ディリースポーツ、高橋洋一教授のコタツ記事で本文にない「死者数」をタイトルに使用

5月10日、例によって、「#高橋洋一内閣官房参与の更迭を求めます」というハッシュタグがトレンド入りさせられました。

なにかと思ったら、ディリースポーツ5月9日20時31分配信の『前川喜平氏 高橋洋一教授を「国会で真意を質すべき」、日本の死者数を「さざ波」』という記事が発端のようです。

しかし、奇妙なことに、このディリースポーツ5月9日20時31分配信の記事は、タイトルが 日本の死者数を「さざ波」となっていますが、記事本文に「死者数」の文字はありません。

怪しい。

この怪しいハッシュタグの背景について考察します。

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日本の死者数を「さざ波」?

問題の記事はこれです。

記事タイトルが、

日本の死者数を「さざ波」

となっていて、あたかも嘉悦大学教授の高橋洋一さんが、死者数をあざ笑っているかのような見出しになっています。

なるほど、この記事を見た限りは、不謹慎な印象をうけます。

ところが、記事本文は、たったこれだけの典型的なコタツ記事です。

前川喜平元文部科学事務次官が9日、ツイッターに新規投稿。高橋洋一嘉悦大学教授の投稿に「国会で真意を質すべき」と指摘した。  
高橋教授は、100万人あたりの国別新型コロナウイルス感染者数を示すグラフをツイッターに投稿し、「日本はこの程度の『さざ波』。これで五輪中止とかいうと笑笑」とツイートした。  
前川氏はこの投稿を引用し、「参考人で呼んで国会で真意を質すべきだ」と記した。同教授は内閣官房参与も務めている。

(出典:前川喜平氏 高橋洋一教授を「国会で真意を質すべき」、日本の死者数を「さざ波」)

見てのとおり、このディリースポーツのコタツ記事の本文には「死者数」の文字はありません。

どういうことでしょうか?

実際のツイートの流れを見てみましょう。

他者の発言を問うのならば、報道は発言を正しく伝えなければならない

5月9日、高橋洋一さんが、100万人あたりの国別新型コロナウイルス感染者数を示すグラフをツイッターに投稿しています。

ここでは「感染者数」です。

別のツイッターユーザーが、高橋洋一さんのツイートを引用して、「死者が一万人越える災害を「さざ波」「笑笑」などと揶揄出来る人間を政府は重用してるわけです。」と投稿しています。

ここで初めて、「死者」という言葉が出てきます。

「死者数」というのは、第三者が使った単語です。

さらにこのツイッターユーザーのツイートを前川喜平さんが引用して、「高橋洋一内環官房参与を参考人で呼んで国会で真意を質すべきだ。」とコメントされています。

それで、この前川喜平さんのツイートをディリースポーツがコタツ記事にチョチョイと仕上げて、投稿したわけです。

個人的には、このディリースポーツのコタツ記事は、本文にないことをタイトルにする「見出し詐欺」だと感じています。

Yahooニュースコメントにも、次のような指摘が書き込まれています。

このグラフが示すのは、死者ではなく感染者数です。
ところが、見出しでは「日本の死者数」となっています。記事本文ではきちんと「感染者数」となっていて、死者の文言は全く出てきません。
デイリーさんか、ヤフーさんか、見出しの担当がどちらかは存じませんけれど、これはいかがでしょう?
発言の是非について、わたしは何も申しません。ですが、他者の発言を問うのならば、それを正しく伝えることは絶対ではないでしょうか。もしこれが意図的だとしたら…報道媒体として、信に悖る卑劣なことだと思います。

(出典:fai*****さんのYahooニュースコメント)

他者の発言を問うのならば、報道はその発言を正しく伝えなければならない。

これは最低限のルールです。

「見出し詐欺」はダメです。



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