2025年11月3日、芸人ビートきよし氏の女性マネージャーが自身のX(旧Twitter)アカウント「@kiyoshi_staba」で「スカートめくりGO」と投稿し、瞬く間に炎上しました。
この投稿は、港区議会議員・新藤加菜氏の服装を揶揄する形で行われたもので、セクシュアルハラスメント(セクハラ)とみなされ批判が殺到。本人が謝罪する事態に。
この記事では、事件の経緯や社会的背景、そして“女性でありながら性的冗談を発信した”という異例の構図を含め、炎上の全貌を分析します。
1. 事件の発端と時系列
炎上のきっかけは、2025年11月3日13時45分(日本時間)にユーザー「@Rainwater7777」が投稿した一件のポストでした。
「拉致被害者奪還の国民大集会に参加しています。港区議会議員、新藤加菜さん、めっちゃミニのスカートで前横切って行ったNOW」
添付された写真には、日比谷公会堂で行われた「北朝鮮拉致被害者奪還の国民大集会」の様子と、新藤氏がミニスカート姿で歩く場面が映っていました。
この投稿に対し、ビートきよし氏の女性マネージャーである「@kiyoshi_staba」が次のようにリプライします。
「@Rainwater7777 スカートめくりGO 😂」
冗談のつもりで書いた軽口でしたが、「性的暴力を連想させる不適切な表現」として批判が殺到。
投稿は削除前に24万回以上閲覧され、コメントや引用リプライで急速に炎上しました。
2. 女性マネージャーによる投稿が波紋を拡大
今回特に注目を集めたのは、この投稿の発信者が女性であった点です。
男性からのセクハラ的発言とは異なり、「女性なのに“スカートめくりGO”と書くのはどういう意識なのか?」という新たな論点が浮上しました。
SNS上では次のような声が相次ぎました。
「女性が女性を茶化すのはもっと悪質」
「同じ女性として信じられない」
「ジェンダー感覚が完全に昭和のまま」
マネージャー本人のプロフィールには「公私混同アカウント」と記載があり、過去にも軽い冗談投稿をしていた経緯があります。
しかし今回は、社会的にセンシティブなテーマであったため、想定以上の批判を受ける結果になりました。
3. 新藤加菜氏の反論と社会的反響
炎上が拡大する中、当事者の新藤加菜氏(港区議・@kanashindo)は同日22時41分に次のように投稿しました。
「日本保守党の支持者が、私に対する性犯罪行為をネット上で指示。芸人ビートきよし氏のマネージャーだそうで驚愕。どこまでも時代錯誤で、女性蔑視の発想です。
保守党の政策には共感する部分も多いのですが、界隈にこうした表現が多く、冗談や例えで済まされる問題ではないため距離を置いています。」
この発言は70万回以上閲覧され、1,600件超の「いいね」がつきました。
「女性政治家に対する性差別的言動を許さない」という声が相次ぎ、マネージャーの行為は“女性による女性へのハラスメント”として強く非難されました。
一方で、「公的な場でミニスカートはTPOとしてどうなのか」という意見も見られ、論点は複雑化。
支持者・批判者の両方が入り乱れる議論となりました。
4. マネージャーの削除と謝罪
炎上後、マネージャー本人は次のように投稿しました。
「謝ってきました」
簡潔な一文ながら、謝罪の意思を示すものでした。
ただし、詳細な説明や反省の文言はなく、ビートきよし本人や所属事務所からの正式コメントも出ていません。
結果として、「本当に反省しているのか」「事務所が対応すべきでは」との声が多数。
X上では「#スカートめくりGO」が一時トレンド入りし、芸能界のSNS運用リスクが再び注目されました。
5. 「昭和の笑い」と「令和の倫理」
今回の炎上の根底には、世代間・時代間の意識のギャップが存在します。
1970〜80年代には「スカートめくり」は子供の遊びやバラエティのネタとして扱われることもありましたが、現代では完全にハラスメント行為と認識されています。
2020年の『Journal of Japanese Sociology』の調査では、40歳以下の女性の68%が「スカートめくり的な冗談は不快」と回答。
2022年の『Gender Studies Review』では、女性政治家への性的コメントが2019年比で45%増加していることも報告されています。
こうした背景から、今回のような冗談が「昭和的な笑い」として受け止められることはもはやありません。
それがたとえ女性発信者によるものであっても、社会的責任を問われる時代になっています。
6. 政治的影響と保守派への波紋
この件は芸能界のみならず、政治分野にも影響を与えました。
新藤加菜氏が「保守党との距離を置く」と発言したことで、日本保守党の支持者間に波紋が広がり、
党首・百田尚樹氏や有本香氏の過去発言が再び注目されました。
有本氏が「ご挨拶に来てくださったのに残念です」と投稿したことも“女性政治家を皮肉る表現ではないか”と議論を呼び、
SNS上では「保守界隈に残る女性蔑視体質」といった批判が拡散しました。
7. 法的観点から見た問題点
東京都の迷惑防止条例では、「性的な言動で不快感を与える行為」も処罰対象となる可能性があります。
今回の投稿は直接的な行為ではないものの、公共空間(SNS)で特定個人に対し性的行為を連想させる言葉を発信した点で、
モラル上の問題として重大です。
社会的影響力を持つ芸能関係者の発言は、個人の冗談であっても“業界の意識”と見なされがちです。
今後、芸能マネージャーのSNS運用には一層の注意が求められるでしょう。
8. 「女性だから許される」は通用しない
今回の炎上で浮かび上がったのは、「発信者の性別に関係なく、性的発言はハラスメントになる」という新たな共通認識です。
SNS上では次のようなコメントが象徴的でした。
「同性がやると余計にタチが悪い」
「性別ではなく、言葉の暴力として捉えるべき」
「女だから許される時代も、もう終わった」
つまり、“女性によるハラスメント”という構図が社会的に認識され始めた象徴的な事件でもあります。
9. 結論 時代錯誤の笑いが生んだ炎上
ビートきよしの女性マネージャーによる「スカートめくりGO」発言は、
「軽い冗談」のつもりが、時代錯誤的で不適切な発言として非難を浴びた典型的な炎上事例です。
新藤加菜氏の毅然とした反応により、政治・ジェンダー両面での議論が広がり、
SNS時代の“笑いのリスク”を改めて浮き彫りにしました。
マネージャーの謝罪で表面的には収束しつつありますが、
この出来事は「発信者の性別に関係なく、責任を問われる時代」であることを社会に強く印象づけたと言えるでしょう。