加藤清隆さんの誤読ツイートの釈明についての深読み(前編)…RTがよくわからなかった?

政治評論家の加藤清隆さんが6月11日、文化人放送局のネット生放送の冒頭で、2019年5月26日の一部事実誤認のツイートについて、釈明をされました。

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加藤清隆さんのお詫び

本日は冒頭ちょっと私の方から、釈明をさせていただきたいのですが、実は先月、アメリカのトランプ大統領が訪日された時にですね、立憲民主党の有田芳生議員が大統領に対してたいへん失礼な言葉を書いた横断幕を掲げたということを、これは誤認だったんですけれども、他人が掲げたのをリツイートしただけでしたけれども、それを私は有田議員本人がやったのかと思って、かなり厳しくたいへん失礼なことを批判しました。ところがこれは有田議員本人がやったわけではなくて、あくまでもリツイートにすぎなかったということがわかりですね、本日、私の書いたツイートそのものを削除するとともにお詫びいたしました。

なるべくこういうことは起きないように慎重を期するようにしているんですが、ツイッターを始めたのがまだひと月前なものですから、よく詳しいことをわからないままということもありましたが、これは言い訳になるわけではありません。

今後に注意したいと思います。ありがとうございました。すいません。
(怒れるスリーメン6月11日収録より 加藤清隆さん)

 

【怒れるスリーメン】Part31-① 加藤×髙橋×西岡力 西岡力参戦! 安倍総理の週末の動きに注目!拉致問題の現状と見通し。

 

加藤清隆さんの初めてのツイートの調べ方

「ツイッターを始めたのがまだひと月前なものですから、よく詳しいことをわからないまま」という発言があります。

加藤清隆さんのツイッターアカウントは半年前の2018年12月16日に開設されています。では、最初のツイートはいつでしょうか?

調べてみます。

ツイッターの検索窓に以下の情報を入力します。

from:jda1BekUDve1ccx since:2018-12-15 until:2019-04-30

これで加藤さんのアカウント@jda1BekUDve1ccxの2018年12月15日から2019年4月30日までのツイートが表示されます。

一番古い日付けのツイートは、2019年4月23日(海外時間、日本時間は+16時間)の3つでした。(下の方が古い)

このツイートが加藤清隆さんの初めてのツイートです。4月23日(日本時間は24日)ですから、5月27日のツイートの時点で「ツイッターを始めたのがまだひと月前」というのは間違いがないようです。

もしかすると、消費増税に反対の意見をツイートするために登録したままになっていたツイッターを開始されたのかもしれません。

 

余談ですが、加藤清隆さんのIDも15桁のランダム文字列です。これは登録時にツイッター社から自動的に割り振られるものです。ギャラクシー賞奨励賞受賞を受賞したMBSのドキュメンタリー『映像’18 バッシング ~その発信源の背後に何が~』の結論部分で、「ランダム文字列は使い捨てアカウント」というような主張がされていますが、これはツイッター事情を知らない人によるまったくのフェイクです。



ツイッター歴1ヶ月の加藤清隆さんの現状

加藤清隆さんのツイッターを観察してみると、「よく詳しいことをわからないまま」という状況が理解できます。

  • アイコン画像はあるが、ヘッダー画像がない。
  • 「いいね」の機能を使用した形跡がない。
  • 「リツイート」をしたことがない。リツイートはゼロ。
  • 他の人に@返信をしたことがない。メンション(誰かへのコメント)はゼロ。誰とも絡まない。
  • 画像、動画付きツイートをしたことがない。
  • ツイートの出典リンク付きツイートは全300ツイートの5%。
  • すべてのツイートがひとりごと。

https://ja.whotwi.com/

というサイトで分析をしてみると、次のような結果でした。(2019年6月13日現在)

 

以上のことから、加藤清隆さんの初期の頃のツイッター使用状況は、以下のようなものだったのではないかと推測されます。

  • フォローしている55人のツイートをタイムラインで見ていて、その情報を元にツイートをしているだけ。
  • ツイートの根拠となる出典リンクを付ける習慣がない。
  • ツイートをするだけで、自分のツイートに付くメンション、リプライ(通知コメント)は一切、確認していない。
  • 「リツイート」と「ツイート」の違いがよくわからない。「リツイート」をしたことがない。

 

「リツイート」と「ツイート」の違い

「リツイート」(RT)とは、ツイッター独特の機能でツイッターの売り物にもなっています。

リツイートとは、他の人のツイートを「Re=再び」ツイートするというものです。

一言で言うと「他人のつぶやきをワンクリックで、出典込みで丸ごとコピペして投稿する機能」です。

他人の発言を借りてきて投稿するのですから、基本的には自分の発言「ツイート」と同種です。

 

ツイッター歴1ヶ月の加藤清隆さんは、この「リツイート」と「ツイート」の違いを明確に区別できていなかったのではないか、ということが考えられます。



「リツイートは賛同を意味しない」の意味

ときどき、「リツイートは賛同を意味しません」とプロフィールに書いている人がいます。

タイムラインを眺めていたら、面白いツイート、興味があるツイートが流れてきた。ものすごく共感できるツイートなので、これをみんなにも見て欲しい、もっと世の中に広めたい、という目的でほとんどの人は、「リツイート」を使用しています。

「リツイート」は、そのツイートを世の中に広めてしまいますので、「賛同しないリツイート」というものは基本的に存在しないはずです。

しかし、稀に、「さらし」の目的でリツイート機能を使用する人がいます。

「メンションで自分にひどい中傷コメントが寄せられた」などの場合、この中傷コメントは他の人には見えていませんから、リツイートで「さらす」ことによって、この中傷コメントの発信者に別のフォロワーが代理でコメントを返して戦ってくれたりします。

このように自分に向けられた中傷コメントはリツイートしても誤解されることはありません。これが「賛同しないリツイート」です。

 

第三者のツイートを「さらし」の目的でリツイートする場合は要注意

自分とは無関係な第三者のツイートを「さらし」の目的でリツイートする場合は要注意です。

前後のツイートで、「そのツイートには賛同していない」ことを書いておかないと、いつもと違う変なツイートをリツイートしていると誤解されてしまいます。

昔は、引用リツイートの機能がありませんでした。単純にリツイートするしかありませんでしたが、今は簡単に引用リツイート(コメントを付けてリツイート)ができますので、「賛同しない」場合は、批判的なコメントを付けて引用リツイートするべきでしょう。

コメントを付けてリツイート

今回、問題の有田芳生 参院議員のリツイートを見てみます。

単純に、「中指を立てたイラスト」が入ったトランプ大統領への侮辱ツイートをリツイートしているだけです。

これでは、有田芳生 議員がこの主張に賛同をして、リツイート拡散をしていると多くの人が捉えるのは当然のことです。

 

この画像は、有田芳生 議員の支持者の方が加藤清隆さんの誤認ツイートに向けて送った画像です。

これがブーメランとなっています。

「デマをリツイートするのも同罪」だそうです。

であるならば、「国賓であるトランプ大統領への侮辱ツイートをリツイート」した有田芳生 議員も同罪ということになります。



加藤清隆さんのツイートの根拠は?

加藤清隆さんが誤認した元の記事は何でしょうか?

加藤清隆さんがフォローをしているのは55人です。そのフォロワーをチェックしてみると、まとめサイトでは「アノニマスポスト」さんをフォローしていることがわかります。

「アノニマスポスト」さんが該当の記事をツイートしたのが5月26日の18時41分。

今回、問題となっている加藤清隆さんの削除されたツイートが5月26日20時33分です。

「アノニマスポスト」さんの記事が、丸山議員の辞職勧告決議と絡めているタイトルになっています。時間的、内容的にも加藤清隆さんのツイートと一致します。

おそらく、加藤清隆さんは、この「アノニマスポスト」さんのツイートがタイムラインに流れてきたのを見て、このツイートを書いたものと推測されます。

 

該当の元記事は、立憲民主党・有田芳生議員がリツイート「F○CK YOU VERY MUCH PRESIDENT TRUMP」、というタイトルになっています。

「ツイート」と「リツイート」、一文字の違いですが、その意味は大きく異なります。

 

ツイッターを使い慣れている私などは、間違うことはありませんが、ぱっと見、同じように見えますので、ツイッターの初心者が「ツイート」と「リツイート」を混同した。あるいは、画像編集で赤く囲った「有田芳生さんがリツイート」の文字が何を意味するのかがよくわからなかった、ということは十分、考えられます。

通知コメントを一切確認していなかった?

加藤清隆さんは、ツイートをするだけで、自分のツイートに付くメンション、リプライ(通知コメント)は一切、確認していない様子がうかがえます。この点でも、ツイッターの使い方がよくわかっていないのではないかということがということが考えられます。

多くの人が、加藤清隆さんのツイートの説明不足を指摘していました。加藤清隆さんは、そうしたコメントを確認されていなかったようです。

6月11日に「ツイート」と「リツイート」の混同に気がついたきっかけは不明ですが、それまで2週間かかってしまいました。

2週間放置ではなくて、初心者の加藤清隆さんが気がつくまでに2週間かかってしまったというのが実情なのかもしれません。

もしも、自分のツイートに付くメンション、リプライ(通知コメント)を確認していれば、もっと早く、一部事実誤認に気が付かれたことでしょう。

 

出典記事のリンクも重要

さらには、ツイートに出典記事のリンクを付けていれば、一部事実誤認があったとしても、このように突っ込まれることはなかったでしょう。

加藤清隆さんのリンク付きツイートはわずか5%です。

個人的な感想としては、以下のことを推奨いたします。

  • ツイートに付くコメントはできるだけチェックする。
  • すべてのユーザーからダイレクトメッセージを受信する、の設定にする。(自分で気が付かないミスなどを知らせてもらえます。)
  • ツイートには、できるだけソースを付ける。

この設定で、何か思わぬミスがあったときに、大きなトラブルになる前に回避できる可能性があります。

 

以上、ここまでは、ツイッター初心者だと釈明された加藤清隆さんが、初心者ゆえに混同してしまったであろう経緯について推測してみました。

 

すでに4500文字を超えています。ひとつの記事は2000文字を目安にしています。

 

加藤清隆さんだけが事実誤認のツイートをしたとしても、有田芳生 議員の名誉を毀損したとまではいえないのではないか、という論点もあるのですが、それは次回の記事で書きたいと思います。

加藤清隆さんの誤読ツイートの釈明についての深読み(後編)…有田議員の名誉毀損訴訟についての論点整理



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