(軍艦島 Wikipedia)
6月13日、共同通信が「「軍艦島で朝鮮人差別存在せず」 政府、元島民の証言を一般公開へ」という記事を配信し、全国の新聞がそのまま記事にしています。
その記事の最後に気になる文章があるのです。
Twitterのトレンドに「朝鮮人差別存在」
14日午前11時30分、Twitterのトレンドに「朝鮮人差別存在」が登場しました。
トレンド内容を確認すると、「政府、元島民の証言を一般公開へ」という共同通信の短い記事でした。
政府は13日、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の端島(通称・軍艦島、長崎市)の炭鉱を巡り、戦時徴用された朝鮮半島出身者への差別的対応はなかったとする元島民の証言を一般公開する方針を固めた。15日から東京都内の政府施設に展示コーナーを設け、映像やパネルを使って紹介する。複数の政府筋が明らかにした。
日本が朝鮮半島を植民地支配していた当時の軍艦島では、多くの朝鮮人労働者が非道な扱いを受けたとされる。政府の取り組みには、こうした定説を「自虐史観」(政府筋)とみて反論する狙いがある。過去の事実を覆い隠し、歴史修正主義を助長するとの批判を招きそうだ。(共同通信 2020/6/13 23:07)
「元島民の証言を一般公開する方針」という事実を伝える記事のようですが、後半の文章に違和感があります。
次のようにコメントでツイートしました。
「過去の事実を覆い隠し、歴史修正主義を助長するとの批判を招きそうだ」=批判しろ
という記事はどういうつもり?
共同は事実だけ報道すればいいんですよ。「軍艦島で朝鮮人差別存在せず」 政府、元島民の証言を一般公開へ | 2020/6/13 – 共同通信 https://t.co/FL0ehIYjUE
— 以下略ちゃん™ (@ikaryakuchan) June 14, 2020
「批判を招きそうだ」は「批判しろ」という誘導
批判が起こっている場合は「批判されている」と書きますよね。
では、まだ批判が起こってはいないが批判が起こるように誘導したい場合は、どのように記事を書くでしょうか?
批判をさせたい場合の、誘導目的の定型文が「批判を招きそうだ」です。
「批判を招きそうだ」は「批判しろ」という誘導です。
共同通信の記事の後半部分は明らかに記者の個人的主張です。
こうしたものは、客観的な事実を伝える記事とは分けて、自分の主張として書かなければおかしな話です。
荒唐無稽な韓国映画「軍艦島」
2017年に韓国映画「軍艦島」が公開されました。
映画のストーリーは、
その内容は「日本で金を稼げる」とだまされて連れてこられた朝鮮人徴用工が、暑さと飢えのなか、海底1千メートルの採掘場で働かされ、金銭的な搾取や拷問を受けるシーンもある。そうした事実を隠すため、日本人が朝鮮人徴用工を坑道に閉じ込めて爆破しようとするが、これを察知した朝鮮人徴用工が軍艦島から脱出を図るというもの。映画の冒頭では史実をもとに制作されたと説明が入る。(地獄島?韓国映画「軍艦島」で広がる波紋 どこまでが事実なのか AERA 2017.9.19 )
という荒唐無稽のものです。
「太平洋戦争当時に端島で暮らしていた人々が、自らの生きた言葉で故郷を語ります」という「軍艦島の真実」というサイトがあります。
このサイトでは、この映画に描かれた軍艦島は真実ではないとして、弁護士名で抗議文を送っています。
証言されているのは、在日韓国人2世
この「軍艦島の真実」というサイトでは、2020年6月12日に、新しく3点の 証言映像が追加されています。
証言されているのは、在日韓国人2世の方です。
1933年端島でお生まれの在日韓国人2世 鈴木文雄(金 亨道)さんが、慶尚南道出身のご両親のことや、端島での暮らしについて、記憶を紐解きながら当時を振り返った貴重な証言をされています。
この新しい証言映像と、今回の「元島民の証言の一般公開」は、関係がありそうです。