「進」という苗字(名字)の由来について真面目に調べてみました

福岡県京都郡みやこ町マスコットキャラクター、みやっこ君

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進姓の徹底研究

「進」という苗字は珍しいですね。いままで、「進」という苗字の人に会ったことがありません。

一文字の苗字ということで、すぐに在日の人みたいなことを書いている人もいるみたいですが、短絡的すぎますね。

どうしても気になるので、とりあえず、調べてみました。

「進」さんは福岡県京都郡みやこ町に86人?

まず、「進」さんという方のブログから、福岡県に多い苗字だということがわかりました。

「進」という苗字について調べてみた(笑)

このブログによると、「進」は、福岡県京都郡みやこ町に多く、福岡県京都郡みやこ町の苗字ランキングで、第4位、86人だそうです。

続けて、その福岡県京都郡みやこ町の苗字ランキングのソースも探してみましたが、ソースは見つけることができませんでした。

でも「進」さんのブログですので、間違いはないと思います。

ちなみに、みやこ町マスコットキャラクターは、みやっこ君です。

「進」さんのブログにも、その由来は調べてもわからなかったと書かれています。

私も進姓の由来については、ネットで調べてみたのですが、いまひとつよくわかりませんでした。

 

進は修理大進、同小進、左京進、右京進を任官した者の末裔

ネットではよくわからないので、大きな図書館に行って調べてみました。

日本家系・系図大事典 奥富 敬之 東京堂出版(2008/7)には、次のように書かれていました。

進 シン

令外宮の修理職(しゅうりしき)、左京職、右京指揮の二等官(修理大進、同小進、左京進、右京進)を任官した者の末裔が、「進」(しん)を名字として呼称。

任官した当人個人が誇称した場合は、名字でなく通称。

  1. 伯耆の紀長岩雄の末裔で、南北朝期に赤松氏麾下、戦国期に尼子氏麾下。
  2. 桓武平氏の末流。
  3. 常陸の秀郷流藤原姓工藤流。

「令外宮」がよくわからないのですが、もしかすると、令外官(りょうげのかん)の誤植でしょうか。

令外官(りょうげのかん)とは、律令の令制に規定のない新設の官職のこと。

平安時代に、宮中などの修理・造営をつかさどった令外官(りょうげのかん)が、修理職(しゅうりしき)です。

大進、小進というのは官位で、任官した者の末裔が、その「進」(しん)を苗字として使用したということらしいです。

伯耆の紀長岩雄の末裔で、南北朝期に赤松氏麾下、戦国期に尼子氏麾下。

伯耆国(ほうきのくに)は、かつて日本の地方行政区分だった令制国の一つで、鳥取県の中部、西部にあたります。

麾下とは、「きか」と読み、「ある人の指揮下にあること」の意味です。

 

伯耆国の三能為基が左京進となって進を名字にした

全国名字大辞典  森岡 浩 東京堂出版(2011/9/9)には、次のように書かれていました。

進 シン

紀氏か。伯耆国会見郡三能(鳥取県)の三能為成が名和長年の義妹を娶り、その子 為基が左京進となって進を名字にしたという。室町時代には伯耆の国人として活躍、応仁の乱では山名氏に属した。

また、建武二年(1335) 名和顕興に従って肥後に移った一族もある。

江戸時代には長州藩士に進家があった。

旗本の進家の祖の成村は赤松政則の子と伝える。成之は徳川家光に仕えて1000石の旗本となった。

全国で3000位台(名字ランキング)

肥後国(ひごのくに)は、かつて日本の地方行政区分だった令制国の一つで、熊本県にあたります。

長州藩(ちょうしゅうはん)は、江戸時代に周防国(すおうのくに)と長門国(ながとのくに)、現在の山口県の半分を領国とした外様大名・毛利氏(もうりし)を藩主とする藩です。

 

どうも、「進」(しん)という苗字は、今でいう国土交通省の役人の役職みたいなものを、その役人の末裔が名乗ったということのようです。



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