罪深い見出し詐欺「森喜朗氏 五輪納入業者などから年6000万円献金」の多大なる影響

ニュースポストセブン(週刊ポスト)が2月15日に、

「無報酬」と胸張った森喜朗氏 五輪納入業者などから年6000万円献金

という記事を配信して、YahooニュースやMSNニュースなどで大々的に拡散されました。

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詐欺的な見出し

多くの批判的な人が、森喜朗さんが「五輪納入業者から年6000万円の献金をもらい続けている」と錯誤したことでしょう。(※年6000万円という記述は毎年と錯覚する)

しかし、この記事は本文を読むと、「2014年に40万円分のパーティー券を購入」としか書かれていません。

6年前の40万円分のパーティー券の話を持ち出しているだけで、6000万円は関係ありません。

オフィスの間仕切りやトイレの個室の壁などパーテーションメーカーとして国内トップシェアを誇るコマニー(石川県小松市)はそのひとつ。春風会の収支報告書によれば、同社は2014年に40万円分のパーティー券を購入しており、東京都オリ・パラ準備局が発表した「東京2020大会に係る共同実施事業の契約案件一覧」には、選手村関連の間仕切り工事を受注したことが記されていた。

(「無報酬」と胸張った森喜朗氏 五輪納入業者などから年6000万円献金 NEWSポストセブン2021.02.15)

6000万円は個人の収入ではなく資金管理団体の収入です。

多くの政治家が同様のことを行っています。違法でもなんでもありません。

しかも、コマニー(石川県小松市)は国内トップシェアと書いてありますから、選手村関連の間仕切り工事を受注したとしても何の不思議もありません。トップシェア企業を外すほうが違和感があります。

さらにパーティー券の利益が6千万円というのもミスリードで、会場費、飲食費などの費用をその中から支払って、残りが利益になります。安倍晋三元総理の桜を見る会前夜祭で、パーティー費用をさんざん野党やマスコミが追及していましたよね。

週刊ポストは、何をいいたいのか、さっぱりわかりません。

 

この週刊ポストの詐欺的な見出しに、釣られる人々が続出します。

よく見ると、いつものメンバーです。

 

東スポが皮肉る記事

2月15日深夜、Twitterで「見出し詐欺」の指摘が出てくると、今度は東スポが、

森会長の政治資金管理団体は「五輪納入業者などから年6000万円献金」としているが、五輪関連工事を受注したメーカーによるパーティー券購入は40万円のみ。それでもネットでは「献金6000万円」がクローズアップされ拡散されている。

と、週刊ポストの詐欺的な見出しを材料に、ぜんじろうさんのツイートを皮肉る記事を書いています。

吉本興業所属のタレント、ぜんじろうさんは、「嘘や利権の森喜朗氏は、自民党として、まっとうな行動だと思います(笑)」とツイートされています。

このぜんじろうさんのツイートには、「ちゃんと読んで、理解してから発言してください。こうしてフェイクニュースは広まるのです」などの指摘リプライが付けられています。

 

フェイクがSNSで修正されていくが…

こうしてメディアのフェイクがSNSで修正されていくのは良いことだと思います。

問題なのは、こうしたニュースにあまり興味がない人です。

興味がない人のTwitterのタイムラインやトレンドなどにも、このニュースは表示されています。

興味がない人は、ニュースが流れてきても、そのURLを開いて記事を読むことはありません。しかし、記事は読まなくても、見出しツイートだけは目に入るわけですから、そこからの印象だけは頭に残ります。

 

「無報酬」と胸張った森喜朗氏 五輪納入業者などから年6000万円献金という記憶だけが残るのです。

 

しかも、興味がないのですから、こうしてSNSなどで修正がされても、訂正が伝わることはありません。

 

こうして、いわゆる流言飛語が生まれていきます。

これはとても怖いことではないでしょうか。

 

毎日新聞さんのファクトチェックに期待します。



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