夏祭りの季節になりました。
祭りといえば、テキ屋の屋台ですが、ずっと不思議に思っていた「金魚すくい」の疑問がありました。その謎がようやく解けました。
「金魚すくい」が上手
昔、お祭りに行って、「金魚すくい」をしたことがありました。
最初は、遠巻きに「金魚すくい」をしている数人の子どもを眺めていただけでした。
子どもたちが「金魚すくいのポイ(すくう紙)がすぐ破れて金魚がすくえない」と言うと、テキ屋のお兄さんは、おもむろにポイを手に実演を始めました。
「ポイを斜めに入れて水をすくわないようにして、金魚だけすくうと、うまくいく」などと解説しながら、お兄さんはスイスイと金魚をすくうのでした。
見ている子どもたちも尊敬のまなざしです。
あっという間に金魚を10匹ほどお椀にすくうと、お兄さんは、お椀の中身を水槽に戻して、まだ破れていないポイをゴミ箱に捨てました。10匹すくっても、ポイが少しも破れてもいないということが驚きでした。
「やはり金魚すくいにはコツがあるんだ。毎日、金魚すくいをしていると上達するんだ」と感心しました。
しかし、自分でやるといくら工夫をしてもうまく行かず、1匹すくうことができればいいほうでした。
水をすくわないようにと言っても、持ち上げる時はポイを水平にしてしまうので、どうしてもポイに水が乗ってしまうのです。
金魚すくいのコツ
こちらの中日新聞の動画でも、「金魚すくい」のコツを次のように説明しています。
- ポイは紙が貼ってある表を使う
- 水からの出し入れは45度
- 水の中では水平に移動
- すくえない時は、一度、水面から抜く
- 水を極力すくわないことがポイント
- ポイのすくう場所を毎回変えて紙への負担を減らす
- 金魚の頭の方向から狙う
- ポイが破れる原因は金魚の尾びれなので、尾びれを枠の外にはずしてすくう
やはり、ポイの使い方が重要なんだな、と信じていました。
ポイのからくり
ところが、「高校生の頃、テキ屋(祭りや夜店の屋台)で夏場だけ毎年アルバイトしていた」という方のツイートを見て、衝撃的な事実を知りました。
思い出した。
金魚すくいなどのポイ(すくう紙の網みたいなの)は4号〜7号というのがあります。
4号は絶対破れないレベル、7号は水につけただけで破れるレベル。
通常6号にしておいて、混んできたら全部7号。
張り切ってるお父さんとかには7号を渡し、可愛い子供とかには5号を渡す。
4号は実演用。— 新谷学 アスパラ社長 (@ShintaniManabu) 2019年5月11日
金魚すくい用のポイには、紙の厚さによって4号(強)、5号(並)、6号(弱)、7号(弱弱)があって、テキ屋のお兄さんは、それを使い分けていたんですね。
テキ屋のお兄さんは、実演用の4号を使っていたのでしょう。
ポイを水に入れる角度も、ポイでの金魚をすくう場所も、金魚をすくう向きも、全部関係がなかったのです。練習などしていないアルバイトのお兄さんでも実演用の4号を使えば、どんどん金魚をすくうことができたようです。
そして実演をしてみせ、お客さんがつくと、お客さんには6号か7号の弱い紙のポイを手渡していたんですね。
どのポイを使用しているのか、結局、お店選びが大切ということになるのかもしれません。
4号を使用しているお店はないでしょうが、5号でないと勝負にならないようです。
5号と6号の中間の5.5号というポイもあるようです。
奥に置いてあるポイのダンボールなどに、どの号数のポイを使用しているのか書いてある、という説もあります。
そんなお店ばかりではないと信じたいですが、祭りの雑踏の中で見極めることは容易ではありません。
加筆 実際に確認
この記事を意識して、お祭りを回ってみました。
たしかに、ポイの号数はそれぞれのダンボールの横に書いてありました。複数の種類の号数も確認できました。
この金魚すくい屋さんでは、「遊び」というのがあり、「遊び」では4号を手渡しているようでした。