何月何日の記事なのかは不明ですが、「#KuToo 靴の苦痛なルールは、誰が決めた?」という記事を見つけました。
でも、この記事、よく読んでみると、とてもおかしな部分があるのです。
上司?
いまあらためて読み返してみると、この記事には大きな矛盾があることに気が付きました。
二人姉妹の妹で、社会人1年生のカスミさんが語るという設定で、
カスミ: もう、最低! 営業で一日歩き回るって聞いていたから、仕事がしやすいように、昨日は少し低めのパンプスを履いて行ったのよ。
そうしたら、「いつまで学生気分なんだ。社会人の自覚はあるのか」って、怒られちゃって。
で、今日はハイヒールを履いて行ったんだけど、途中から足があまりに痛くて上司の歩く速さについて行けなくて、また怒られちゃった。
いったいどうしろっていうのよ。
出典:「#KuToo 靴の苦痛なルールは、誰が決めた?」
仕事に「少し低めのパンプスを履いて行った」ら、上司に怒られた、と記事は始まります。
この怒った「上司」については、男性なのか女性なのかは書かれていません。
「昔の男の人たちが作った」
ところが、とつぜん、「どうせそんな規則、昔の男の人たちが作ったんでしょ。」と、カスミさんが決めつけた文章が続きます。
カスミ: ヒールの高さと仕事と、どう関係あるのよ。
どうせそんな規則、昔の男の人たちが作ったんでしょ。
ハイヒール履いて営業で一日中歩きまわるってことがどんなことかも知らないおじさんたちが。
男の作った男のためのルールじゃない。
男社会の弊害だわ。
出典:「#KuToo 靴の苦痛なルールは、誰が決めた?」
「男社会の弊害」で、「どうせそんな規則、昔の男の人たちが作った」と断じています。
しかし、いくら記事を読んでも、「昔の男の人たちが作った」という主張の根拠がひとつも明確ではありません。
「姉アズサ」が職場のマナーとして指導している
それどころか、「姉アズサ」が次のようにつぶやきます。
◆姉アズサのつぶやき・・・
私も職場のマナーとして、「服装はスーツとヒールの高さ○cm~○cmの靴」って習ったし、今は後輩にそう指導してるなぁ。
でも、なぜそれが必要かとか、本当に不可欠なのかとか、考えたことなかったかも。
私はそういう装いをすると仕事をしている気分になるから好きだけど、大事なのは清潔感と機能性なんだから、人それぞれでもいいのかもしれないな。
出典:「#KuToo 靴の苦痛なルールは、誰が決めた?」
つまり、職場のマナーとしてヒールの高さを指導しているのは、女性の姉アズサだったわけです。
それならば、解決方法は簡単です。
職場で、姉アズサ(の立場の人たち)が、そういう指導をやめればいい話ですよね。
この記事を書いた人は、矛盾を感じなかったのでしょうか?
前半で「昔の男の人たちが作った規則」と男女差別の話、男性による押しつけと書いておきながら、後半で「ヒールの高さ」は同性による同調圧力で「マナー講師」は女性(姉アズサ)だと書いているのです。
中年おじさん達にパンプス、ハイヒール、ウェッジソール、ローファーの違いはわからない
実はこれは、いわゆるKuToo本で意図を捻じ曲げられて自身のツイートを引用されたとして、著者の石川優実さんと高裁で訴訟中の「はるかちゃん」の主張、そのまんまなのです。
女性の靴のマナーの犯人を中年おじさんたちに結びつけるKuTooは、その主張の根幹である「どうせそんな規則、昔の男の人たちが作った」という根拠がまったく不明です。
おかしな話です。