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Amazonの商品レビューに、ライバル商品にわざと「星1つ」の悪い評価をつけさせたとして、福岡簡裁が信用毀損(きそん)罪で、レビューを依頼した別の会社の男性役員に罰金20万円の略式命令を出した、と朝日新聞が報じています。
この事件では、商品を購入していない人が書き込んだレビューのようですが、実際に商品を購入する「やらせレビュー」もあります。
今回は、その実際に商品を購入する「やらせレビュー」の手口についてお話します。
商品を購入していないのに 競合他社の商品に「星1つ」
アマゾンで「星一つ」やらせ投稿 依頼者に異例の刑事罰:朝日新聞デジタル https://t.co/r925QETOkp
— 以下略ちゃん™ (@ikaryakuchan) September 4, 2020
仕事仲介サイトで商品レビューの仕事をもらって、500円でレビューを書き込んだ福岡県内の40代女性に対しては、地検が「諸般の事情を考慮した」として不起訴処分にしました。
女性は商品を使ったことがないのに「一粒が大きくて飲みにくかった」などと書き、5段階評価で最低の「星一つ」とした。これを含め、低評価レビューが1週間で2商品に9件ほど続いたため、不審に思った販売元の男性社長(39)が投稿者名を検索したところ、やらせレビューの請負を含む仕事仲介サイトの登録者だったことがわかった。男性社長は女性と依頼主の男性役員を苦労の末特定し、18年5月に福岡県警に被害届を出した。(朝日新聞 2020年9月4日)
今回の事件では、女性は商品を購入していないのに、依頼者の競合他社の商品に「星1つ」の悪い評価をつけたということです。
実際に商品を購入する「やらせレビュー」もある
以下略ちゃんは、以前、やらせレビューの方法について取材して調べたことがあります。
ある時、偶然、レビュー投稿の仕事を請け負っている方と知り合い、お話をうかがいました。
今回は、その高度な「やらせレビューの手法」について、暴露してしまいます。
取材でわかった「やらせレビューの手法」は次のようなものです。
- 仕事仲介サイトに登録した人に、依頼者からレビューを書いてほしいとのDMが届く。
- 仕事を承諾すると、レビューを書く指定の商品の「代金」と「報酬(500円程度)」の合計金額のAmazonギフトをもらう。
- Amazonで指定の商品を購入する。
- 送り先を、依頼者の住所の近くのコンビニ受け取りにして、受取人の名前を架空の名前にする。
- 商品は、レビュー依頼者が受け取る。コンビニで商品を受け取る際には2つの認証キー(お問い合わせ番号と認証番号)が必要なだけで、本人確認はしない。
- レビュー依頼者が出品している自社商品の場合は、送料とAmazonの手数料だけが損失となる。
- 競合他社の商品に悪い評価をつけるときも、購入した商品は依頼者が受け取る。
- 依頼者がレビューの原稿と、評価「星5つ」「星1つ」を指定する。
- 仕事を請け負った投稿者が指示通りレビューを書き込む。
- つまり、依頼者は自分で自分の商品を購入して「星5つ」のレビューを作るわけです。費用はかかりますが競合他社の「星1つ」のレビューを作ることもできます。
- 投稿者の報酬は安いですが、原稿も依頼者が用意するので、コピペだけの作業になります。
この「やらせレビューの手法」はきちんと商品をAmazonで購入していることがポイントです。
しかし、レビューを書いている人は、その商品は見てもいません。
この「やらせレビューの手法」で書かれたレビューは、見分けることがほとんど不可能なのではないかと思います。
そして、実際にそうしたレビューが存在するわけです。