都知事選挙と同じ2020年7月5日投開票で、東京都議補選も行われます。
大田区、北区と日野市、北多摩第三(調布、狛江市)の四選挙区(いずれも被選挙数1)に計16人が立候補しています。
なかでも北区は女性候補のみ5人の争いで、注目を集めています。
共産党の池内さおりさんが「ゆづか姫」に噛みつく
ホリエモン新党から立候補しているニコ生「ゆづか姫」こと新藤加菜さんのアベノマスクをブラジャーにしたポスターに、1度だけ比例で衆議院議員に当選したことのある日本共産党の池内さおりさんが噛みついています。
心が痛くてツイートするか悩んだが、傷ついている人が他にもいるだろうと思い、何よりこの国の子どもたちのことを思って書くことにする。
「女性を差別し続け性的に消費し続ける」という宣言と私は受け取った。ドイツ人の友人に送ったら「日本…これはポルノだ。選挙をバカにしてる」#metoo #WithYou https://t.co/wnfvFUM6YS— 池内さおり Saori Ikeuchi (@ikeuchi_saori) June 30, 2020
なぜドイツ人が出てくるのでしょう。ドイツ人の友人の言葉がなぜドイツを代表する意見なのかもよくわかりません。
ドイツ人だろうが日本人だろうが、ひとりの意見に過ぎません。ありがちな主語を大きくする文章のように見えます。
「ラブジョイの法則」「ラブジョイ抗弁」
「子どもたちのことを思って」というのも、わずか1週間ほどの上半身だけのアベノマスクブラのポスター掲示でどのような悪影響があるというのでしょうか。
アメリカのテレビアニメ『ザ・シンプソンズ』で、ヘレン・ラブジョイが口にする慣用句「子どもたちのことを考えろ」を連想します。
ある主張に反対するために「子供たちのことを考えろ!」というフレーズを用いることは、「ラブジョイの法則」「ラブジョイ抗弁」といわれ詭弁の一種に分類されています。ここでいう「子供たち」は主張者に都合の良い架空の存在です。
ハッシュタグ
とはいえ、ここまでは池内さおりさんの言論の自由なので、抗議をされるのもいいでしょう。
しかし、問題はハッシュタグを作ってトレンドにして圧力をかけようとしていることです。
共産党系と思われる人たちが、ハッシュタグを拡散しています。
多くの皆さんにRetweetしていただき、思いをシェアするリプライをいただいています。
こんな出来事は終わらせたい。#選挙を使ったセクシュアルハラスメントに抗議します
このハッシュタグをつくりました。拡散願います。子どもたちにどんな未来を手渡せるか。共に社会を作っていきたい。 https://t.co/sf8FgZaCHA
— 池内さおり Saori Ikeuchi (@ikeuchi_saori) July 1, 2020
ホリエモン新党の立花孝志代表は、法律的には何の問題もないポスターではあるけれど、池内さおりさんのせいでSNSで新藤加菜さんに誹謗中傷が殺到しているとして、ポスターのブラの部分にNHK撃退シールを貼って、修正する作業を指示しました。
修正されてしまう前に、実物を見てみよう
まずは、掲示板に実際に貼られた状態での、ポスターの現物を見てみないことには何も語れません。
早く行かないと
シール貼られちゃってるみたいですよ。— 寅九郎 (@anpanox) July 2, 2020
シールで修正されてしまう前に、実物を見てみよう。
そう考えて、
7月2日、都議補選のポスター掲示板を見学に北区まで行ってみました。
荒川区から北区に入り、最初に見つけたポスター掲示板には、新藤加菜さんのポスターだけが貼られていませんでした。
予想外の事態に戸惑いました。
「まずい、全部の掲示板に貼ってあるわけではないのね。北区に土地勘がなくどこにポスター掲示板があるのかもわからないのでは探すのに手間がかかるかも…」
と不安になりました。
次の掲示板を探して移動していると、池内さおりさんのポスターを見つけました。
池内さおりさんは、ここが地盤なんですね。
選挙もないのに貼られている笑顔の池内さおりさんのポスターを見ながら、
池内さんは自分が応援している候補のために対立候補を批判しているだけではないの?
そんな気がしました。
個人的感想です。
別のポスター掲示板を見つけました。
しかし、すでにブラの部分にはNHK撃退シールが4枚貼られ、修正済みでした。
「遅かった…」
尾久駅前にもポスター掲示板がありました。
ここで奇跡が起きました。
なんと、風が強くて、修正に貼られた紙のようなものがめくれていたのです。
NHK撃退シールではない、チラシのような紙が貼られていたようですが、強風にあおられめくれてしまっています。
この日は風が強かったのです。
ようやく実物を確認することができました。
実物を見ての感想
実物を見ての感想は、次のようなものでした。
- ピンクの背景に花模様が入っているデザインに印象が大きく左右されている。そのため風俗チラシを連想してしまう。
- 「しんどう かな」の候補者名が目立たない。何のポスターだかわからない。
- 27歳で候補者中で一番若いことをアピールすればいいのに、その記載がない。
結局、ポスターデザインの出来があまりよくないのではないか、というのが個人的な第一印象でした。
新藤加菜さんのポスターは、あまり目立つようなものではありませんでした。
アベノマスクブラの発案は加藤紗里さん
新藤加菜さんのアベノマスクブラは、選挙のポスター用に考えたものではないようです。
4月27日に「安倍さんから布マスク届いた〜」と普通にツイートされています。
安倍さんから布マスク届いた〜😷💟
大きくて目の下までちゃんと隠れる✨#アベノマスク #アベノマスクチャレンジ pic.twitter.com/FKoxX7PzxO— ゆづか姫@北区都議補選立候補者❤️しんどうかな (@himeyuzk) April 27, 2020
4月26日に、加藤紗里さんがYou Tubeに「【感謝】安倍ちゃん。紗里が安倍ちゃんのマスクの本当の使い方を開発したよん」というタイトルの動画を投稿されています。
この動画で、加藤紗里さんは、アベノマスクを2つつないでブラジャーのかわりにしています。
アベノマスクブラの開発者は加藤紗里さんです。
加藤紗里さんの動画を見たのか、新藤加菜さんが27日に #アベノマスクチャレンジ というハッシュタグでアベノマスクブラの写真を投稿しています。
やっぱり安倍さんからのマスク小さかったよ💦
拡散希望‼️#アベノマスク #安倍晋三 #アベノマスクチャレンジ pic.twitter.com/gPSlJYmyjI— ゆづか姫@北区都議補選立候補者❤️しんどうかな (@himeyuzk) April 27, 2020
このツイートがバズったので、その写真を選挙ポスターに使用したものと思われます。
最初の加藤紗里さんのアベノマスクブラの動画は22万再生になっています。
子どもが多く見るYou Tubeに投稿された加藤紗里さんの動画に、池内さおりさんは「この国の子どもたちのことを思って」抗議をされたのでしょうか?
新藤加菜さんが、アベノマスクブラを作った理由は、「税金を無駄にした皮肉」だそうです。
以下略ちゃんは、「アベノマスクによって、それまで忘れられていた布マスクが広く使われるようになるなど副次的な効果があった。税金の無駄とはいえない」という立場ですので、「税金を無駄にした皮肉」には賛同できません。
「マスクで遊ぶな」という批判ならば理解できますが、「人権侵害だ、セクシャルハラスメントだ」というのはちょっと違うのではないかと思います。池内さおりさんの主張は、自分の支持する候補者のための「ラブジョイ抗弁」でしかない、というのが個人的な感想です。