救済されない振り込め詐欺救済法

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東京都内のアジト4カ所を一斉に摘発し

2015年6月16日、警視庁は、大型詐欺グループの新大久保や台東区の東京都内のアジト4カ所を一斉に摘発し男女40人を逮捕しました。

このとき逮捕されたのは、グループの統括や詐取金の分配担当の K(38)=東京都新宿区大久保1=と住所不詳、無職、A(当時27)を含め40人です。

逮捕容疑は2014年11月頃、奈良県の女性に対し実在する証券会社の社員などを装って社債を高値で買い取るなどと、嘘の電話をかけ現金500万円を騙し取った疑いです。ただし、これは立件するための被害にすぎず、実際にはもっとたくさんの数え切れないほどの特殊詐欺を行っていると思われます。

その後、2016年2月には、グループのトップで住所不詳の会社役員、B(当時28)と、同じくトップで住所・職業不詳、C(当時28)も逮捕されています。一連の事件の逮捕者は48人にものぼりました。

10人程度からなる詐欺の電話をかける「架け子」グループを5つ以上統括。平成25年末ごろからの1年半で200人以上から40億円超をだまし取り、経営するエステサロン関連会社などに詐取金を流用していたとみられる。(産経ニュース 2016.2.24)

警視庁は、これまでも振り込め詐欺グループのアジトを特定、一斉に急襲する方法で検挙を続けています。しかし、イタチごっこでなかなか振り込め詐欺は撲滅されません。

救済されない振り込め詐欺救済法

いわゆる振り込め詐欺、特殊詐欺は罰則が軽すぎます。何より問題なのは、逮捕されて処罰されても、詐取したお金は最終的に犯人の手元に残ることです。

通称「振り込め詐欺救済法」という法律が2008年に施行されています。

  1. 被害者の方がおひとりで、かつ対象の犯罪利用口座にお振り込みされた総額が当該口座に滞留している場合、被害金は全額支払われる予定です。
  2. 犯罪利用口座に滞留している残高が被害金の総額より少ない場合には、金融機関は口座残高を超えて被害金の支払を行うものではありません。またこのうち、被害者が複数の場合には、被害者間で振込金額に応じ按分することとなります。このような場合など、被害金全額の支払ができない場合がありますので、ご了承ください。(全国銀行協会 振り込め詐欺救済法とは)

この法律は、犯人が検挙されたときに銀行口座に被害者が振り込んだお金が残っていた場合に、被害者にそのお金を戻すための法律です。

お金が銀行口座に残っていなければ、被害者はまったく救済されません。

犯人は、被害者が振り込んだことを確認するとすぐに引き出しているケースがほとんどです。警察がアジトを急襲して検挙するケースでのみ、犯人が不意をつかれてその日の振込金額残高を残してしまいますが、それ以前のお金は、すでに犯人が引き出してしまっています。

被害者が被害金を取り戻すためには、この悪質な犯人らを相手に民事訴訟を起こさなければなりません。仮に民事訴訟に勝ったとしても、自分で取り立てなければなりません。

ほとんどの振り込め詐欺集団のバックには、暴力団組員や元組員がついていると考えられます。このような確信犯的な悪人から、高齢の被害者が被害金を取り戻すことは、実質的に不可能です。ほとんどは泣き寝入りで、犯人たちは刑期を終えれば、詐欺で儲けたお金を自分のものにできることになります。

裁判所なり検察なりが、犯人たちに刑事罰を与えるときに、犯人たちの資産も差し押さえて、強制的に被害者に弁済するような仕組みを作らない限り、やったもん勝ち、ボロ儲けの現状なのですから、このような特殊詐欺は永遠になくならない、というのが個人的な感想です。



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