国民民主党の森ゆうこ参院議員が、自身のHPで国家戦略特区ワーキンググループの原英史さんの自宅住所の記載された資料を無許可で公開して晒し、さらにツイッターなどで拡散、原英史さんの代理人から抗議をうけて黒塗り修正した事件がありました。
国民民主党の参院幹部が党の会合で、森ゆうこ議員に注意をした、と時事通信が報じています。
「(登記に記載された住所は)個人宅という認識がなかった」
国民民主党の森裕子参院議員が、政府の国家戦略特区ワーキンググループの原英史座長代理の住所が記載された資料をインターネット上に公開していたことが13日、分かった。原氏はツイッターで「あり得ない人権侵害」などと反発しており、国民の参院幹部は同日の党会合で森氏を注意した。
住所が書かれたのは、森氏が参院農林水産委員会に提出した原氏に関する社団法人の登記資料。森氏は7日の同委で質問した後、自身のホームページやツイッターに資料を掲載。その後、原氏の指摘を受け、住所部分を黒塗りにした。
森氏は記者団の質問に「(登記に記載された住所は)個人宅という認識がなかった」と語った。(時事ドットコム)
森ゆうこ議員が記者団の質問に「(登記に記載された住所は)個人宅という認識がなかった」と釈明した、と記事には書かれています。
しかし、これはその場逃れの苦しい言い訳である可能性が高いです。
なぜなら、森ゆうこ議員は11月7日の参議院農林水産委員会の質問で、法人登記簿に書かれている住所をわざわざ読み上げて、担当者にこれは何の住所だかわかりますか? と記載の住所そのものを重視した質問をされているからです。
どことどこの住所が同じだから関係がある、怪しい、という仮説で質問の論旨を組み立てて展開していたはずです。
当然、森ゆうこ議員は、法人登記簿に記載されているすべての住所に対して、綿密に何の住所であるかを調べてから、農林水産委員会の質問をされているはずです。
つまり、自宅住所だとわかっていながら配慮をせずに公開したか、あるいは晒し目的で公開したか、どちらかが疑われるわけです。
住所にこだわった質問部分 文字起こし
森ゆうこ議員「到底納得できませんけれども、そうすると、この謝金はですね、時給で払われてるはずですので、今の説明が正しければ、きちっと時給いくらぶんとその部分を開示していただかなければ、わからないと思います。こういうことを聞きたいから、原さんの参考人を要求してるんですよ。でも本人は呼べ呼べって、高橋洋一さんも呼べ呼べって言ってるのに、自民党と公明党の反対で呼べなかったっていうことなんですね。理事会、私はわかりませんけれども。困るじゃないですか。行政がきちっとやられてるかどうか、我々チェックするのがまずは大事な仕事なんですよ。それで、なぜ正式な国家戦略特区ワーキンググループの委員なのに、オブザーバーあるは〔ママ〕存在を消す、なんかこの外国人雇用協議会と関係があったんですか 」
村上審議官「お答え申し上げます。原座長代理は、当時この協議会の代表理事というポジションを務めてらっしゃった時期がございます」
森ゆうこ議員「はい、それは一番最後の資料につけてあります。この特区ワーキングで提案した団体は外国人雇用協議会、現在、これはネットで取れる登記簿でございますけれども。2019年、ついこの間、取ったばかりです、10月1日現在の情報として原英史氏は、この外国人雇用協議会の代表理事であります。さらには主たる事務所を東京都港区■■丁目■■番■■ ■■号(当ブログの判断により伏せ字)。村上さん、この住所よく知ってるんじゃないんですか?」
村上審議官「お答え申し上げます。申し訳ございません、この点につきまして、もう一度確認をして改めてご報告をしたいと思います。申し訳ございません。ちょっと、今、手元に資料がございませんので、きちっと確認をした上でお答え申し上げたいと思います」
森ゆうこ議員「お世話になってるからね。なってるからよく知ってると思いますよ。この住所は原さんが代表を務める政策工房。いろんなところに出てきますよね、原さん。原さんの会社の住所であります。ということは副大臣、この外国人雇用協議会の提案に関して言えば、原英史氏は利害関係者でよろしいですか」
大塚副大臣「ちょっと、正確な意味での利害関係者かどうかということについては、私もこの場ではっきり申し上げるだけの材料持ち合わせておりませんけれども、聞いておりますのはですね、それまでワーキングの他のテーマで原さんが来ておられて、で、このテーマに入る時にご本人がこれちょっと関係あるので私下がりますねと言って、正式な委員の席からハズレてオブザーバー席に行かれた、という経緯で正式な議事録も原さんについてはこの回、このテーマについては残っていないし、オブザーバー的に後ろに下がっていたのだというふうに私は報告を受けております」
森ゆうこ議員「まあ、利害関係者だという認識があったから後ろに下がった。まあ今の説明だとそうなりますよね」
(ヤジ:森ゆうこ議員「はっきり、イエスかノーか」)
大塚副大臣「原さんご自身のご判断として、これはちょっと正式な委員の席から外れて、この議論は正式な委員としては加わりませんねと、この時はご判断されて後ろに下がられたということだろう、というふうに認識しております」
森ゆうこ議員「まあ、正式な委員でないのに、なんで発言してるんですかねぇ。いろいろ発言したんじゃないんですか。でもね、消し忘れたんですよ。こういうのなんて言うか、頭隠して尻隠さず。違いますか。そしてまぁ、本人は利害関係者だという意識がある。当たり前でしょ。だって代表理事ですよ。自分の会社、政策工房のとこに、これ事務所があるんですよ。そのものじゃないですか。農水大臣、こういうの利害関係者って言いませんか」
(ヤジ:森ゆうこ議員「大臣の政治家としての認識を聞いております」)
江藤大臣「勉強不足でお答えできません」(以下略)
(2019年11月7日 参議院 農林水産委員会)
森ゆうこ議員が「一番最後の資料」と言っているのが、自宅住所の記載された資料です。
この質疑を見ていて、一番違和感があったのは、森ゆうこ議員がわざわざ大声で法人住所を読み上げた場面です。
文字書き起こしでは、法人住所情報部分は■■にしましたが、森ゆうこ議員は、はっきりと住所を読み上げています。
それは、おそらく同じ住所だと見ている人に印象づけて、さも怪しいと信じ込ませるためでしょう。
被害者である原英史さんに、謝罪も説明もない
同様の見解を、原英史さんもツイートされています。
森議員「(登記に記載された住所は)個人宅という認識がなかった」?
↓
いや、森議員は質問の際、わざわざ登記の法人住所を読み上げ、別法人と「住所が同じ」と指摘しています。そこまで「住所」にこだわった森議員が、私の名前の上の別の「住所」記載に気づかなかったわけがないでしょう。 https://t.co/DTnqlV9r21— 原英史 (@haraeiji2) 2019年11月13日
「認識なかった」は信じられません(理由はすでにコメントしたとおり)。正直な説明をお願いします。
また、記者団への説明だけでなく、私への説明があってもよいのでないかと思います。
↓
国民・森参院議員、個人住所をHPで公開 「認識なかった」と釈明 https://t.co/OrZbapl0yX— 原英史 (@haraeiji2) 2019年11月13日
↑
・森議員が自宅住所の「認識なかった」とは考えられません。国会でわざわざ法人住所を読み上げ、「住所が同じ」かにこだわったはずです。正直に事実の説明お願いします。(=質問3)
・また、この自宅住所掲載の資料は、毎日新聞社から提供されていませんか?(=質問4・5、毎日新聞社にも質問)— 原英史 (@haraeiji2) 2019年11月14日
森ゆうこ議員は、法人登記の記載住所にこだわって、それを資料として配布したはずです。
で、あれば、そこに記載されている住所について、綿密な調査をされていたはずです。
自宅住所が記載されていたことを知らないはずがありません。
こういうのこそなんて言うか、「頭隠して尻隠さず」違いますか?
党から注意を受けても、被害者である原英史さんに、謝罪も説明もないんですね。
森ゆうこ議員には社会人としてのモラルすらないのでしょうか。
※5ちゃんまとめサイトで、正しく引用せず、国会で森ゆうこ議員が原英史さんの自宅住所を読み上げたかのような切り取りフェイク記事も作られているようです。国会で読み上げたのは法人住所で、配布した資料に自宅住所がありました。まとめサイトにはご注意ください。