「質問漏えい」騒動 森ゆうこ 参院議員と今井雅人 衆院議員の時差トリック疑惑

Twitter(ツイッター)は、アメリカ合衆国、カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くTwitter, Inc.のソーシャル・ネットワーキング・サービスです。

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ツイッターのWeb上での 投稿時刻等の時刻表示

ツイッターはログインしないで利用すると日本時間ではなくて、本社のあるアメリカのサンフランシスコで使用されている太平洋標準時でタイムスタンプが表示されます。

その場合、日本標準時より夏時間の場合は16時間(冬時間の場合は17時間)遅くなっています。

  • タイムゾーンの名称:PDT  太平洋夏時間
  • 協定世界時との時差:UTC-7
  • 日本時間との時差:JST-16

現在(夏時間)の日本とサンフランシスコとの時差は、16時間です。日本の方が、16時間進んでいます。
まず、このことをよく覚えておいてください。このツイッターの時差表示は、コアなツイッターユーザーの間では、常識になっています。

参考(夏時間)

  • 今回のサマータイムの開始日時:2019年3月10日(日)2時0分 PST
  • 今回のサマータイムの終了日時:2019年11月3日(日)2時0分 PDT
  • 次回のサマータイムの開始日時:2020年3月8日(日)2時0分 PST

 

高橋洋一さんのツイート 10月15日11時57分(日本標準時)

森ゆうこ参院議員「質問漏えい」騒動で、問題の森ゆうこ議員の予算委員会での質問は、10月15日の午前に行われました。

今回の記事は、この森ゆうこ議員の質疑で使用された「特区ビジネスコンサル社の図」が、ポイントです。

その、森ゆうこ議員の参議院予算委員会の質疑の直後にツイートされた嘉悦大学教授の高橋洋一さんのツイートがあります。

「森議員の質問の最後に、特区ビジネスコンサル社の図の中でオレも書かれている。」とツイートされています。

ツイート時間は、日本時間の2019年10月15日午前11時57分です。

この「特区ビジネスコンサル社の図」というのは、おそらく約2年前の2017年8月頃にネットに出回っていたこの図のことでしょう。

2017年当時、ネットで憶測による中傷記事が流されていたので、高橋洋一さんもこの図を何度か眼にされたことでしょう。同じ図を見れば、すぐにピンとくるはずです。この図はネットで検索すれば、すぐに見つけることができます。

繰り返します。高橋洋一さんが「森議員の質問の最後に、特区ビジネスコンサル社の図の中でオレも書かれている」とツイートされているのは、森ゆうこ議員の質問の後、2019年10月15日午前11時57分です。



野党の資料 10月14日19時57分(サンフランシスコ・太平洋夏時間)

10月24日に「第10回 国家戦略特区利権隠ぺい疑惑 野党合同ヒアリング」が開かれました。

この「野党合同ヒアリング」の配布資料を、立憲民主党の石垣のりこ参院議員の後援会アカウントが公開しています。

20191024 第10回 国家戦略特区利権隠ぺい…同ヒアリング配布資料

この野党が作成したと思われる配布資料は9枚組のPDFで、その2枚めに、高橋洋一さんの日本時間の2019年10月15日11時57分のツイートが添付されています。

ところが、野党合同ヒアリングが資料として作成した高橋洋一さんのこのツイートは、何の説明もないまま16時間前のサンフランシスコの太平洋夏時間の2019年10月14日19時57分が使用されています。

配布資料としてツイートを添付するのであれば、当然、日本時間であるのか、サンフランシスコ時間であるのかを明記しなければ、見る人に誤解を与えてしまいます。

配布資料

2019年10月14日19時57分になっています。

 

拡大

※2019年10月15日午前11時57分(日本時間)と16時間差

国会議員の方が作成されて国会で配布されている正式な資料ですので、作成者にツイッターの時差表示について知識がないとは考えられません。

なぜ、「野党合同ヒアリング」は、何の説明もなくサンフランシスコの太平洋夏時間の 2019年10月14日午後19時57分を使用しているのでしょうか?

その目的は何でしょうか?

これでは、10月15日の森ゆうこ議員の質疑を見た直後の11時57分にされた高橋洋一さんのツイートが、まるで前日の10月14日の19時57分にされたかのように錯覚してしまいます。

これは、どういうことでしょうか?



漏えい判明なら「責任取る」と北村大臣

10月23日、衆議院の内閣委員会で無所属の今井雅人衆院議員の質問に答えて、北村地方創生担当大臣は内閣府から漏えいした事実はないとしたうえで、漏えいしていた場合は責任を取る考えを示しました。

 

高橋洋一さんが見たという「図」についての質疑

北村地方創生担当大臣が、「内閣府から漏えいしていた場合は責任を取る」と発言した、10月23日の衆議院内閣委員会の今井雅人議員の質疑を文字起こししてみます。

今井雅人議員は、高橋洋一さんが見たとする「図」について、北村大臣に厳しく質問しています。

読んでみるとわかると思いますが、今井雅人議員と北村大臣の質疑は噛み合っていません。

概要は次のとおりです。

  1. (今井雅人議員の質問)高橋洋一さんが「森議員の質問の最後の特区ビジネスコンサル社の図の中で俺も書かれている」と、発言しているが、その図は事前に国家戦略特区ワーキンググループの原英史座長代理には渡していない。
  2. となると原さん以外の人から貰ったと考えるしかない。
  3. なぜ高橋洋一さんは、森ゆうこ議員の質疑が始まる前に、この図のことを知っていたのか? と質問。
  4. 北村大臣は「内閣府からは通告内容が漏えいした事実はない」「責任問題が生じたときには責任取ります」と答えた。

 

質疑文字起こし

北村国務大臣「お答えします。事務方から高橋洋一氏に確認したところ、14日朝の虎ノ門ニュースにおいて通告書を見たと述べているのは、11日の晩にアップされていた森議員の Twitter に質問項目があるのを見たことに基づき、言及したものであるということであります。さらに虎ノ門ニュースの発言の情報源は原氏からの連絡と森議員のツイートだけで、松井氏の Twitter は特に関係なく通告書も受け取っていない、ということであったということであります。なお松井氏の Twitter にある件につきましては、内閣府として特段に承知している事実ではない報告を事務方から受けております。以上です」 

今井雅人議員「松井さんの件は何も聞いてないんですけど、なんか勝手に答弁をされて、なんか不思議な感じがしましたが。えーとですね、資料を最初の4枚を見て頂きますと、これが実は、原さんに内閣府が送ったメールとその添付してあるものです。その4枚。それいただきました。それでですね、高橋さんはまずその森さんのTwitterを見て想像したとおっしゃってますが。私も見ました。えーと、文字がいくつか書いてありましたけども。箇条書きにはなっていませんでした。それと追加の質問のところはアップされていません。ですから Twitter を見た限りでは、追加が来たということはわかりません。わからないです。そこに齟齬があります。それから二つ目ですけども、こうもおっしゃってます。森議員の質問の最後に特区ビジネスコンサル社の図の中で俺も書かれていると。不思議ですね、原さんに送られた4枚の中には、そんな図はどこにもありません。どこにもありません。その図と思われしきものはですね、森議員が質問の際に出した資料の中にあると思います。これは事前には原さんにも渡してないはずです。しかし、なぜ高橋さんは質疑が始まる前に、この図のことを知っていらっしゃったんでしょうか?

北村国務大臣「お答えします。番組内容や高橋洋一氏の番組内での発言について、政府としてはコメントする立場にない、とお答えをさせていただきます」

今井雅人議員「役所からもらったとおっしゃってるんですよ。内閣府からもらったとおっしゃっていて。今ですね、その事実関係を確認してもらいたいということで、皆さん高橋さんにちゃんとヒアリングされたじゃないですか。ですから、そのヒアリングされた内容が、その信用できるものというふうに、内閣府は考えていらっしゃるんですかっていう事をお伺いしてるんです。どちらですか。その内容は十分に信頼できるものであるというふうに評価しておられますか」

北村国務大臣「ご対応させていただきます。重ねての答弁で大変恐縮でありますが、政府としては番組内容や高橋洋一氏の番組内での発言について、コメントをする立場にはないというお答えであります」

今井雅人議員「私はそういうことを申し上げてるんじゃないですよ。大臣、もう一度申し上げますけども。高橋さんは役所の人からもらったと言っておりますが、後ほど説明を変えておられまして。実は原さんからもらったんだということを言ってます。で、箇条書きのものは、そんなの原さんには。実はこれらの質問全部送っているのは皆さん見て分かっていただけると思いますが。これは高橋さんには見せていないとおっしゃってます。であるとすると高橋さんは別のところで見た、としか考えられません。それは一体どこかということなんですけども。高橋さんはそれを森ゆうこさんの Twitter で見たという風におっしゃってます。しかし Twitter の中身を見ると、追加があったというようなものを確認できるものがありません。ですから Twitter を見ただけではそれは分からない。さらに申し上げれば、この政府の関係者あるいは院の人間以外は知るよしもない、質問の資料その内容についても事前に言及されておられます。で、それは原さんも知らないはずです。となると原さん以外の人から貰ったと考えるしかありません。それをちょっと確認したいんです」

北村国務大臣「お答えします。高橋洋一氏に確認をいたしましたところ、原氏からは電話とメールで連絡をもらっているけれども、その際、添付ファイル、質問用紙は受け取っていない。また番組中、役所から来たとした高橋氏の発言は、原氏からのメールを指すものであり、他のいかなるものからも通告について連絡をもらっていない、とのことでありました。情報を入手した日について、12日土曜日かも、と言ったのは、その日は金曜日に大阪に留まっていた。台風のために土曜日も連泊となり、金曜日だったか土曜日だったかわからなかったため、再度確認したが金曜日の夜であった、ということであり。さらに通告書を見た、と番組で述べているのも、森議員の Twitter に質問項目があるのを見たことなど、 Twitter の情報に基づき、14日朝の虎ノ門ニュースにおいて本件について言及したとのことでありました。以上です」

今井雅人議員「官房長官に政府全体の状況についてお伺いしようと思いましたけど、ちょっとあのすいません。時間が参りましたのでご退席を頂きましたので、続けたいと思います。えーと、あの大臣、今のお話は私の質問に対して答えていただいてないですね。原さんの説明をそのまま信用するとしたら、矛盾があるということを、いま申し上げているんです。追加で質問が来たということは高橋さんの説明では説明がつきません。原さんはこの項目を見せていないとおっしゃっていますから、とすれば高橋さんは別の方から見たとしか考えられません。森ゆうこさんのTwitterでも、追加のものは確認できませんので、それはわかるはずがありません。それからこの図ですね、この図は原さんすら持っていないはずのものです。それを見たとおっしゃってるんです。だから、説明が矛盾してらっしゃるんじゃないですかと。でそのことに対して大臣はどういうふうに評価されますか、ということをお伺いしているんです」 

北村国務大臣「お答えさせていただきます。私は矛盾するところを感じません。(ヤジ:今井議員「感じない?」)ただいままで答弁した通り、正しい答弁を、いささか不十分なところは、不行き届きなところはあったかもしれませんが、答弁はさせていただいたものと思います。以上です」

今井雅人議員「じゃあ、もう一度質問しますが、この図は一体どこから出たんでしょうかね。それは私は調査をすべきだと思うんですけども。少なくとも高橋さんはそのことを言及しておられないんだから。今の段階では高橋さん説明は不十分なんですよ。だからそこをちゃんとやっぱり、自分の省からは出ていないということを、大臣として調査しなければいけないと思うんですけど、いかがですか?」

北村国務大臣「お答えします。番組内容や高橋洋一氏の番組内での発言について、政府としてコメントする立場にない、ということお答えします」

今井雅人議員「面白いですね(笑う)。今まで散々コメントをしておきながら、これからはしないですか? 今だって高橋さんに聞いたら、こうお答えになってたって答弁されてたじゃないですか。それは答弁されてて、今は何ですか? ちょっとこう答えにくいことがあると、お答えする立場にないとおっしゃるんですか? 今までずっとその答弁を続けてこられたんだから、もう一回、答えてください」

北村国務大臣「お答えします。委員と色々やり取りがあって、ここまで貴重な時間を使って、委員としては不十分な答えであるというご認識かもしれませんが、私としては精一杯調査をした上で、事務方の説明等々も十分胸において、お答えをさせていただいたことでありますので、重ねて今、最後に答弁を申し上げたことで、おまとめいただきたいというふうに思います。以上です」

(ヤジ:今井議員「いまの答弁になってない。いまの答弁になってないすよ」)

今井雅人議員「謎かけのような答弁で(笑う)。答弁なってないと思うんで、ちょっともう一回お答えいただきたいんですけど。経産省としては、中からも流出したことは絶対にないと、言い切れますか? で、もし、すいません間違えました。失礼しました。内閣府から情報が漏れたということはないと、断言していただけますか? で、もし後日そういうのが出てくるということであれば、これはもう大臣の責任問題になると思いますけれども、いかがですか

北村国務大臣「大変重要な、お尋ねを重ねていただいておりますが、重ねて申し上げれば、本件について内閣府から通告内容が漏えいした事実はない、ということを確認しておりますから、責任問題が生じたときには責任取ります。以上です」

今井雅人議員「珍しく明快な答弁いただきました。ありがとうございます。(以下略)」

(衆議院 2019年10月23日 内閣委員会)

 

この23日の質疑において、たしかに、北村大臣は、今井雅人議員の質問には答えていません。

この質疑だけでは、今井雅人議員が言っている高橋洋一さんの「図を見た」が、何を指すのかが明確ではありません。

しかし、もしも高橋洋一さんの「図を見た」が、10月24日に石垣のりこ参院議員の後援会アカウントが公開したPDF資料にある高橋洋一さんのツイートのことであるならば、すべての謎は解決してしまいます。

そう、「サンフランシスコの太平洋夏時間」を使用した時差トリックであることが疑われるのです。

高橋洋一さんのツイートは、森ゆうこ議員の質問の前ではなくて、質問の後だったという単純な話です。

そうだとすれば、この時差トリックに北村大臣も気がついていないのではないでしょうか。



時差トリック疑惑

この高橋洋一さんの日本時間10月15日午前11時57分のツイートに対して、森ゆうこさんも、「なぜ、前日(14日)に私が資料として使うって分かったのか。高橋洋一氏は、やっぱり預言者?透視能力をお持ち?霊能者?エスパー?」とツイートされているようです。

これは何を意味するのでしょうか?

何か巧妙な仕掛けすら感じるのですが、気のせいでしょうか?

 

加筆 図解

わかりやすい表にしてくださった方がいたので加筆します。

※スマートフォンの場合は、スマートフォンじたいが日本時間に自動的に同期しているので、そのままではログアウトしても同じ現象が起こらないこともあります。設定のタイムゾーンを変更すれば海外時間になります。



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