はすみとしこさんTwitter凍結の理由は関西テレビのDMCA通報か? 第三者による虚偽の「DMCA通報」とその対策について

ホワイトプロパガンダ漫画家の はすみとしこさんのTwitterアカウントが凍結されました。

この記事では、アメリカ合衆国のデジタルミレニアム著作権法(DMCA)について簡単に解説し、たびたび問題となっている第三者による虚偽の「DMCA通報」とその対策について解説します。

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凍結理由は吉村知事の画像

はすみとしこさんは、10月18日に自身のYou Tubeチャンネルに「Twitter凍結記念♥」というタイトルの動画を投稿されています。

はすみとしこさんは、その動画でTwitter凍結の理由について、

「Gメールを見たら、Twitterから、著作権違反の通知が来てたので削除しました、みたいな通知が来ていた。著作権侵害を申告した名義は関西テレビの○○さん。維新の吉村 大阪知事の新型コロナでできるだけ早期に気管切開をして人工呼吸器をつけるという発言があり、それは間違っているのではないかというツイートを(はすみさんが)して、それに画像を添付。その画像が、関西テレビで吉村 大阪知事が喋っている画像だった」

と説明されています。

ツイート内容が問題となったのではなく、関西テレビの権利者を名乗る人物からの通報により、関西テレビの画像キャプチャーが著作権侵害の疑いでTwitterから削除されたということのようです。

 

はすみとしこさんの件がそうだと確定しているわけではありませんが、「DMCA通報」による削除の場合、虚偽の第三者からの「DMCA通報」である可能性もあります。

 

はすみとしこさんの件がそうだと確定しているわけではありません(重要なので2回書きました)、まだよくわかりませんが、よい機会なので第三者による虚偽の「DMCA通報」についても解説します。

 

Twitterの画像のDMCA通報については、偽名の第三者による虚偽の「DMCA通報」により、アカウントが凍結されてしまうという事例がたびたび発生して問題になっています。

 

艦これ公式アカウントが、虚偽の第三者からの「DMCA通報」で一時凍結

艦これ公式アカウントが、虚偽の第三者からの「DMCA通報」で画像が連続で削除され、凍結になるという事例がありました。(著作権侵害が複数続くと凍結される)

艦これ公式アカウントのケースでは、即座に異議申し立てをして、アカウントは復活しています。

 

「DMCA通報」では、関係ない第三者によるいたずらの「DMCA通報」でも、調査することなく削除して凍結してしまう可能性があります。

アメリカ合衆国のデジタルミレニアム著作権法(DMCA)では、著作権侵害コンテンツがウェブサイトなどに投稿された際の通報 (notice) と削除 (takedown) 手順および免責条件が明文化されています。

「ノーティス&テイクダウンとは、アメリカのデジタルミレニアム著作権法(DMCA)にある制度で、自称著作権者から法定の要件を満たす通知を受け取ったプロバイダ等は、いったん当該著作権侵害とされる情報を削除し、その後、発信者に対して削除した旨を告知し、発信者から反対通知を受け取った場合には、通知してきた自称著作権者に反対通知のコピーを送付し、通知者が反対通知の受領後一定の期間に発信者に対して侵害行為の差止請求訴訟を提起しなければ、プロバイダ等は当該情報を復活させなければならず、他方、この手続に従えば発信者・著作権者の双方に対して免責されるというものである。プロバイダ等は、法定の手続に沿って機械的に対処すれば、原則として責任を負わない立場を獲得することになる。このノーティス&テイクダウンのような制度を我が国においても導入すべきではないかとの議論が度々提起されている。」 (総務省「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会最終取りまとめ」(2009年1月) 45頁)

「DMCA」では、プロバイダ等が著作権違反の可能性がある事柄について放置しておくことじたい、罪に問われる可能性があります。

そのため、プロバイダ等は自称著作権者から通報があった段階で、「とりあえず当該著作権侵害とされる情報を削除する義務」が発生して、著作権侵害かどうかの調査をせずに削除してしまいます。

 

異議申し立ての方法

これに対応するには、

①異議申し立て(論評を目的とした正当な引用であるなど)

②相手に撤回を求める

の2つの方法があります。

虚偽の通報であれば、確信犯的な相手に撤回を求めるのは無駄ですので、実質的には異議申し立てしかありません。

 

異議申し立ての方法については以下のページを参考にして下さい。

報告に異議を唱えたい場合は、どうしたらよいですか? (Twitterルールとポリシー)

 

仮に第三者からの虚偽の「DMCA通報」であっても、著作権侵害であるかどうかの調査はされませんので、そのまま放置してしまうと凍結が確定してしまうことになります。



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