NHKクローズアップ現代+「なぜ起きた?弁護士への大量懲戒請求」を見て思うこと

NHKで2018年10月29日(月) 午後10:00から、クローズアップ現代+「なぜ起きた?弁護士への大量懲戒請求」という番組が放送されました。

今回は、この番組を見ての、個人的な感想です。

広告

懲戒請求理由に違和感



クローズアップ現代+では、女性ナレーターが次のように説明しています。

語り浅野真澄「去年11月、とつぜんおよそ1000通にのぼる大量の懲戒請求書が送りつけられました。理由は、弁護士会が出した、朝鮮学校への補助金を求める声明。それに賛同することが犯罪にあたるというものでした。」

(中略)

語り浅野真澄「そもそも金弁護士は、朝鮮学校の補助金の声明には一切関わっていませんでした。」

弁護士会が出した政治的声明に賛同したことを理由にして、個別の弁護士の懲戒請求を求めるという該当のブログが呼びかけた狙いがまず意味不明です。

弁護士会が出した政治的声明を理由に、弁護士会に懲戒請求を出したところで相手にされるわけがありません。懲戒請求を出すことを呼びかけたブログの狙いは何でしょうか?

署名集めではないのですから、数が多いからといって懲戒請求が認められるものでもないでしょう。よくわからない懲戒請求集めです。

弁護士懲戒請求は、回収したお金を持ち逃げされたとかのときにするものでしょう。 政治的思想を理由に懲戒請求するのはおかしいと思います。

 

被害額に違和感

根拠のない懲戒請求を受けた弁護士さんは、「不当な懲戒請求によって本来の業務に影響が出た」と言っています。

いっぽう、懲戒請求をしてしまった男性のひとりは、7人の弁護士にあわせて40万円を支払い和解したとNHKは伝えています。

弁護士一人あたり約5万7千円です。1000人から懲戒請求書が届いたということなら、弁護士一人あたり合計5700万円が損害賠償額ということになるような気がします。

果たして懲戒請求書を送りつけられた弁護士さんにそれほどまでの高額な被害があったのかは疑問です。

日本弁護士連合会は「懲戒制度の趣旨とは異なるため、(今回の懲戒請求書は)検討には値しない」との立場のようです。

門前払いです。

門前払いのような懲戒請求書で、それほどまでの被害があったというのも違和感があります。

 

弁護士会が政治的主張をすることに違和感

そもそも、この事件が起こった最初の原因は、所属する弁護士の総意でもないのに、「弁護士会が偏った政治的声明を出すこと」ではないでしょうか。弁護士会というのは、さまざまな思想の弁護士の集合体だと思うのですが、どうして弁護士会が特定の政治的声明を出すのでしょうか?

弁護士個人で、政治的主張をするのはいいのですが、弁護士会の総意のようにして「弁護士会が偏った政治的声明を出すこと」が、今回、懲戒請求書を出してしまった人たちの誤解の発端だったのではないかと、個人的には感じています。

NHKのクローズアップ現代+では、このことについてはまったく触れません。

 

NHKが一番怖い

NHKは懲戒請求した470人を特定。平均年齢55歳。およそ6割が男性。公務員、医師、会社経営者など。と番組では言っています。

なぜ、無関係なNHKが、懲戒請求をした人たちの個人情報を持っているのでしょうか?

私たちから徴収した受信料をそのような調査活動に使っているとしたら恐ろしいものを感じます。



広告