1月22日、立憲民主党の公式Twitterアカウントが、匿名アカウントのツイートに対して、「ファクトチェック」と称する連続ツイートを行いました。
【拡散希望】 元ツイがかなり伸びているので、これから8つの連続ツイートでファクトチェックします。デマやフェイクニュースはなぜ拡散されやすいのか…。この連ツイのの方をぜひ拡散してください。
まず前提。「今更、提案型になると意気込む立憲民主党」とありますが、ずっと提案しています。 https://t.co/qEhKg49SBJ
— 立憲民主党 (@CDP2017) January 22, 2021
この自称「ファクトチェック」はとても問題のある、恐ろしいヤバいツイートです。
すいません。
お言葉ですが、
ご本人が主張されるものは一般的にファクトチェックとは呼びません。 https://t.co/gTHbKXaVd0— 以下略ちゃん™ (@ikaryakuchan) January 22, 2021
どうして恐ろしいヤバいツイートなのか、説明をします。
政党が行うファクトチェックに正当性はない
ファクトチェックには国際的に確立した原則があります。
国際ファクトチェックネットワーク(International Fact-Checking Network、IFCN)が掲げる「ファクトチェック綱領」には5つの原則があります。
1. 非党派性と公正性…ファクトチェッカーは一方のサイドに偏ったファクトチェックはしません。…政治的立場をとったりすることはしません。
2. 情報源の透明性…読者が私たちの調査をたどれるよう詳細に全ての情報源を提供します。
3. 財源・組織の透明性…財源について透明性をもちます。他の組織から資金を受け入れても、資金拠出者は私たちの調査で達した結論に対して全く影響を与えないことを確約します。
4. 方法論の透明性…私たちは、自分たちが用いている選択、調査、執筆、編集、公表、そして自らのファクトチェックの訂正についての方法を説明します。
5. 明確で誠実な訂正…私たちは、自らの訂正方針を公表し、厳格に従います。
(ファクトチェック国際的なルール)より要約。
政治団体がファクトチェックをするということは、「1. 非党派性と公正性」「3. 財源・組織の透明性」で、ファクトチェッカーとしての資格に疑問があります。
自民党がファクトチェックを始めたらどうなる?
2つ目の問題点は、こちらのツイートのご指摘です。
立憲民主党の自分たちの政党でやる”ファクトチェック”。意味がない上に、正当性皆無なのに気がついてないってヤバいな。
自民党公式アカが報道についてのファクトチェックとかやりだしたらまずいでしょ。それを政権交代を呼びかける政党がやってるっての、異常だな。 https://t.co/9GdVwAvr57— 杉 (@SugiShine) January 22, 2021
政権交代を目指している政党が、ファクトチェックと称して、市民の意見や報道を批判するという異常さに気がついていないことに、底知れぬ恐ろしさを感じてしまいます。
この自称ファクトチェックのみで相手の意見をデマと決めつけ、「この先はデマを流す人を放置せず、ぜひ訴えてほしいと思います」などという有名作家さんのリプライも立憲民主党公式アカウントには寄せられています。
しかし、政党公式アカウントに求められるのは、国民へのていねいな説明であって、税金を使っての処罰ではありません。
これでファクトチェックをしたという立憲民主党の感覚が非常に恐ろしい。自分の考えや意見と外的現実との境界があやふやすぎます。 https://t.co/FokMudAArs
— 越州人 (@doublemean2) January 23, 2021
あなた方は、曲がりなりにも日本国における野党第一党なのですから、せめて言葉の使い方くらいきちんとしていただけないでしょうか?
ファクトチェックとは当事者同士がするものではありません。(参考:https://t.co/VGkTi9oRnK)
あなた方が行っているのはただの反論です。— 三好朔太郎 (@sakutaro1108) January 23, 2021
「党の見解と相違ないか、発信前に我が党に確認(ファクトチェック)させろ」というのでは、立憲主義どころかただのファシズム体制である、とのご意見リプライも寄せられています。