろうとしている
・第二次大戦でドイツが使った神経ガス、ゲノム操作、などのキーワードも登場自殺した官僚はこの計画阻止のために新聞社に告発文書を送っていた#新聞記者
— 徳本 (@tokumoto0) 2019年7月4日
明らかに実在の団体がモデルとわかる描き方や宣伝で登場させた組織を、悪魔のように描き、名前だけ変えてフィクションですからと逃げ道を用意するのは卑怯だと映画製作陣の誰も思わなかったのだろうか。また追って続きを書きます。#新聞記者
— 徳本 (@tokumoto0) 2019年7月4日