4月9日、都内の銀行に行くと、なんと「マスクをしていない人は入店禁止」の張り紙がありました。街では、まだまだマスクは店頭にありません。マスクは入手困難。これでは困る人が多そうです。
そんな銀行の張り紙を見て、4月7日朝のTBSテレビ「グッとラック!」で立憲民主党の有田芳生 副幹事長のご兄弟が一般人としてインタビューに答えられて、「WHOも布は推奨しない」そんなマスクは使えない!と怒り心頭だったことをふたたび思い出しました。
有田芳生 副幹事長「マスク2枚」対策を批判
立憲民主党の有田芳生 副幹事長は、医療用マスクを医療従事者にまわして、一般の人には布マスクを配布する需給調整としての政府の各世帯2枚の布マスクの配布を、ツイッターで批判されていました。
1住所に2枚のマスクを配布とは「やってる感」にもなりません。貧困な安倍=麻生政治。現実を知らないのでしょう。短時間でも現場を歩け。ある有名繁盛店も土曜の客はわずか6人、日曜日は臨時休業、昨日もまた16時半から開けて同じ。このままだと1か月閉店しなければならないという。 pic.twitter.com/vQxwmeceDc
— 有田芳生 (@aritayoshifu) 2020年4月1日
国会でも与党議員から「マスク2枚」対策にため息がもれています。街場からは商店の悲鳴が聞こえます。「1か月ほど店を閉めなければならないかも」という飲食店が多数です。演劇者も歌手も公演を延期や中止で会場費だけでなく莫大な損害が生まれています。こんなご時世にマスク2枚の安倍政権。 pic.twitter.com/nD4hYyX9U2
— 有田芳生 (@aritayoshifu) 2020年4月2日
安倍首相が飛びついたマスク2枚がロイターでも報じられました。マスク2枚!
— 有田芳生 (@aritayoshifu) 2020年4月2日
布マスクで「不安パッと消えます」官僚案に乗って炎上:https://t.co/xUbKk8BCuO 首相に判断力がないことを示しました。「この構想は1カ月以上前から首相官邸内で浮上していた。「全国民に布マスクを配れば、不安はパッと消えますから」。首相にそう発案したのは、経済官庁出身の官邸官僚だった」。
— 有田芳生 (@aritayoshifu) 2020年4月2日
成果なし。そう批判されて出てきたのが「マスク2枚」!世間知らずの最たるものです。『選択』4月号。 pic.twitter.com/jtGYgArW2l
— 有田芳生 (@aritayoshifu) 2020年4月3日
〈「全国民に布マスクを配れば、不安はパッと消えますから」。首相にそう発案したのは、経済官庁出身の官邸官僚だった〉(「朝日」4月3日)。不安がパッと消えるという発想が世間知らずです。「マスクを配る前に10万円を配って、マスクを買わせればいいじゃないか」(公明党若手議員)。その通りです。 pic.twitter.com/wRYTNNkpIR
— 有田芳生 (@aritayoshifu) 2020年4月3日
コンビニの弁当、惣菜などは外国人の夜明け前の労働なくして成り立ちません。新聞配達もしかり。いまや日本は外国人労働力なくして成り立ちません。暴論を吐く人たちは、目に見えない現実を見ようとしないのではなく、見えないのでしょう。マスク2枚もまた。認知の歪みではなく、不在と崩壊です。 pic.twitter.com/qxgKLD6Jkb
— 有田芳生 (@aritayoshifu) 2020年4月5日
テレビのインタビュー
4月7日朝のTBSテレビ「グッとラック!」に、有田芳生 副幹事長のご兄弟が一般人としてご出演され、政府の布マスクを「使えない!」と怒り心頭に否定されていたシーンは次のようなものです。
ナレーター「(渋谷や銀座で)取材を続けているとマスクをしていない人が多く見られました」
若い男性「マスクしようかなって思っているんですけどマスクがない」
ナレーター「そう、依然として入手困難なマスク。そんなマスク不足解消のため安倍総理が発表したのが」
安倍総理「緊急経済対策にこの布マスクの買い上げを盛り込むこととし、1住所あたり2枚ずつ配布することとします」
ナレーター「全国すべての世帯にも布マスクを2枚ずつ配布するというもの。ネット上でアベノマスクとも呼ばれていますが、一体どんなものなのでしょうか。京都で訪問介護事業を経営しているこちらの男性」
きょうと福祉倶楽部 代表 有田和生さん「このマスクね。これ昨日来たやつ」
ナレーター「こちらが先週金曜日に厚労省から送られてきた布マスク。実は政府は先月10日、介護施設や保育園などマスクが不足している場所に、再利用可能な布マスクを配布するとしていました。来週以降、一般家庭にも2枚届くとされるこの布マスク。一足先に受け取ったこちらの男性は」
きょうと福祉倶楽部 代表 有田和生さん「使いたくないというか使えないですよね。これ布でしょう。今 WHOも布は推奨しないって言ってますよね」
ナレーター「怒り心頭。さらに…」
きょうと福祉倶楽部 代表 有田和生さん「ちっちゃいですよね。顎まで隠れないからこれ駄目ですよ。そうじゃないと飛沫飛ぶよって言ってるじゃないですか」
ナレーター「怒る人がいる一方、アベノマスクを受け取った奈良県の保育園で働く女性は?」
奈良市内の保育園勤務の女性(28)「(保育園からは)自分で確保しろと言われてるので、布マスクが届いたことによってすごい安心はしました」
(グッとラック 4月7日)
「WHOも布は推奨しない」はフェイクでは?
この番組を見て、個人的に疑問に思ったことは次の3点です。
- 数ある訪問介護事業の経営者の中から、どうしてTBSテレビは京都の有田芳生 副幹事長のご兄弟を選択したのか?
- 野党関係者であることを明記しないで、まるで一般の経営者が迷惑がっているように放送するのはおかしいのではないか?
- インタビューの形にして責任逃れをしているようだが「WHOも布は推奨しない」はフェイクではないのか?
「効果はない」のエビデンスはない
日本政府からWHOに対して、布マスクの「効果はまったく期待できない」について、エビデンス(証拠・根拠)を求めたところ、「無い」と回答があったそうです。
日本政府からWHOに対して、布マスクの「効果はまったく期待できない」について、エビデンスを求めたところ、「無い」との返事。
マスクのいちばんの効果は、無症状、無自覚の感染者の飛沫をまわりに飛ばさないことです。
布マスクでも、効果はあります。https://t.co/JP8SjTstjQ— いさ進一 (@isashinichi) 2020年4月3日
布マスクは新型ウイルス感染拡大防止に役立つとWHOはサポート
布マスク使用について「WHOはどんな状況においても勧めない」。実は、WHOのこの指摘は、医療従事者向けのガイダンスであって、むしろ一般人が手作りのマスクや布製のマスクを使用することは推奨しているのです。
欧米でマスクへの評価が急上昇 着用義務化の国相次ぐ (写真=ロイター) :日本経済新聞 https://t.co/jtnc4L35iK
— 以下略ちゃん™ (@ikaryakuchan) 2020年4月9日
WHOの医療従事者向けと一般向けのマスクへの評価は違う
その中で、一部メディアが布マスク使用について「WHOはどんな状況においても勧めない」と書いた記事については、さらなる混乱を招く恐れがある。WHOのこの指摘は、医療従事者向けのガイダンスを指しているとみられ、3日の会見でライアン氏は、「手作りのマスクや布製のマスクを使用することは、新型ウイルス感染拡大の全般的な対応に役立つ可能性がある。そうした政府の決定をWHOはサポートする」と述べている。
つまり、WHOとしては医療従事者向けと一般向けでマスクへの評価を切り分け、供給の優先順位を説明している。だが、世間ではこれまでマスクとして一緒くたに扱われてきてしまったきらいがある。WHOは正確に説明してきたつもりかもしれないが、これだけ判断が分かれ、生活者にとって密接な問題に対しては、繰り返し説明しなければ誤解を招く恐れがある。
米国では米疾病対策センター(CDC)が新指針を公表し、無症状の人にも「顔を覆う布をかぶることを勧める」とした。高性能マスク「N95」など医療用マスクは使わず、市販の簡易マスクやスカーフなどを使うことを求めた。チェコ政府が国民にマスク着用義務を求める際も、自家製マスクの使用を推奨している。ただ、欧州ではマスクに慣れていないせいか、街中で一般の人が高性能マスクを着用している姿を見かけることが少なくない。(日本経済新聞 2020.04.08)
つまり、政権批判のために、誤ったメッセージをTBSテレビ「グッとラック!」は出してしまった可能性が高いのです。