【新潟知事選】森ゆうこ議員が街宣で流布した「錯誤を誘う発言」は公選法違反?

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花角英世さんが森友のゴミの値段を10倍の8億円に見積もった?

観客の錯誤を狙った?森ゆうこ議員の発言

花角英世さんの当選で終わった新潟知事選挙、その選挙戦の最中の6月2日、対立候補であった池田ちかこさんの野党党首による応援街宣「新潟野党大街宣0602」が、新潟で行われました。

その街宣で、自由党の森ゆうこ参院議員が、花角英世さんの経歴について、錯誤を誘う可能性のある内容の発言を新潟の有権者にしていたことがわかりました。

大切な時系列についての説明がありません。

 

大阪航空局長だったんですって

森ゆうこ議員の発言「皆さん、私、森ゆうこ参議院議員は、国会最終盤で毎週2回、委員会で質問をしております。でも、そのたんびに記憶喪失になる官僚が新たに生まれるんですよ。どうなっているんですか。
そして昨日、NHKの政見放送、花角さんの政見放送を聞いていてびっくりしました。
花角さんの経歴、いろいろありますけれども、大阪航空局長だったんですって。
大阪航空局長です。
大阪航空局長です。
皆さん。佐川さんは起訴されなくなりました。
でも私が去年提出させた資料、森友学園のゴミの値段は8000万円でした。それを10倍の8億円に見積もったのが、大阪航空局ですよ。(観客「とんでもない」)。
皆さん、池田ちかこ、池田ちかこ、なんとしても、新潟県の知事にしてください。みんなの力を合わせれば必ず勝てます。」

花角英世さんが判断したとは言っていませんが、時系列を隠しているので、花角英世さんが森友問題に関与しているように観客が錯覚するような文脈にしています。

森ゆうこ議員のこの街宣の要点は順に並べると。

  1. 花角さんは、大阪航空局長だった。
  2. 森友のゴミの値段を10倍の8億円に見積もったのが大阪航空局。
  3. 池田ちかこを新潟県の知事にしてください。

これを聞いた人は、この3つの順で頭に残ってしまうことでしょう。

何も知らない人たちの錯誤を狙って事実無根の濡れ衣を花角英世さんにかぶせ、自分の応援する候補を有利に導こうとしているのではないかと感じてしまいます。

動画 1時間03分12秒ころから

6月2日 野党党首×池田ちかこ #新潟野党大街宣0602

森ゆうこ議員は、国会で森友問題の質問を繰り返し行っていますので、関係資料も読み込んで、森友問題の時系列も頭に入っているはずです。

花角英世さんが、森友学園の土地取引とは無関係なことは、森ゆうこ議員が一番よく知っているはずです。

 

大阪航空局長だったのは24年9月11日まで、森友が用地照会したのは25年6月28日

花角英世さんは、森ゆうこ議員の街宣の翌日、このようなツイートをしています。森ゆうこ議員の発言がきっかけではないと言えるのでしょうか?

「どうなっているんですか」と、森ゆうこ議員に問いかけたいのは、こちらの方です。

森友問題に詳しい森ゆうこ議員に質問したいですね。

これって、公職選挙法で禁止されている事実を歪めて公表する行為じゃないんですか?

 

「事実をゆがめて」のポリシーとは?

公職選挙法にも、次のように書かれています。(総務省HPより)

当選を得させない目的をもって公職の候補者に関し虚偽の事実を公にし、又は事実をゆがめて公にした者は、4年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処することとされ(公職選挙法第235条第2項)、選挙権及び被選挙権が停止されます(公職選挙法第252条第1項・第2項)

 

加筆


森ゆうこ議員より、ご抗議をいただきました。

当記事の主旨は、「デマ発言」をしたということではなくて、「事実のパーツ」だけをつまみ食いして、全体として真実とは異なる印象を与える文脈になっている、というものです。

タイトル等、誤解を与える表現になっている可能性がありましたので、一部訂正変更いたしました。

当記事の主旨は、あくまでも、「森ゆうこ議員は事実だけしか語っていませんが、時系列を無視して同時期のように繋げてしまえば事実と異なる印象を与える」、それは事実を歪めているのではないでしょうか?と、いうものです。

 

加筆2

ふたたび森ゆうこ議員よりコメントをいただきました。

無視だろうと思っていましたが、ブロックもせずに、きちんと返事を返していただけることには、感心しました。

一部の議員は、批判コメントは、すぐブロックですからね。

森ゆうこ議員は意外と誠実な方なのかもしれません。見直しました。

「時系列省略」の問題に触れていないこのコメントに、他の方の批判リプが付いていますが、以下略ちゃんは「大人の事情でそこには触れていないだけで、ある程度真意は伝わった」という印象を持ちました。

だからこそ、もう一度、考えていただきたいのです。ひとつひとつのパーツは事実であっても、実際に多くの人が内容を取り違えているのですから、フェアではないと思うのです。

「事実」ではなく、「有権者が誤解しない事実」を伝えてほしい。

広告でも、過大広告や錯誤を誘う表現などは、どんどん規制されてきています。

一部マスコミ記事などでも見られる、いわゆる「消防署の方から来ました」のようなものは、社会全体で減らしていくのが望ましい。

相手候補を倒すためにはなりふり構わない、というのもわからないでもないですが、そうしたものが溢れている社会というものは健全ではありません。

与野党問わず、言論を仕事としている政治家の方も、もう一度、このことをよく考えていただきたいと思いました。

 

根拠を示して、疑問と思う部分を書いたものがこの記事です。現職の国会議員というものは野党議員でも権力者だと思います。一般有権者からのこの程度の批判は、受忍すべき範囲と考えますが、恫喝めいたコメントをいただいたことは残念でした。

(6月15日。森ゆうこ議員より、お返事をいただきましたので、一部、文章を加筆修正いたしました。)



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