(現存する最古の笛吹き男の水彩画、1592年)
1月13日の記事で、毎日新聞と神奈川新聞が「参加者約3000人」と主張する12日のデモの参加者が約1690人であると書きました。主催者発表によるフェイクです。
https://twi55.com/demo20200113/
実は、この約1690人という数字も少し多めに数えた数字です。
今回は、デモの参加人数を数える時の基本的な知識、「梯団(ていだん)」と、実際にデモ参加人数をどのように数えているかについて書いてみます。
「梯団」とは?
「梯団」というのは、元々は軍隊の用語で、大兵団が行進をするときなどに、便宜上いくつかの部隊に分けた、その各部隊のことです。
都心では信号が多いので、デモは交通の妨げになります。交差点や横断歩道を長時間遮断しないように、警察はデモ隊を複数の梯団にわけているようです。
警察はデモを約250人でひとつの梯団にして、間隔をあけてデモを進行させます。
こちらにも色々飛んで来ているので割り込ませてもらう。先ず警察はデモをデモを250人分けて間隔を空けて行進させ、デモが途切れている合間に沿道で信号を操作して交差する交通を通す。例外は無い。これはデモの関係者も同意している事項で少なくとも出発時のデモの人数は4梯団で千人程度。
— c1815(内閣調査室 技官) (@unisol211) 2017年7月12日
ひとつの梯団が400から500になると、警察は梯団をふたつに分けます。
したがって、梯団の数がわかれば、250×梯団数、多めに見積もる場合は300×梯団数で、おおまかな参加者数は予測可能です。
デモ参加者を数える場合は、まず梯団の数を最初に調べます。
デモ出発の集合場所にも人数制限がある
1月12日の新宿のデモで、出発の集合場所として使用した新宿中央公園は、「最大2,000人まで」という制限があります。
このことから2,000人以上はいないことがわかります。
動画からデジタル数取器で列を数える
具体的にカウントする場合は、デモの動画などから、ひとつの梯団に何列の参加者がいるかをデジタル数取器を使って数えます。
数取器は、ひとつ持っているといろいろと便利です。
ふつうは4列縦隊で歩くことが多いですが、5列縦隊のこともあります。
どちらなのかを確認します。1月12日の新宿のデモは5列縦隊でした。
これをデジタル数取器で数えた数字に掛け算すれば、ひとつの梯団の人数がわかります。
梯団は前の方は5人できれいに並んでいますが、後ろの方に行くとダレていて4人だったり3人だったりします。その分を考慮して調整します。5列縦隊の場合でも、4を掛けたり、4.5を掛けたり。
途中で増減するがたいした数ではない
デモは途中で、途中で帰ったり、遅刻した人が参加したりして、参加者が増減しますが、ガードレールの向こう側の車道を進行するデモ隊なので一般の通行人が参加するにはハードルが高いです。
「ハーメルンの笛吹き男」でもいないかぎり、それほど増えることはありません。