森ゆうこ議員がFNNの平井文夫さんを「悪質なデマ」と主張しているので文字起こしして比較してみました…すると驚きの新事実が

森ゆうこ参院議員が、FNNの平井文夫さんのコラムに噛み付いています。

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「平井文夫氏の記事は悪質なデマ」だ

「避難所でワインを出せ」などと、私は一言も言ってない

このFNNの平井文夫さんのコラム記事に対して、

国民民主党の森ゆうこ議員が噛み付いて、「避難所でワインを出せ」などと私は一言も言っていない、「平井文夫氏の記事は悪質なデマ」だとまで断言しています。

平井文夫さんの記事は、このように書いています。

台風被害を受けて国会ではどんな議論が行われるのか期待して昨日の参院予算委の議論を聞いた。

驚いたことに国民民主の森裕子議員が「イタリアの避難所ではワインが出る。だから日本も抜本的に変えましょう」と安倍首相に繰り返し迫っている。日本の避難所でも酒を出せということなのだろうか。この人何言ってるのだろう。

森さんは二階幹事長の「まずまず」発言と予算委開催についての批判、さらにホームレスの人が台東区の避難所に入れなかったことをなぜか安倍さんに文句を言い、台風に関してはそれでおしまいである。

国民が本当に恐れたこと

今回の台風で国民を恐怖に陥れたのは、こんなにも簡単に川が氾濫するのか、ということだと思う。ダムや堤防は悪であるという一時流行した風潮がもしかしたら間違っていたのではないか、という疑問である。そして温暖化の影響で台風が強大化するなら今後台風のたびに我々は怯えなければいけないのか。そのあたりを知りたいのだ。(避難所でワインを出せ? 国民を災害からどう守るか議論しない国会に幻滅した より)

 

森ゆうこ議員が、「悪質なデマ」だとしている平井文夫さんの引用は次の部分です。

驚いたことに国民民主の森裕子議員が「イタリアの避難所ではワインが出る。だから日本も抜本的に変えましょう」と安倍首相に繰り返し迫っている。日本の避難所でも酒を出せということなのだろうか。この人何言ってるのだろう。

(避難所でワインを出せ? 国民を災害からどう守るか議論しない国会に幻滅した より)



森ゆうこ議員の質疑 文字起こし

10月15日の参議院予算委員会、森ゆうこ議員の避難所の質問部分を文字起こししてみました。

比較して平井文夫さんの引用が捏造なのか確認してみます。

比べてみましょう。

森ゆうこ議員「いやまだ確認してないっての、ほんと信じられないんですけども。災害救助法の原則は平等、必要対応、現在地救助、現物給付、そして職権救助。これ法律事項なんですよ。所管の担当大臣でしょう。こういう原則を踏まえないで、これ明らかにおかしいですよ今回のホームレスを受け入れ拒否は。これからなんですかぁ。まったくなってないなって思います。それで、えっと、今ねまさに避難所で暮らしていらっしゃる方がいるの。これテレビを見てる方もいらっしゃると思うので。本当に日本のこの避難所、被災者支援、遅れてるなあというふうに思います。イタリアの避難所に被災後、真っ先に届く三つのものとは。パネル配布資料見ていただきたいと思います。イタリアの避難生活についてはどのようにご認識ですか?」

安倍総理「ただいま森議員が質問されたようにですね。イタリアの災害対応は質が高いという指摘があることは承知をして、政府として承知をしております。その中でも近年ですね。政府においても、被災地のニーズや自治体の対応状況を確認しながら、避難所等に対して段ボールベッドやクーラー等のプッシュ型支援を行うなど、避難所の生活環境の改善に取り組んでおります。また例えばですね、普段の努力が必要でございますので、自衛隊の船舶や民間の船舶を活用した医療機能を補完するための実証訓練を現地で実証しているところでございます 」

森ゆうこ議員「あのもう、これだけね災害が続く。えー、南海トラフ、その大規模な首都直下もそうですけど、地震もあのいつかは起きるという風に予報されてるわけですから。もう抜本的に変えませんか。いつまでたっても体育館の硬い床の上にゴザをひいて、そんなところに避難者を置いておくって。イタリアでこれだけやってんですよ。見てください。まず最初にキッチンカーが着くんですよ。で1000人ぐらいの食事提供して、だんだん豪華になって最後はフルコースに近づく。そして、ワインまで出る。いや、ストレスがたまらないように。だからこれだけのベッドですよベッド。そして室内の避難でもテントを張る。でこれだけやってるから、あの災害関連死が少ないんです。トイレも見てください、本当に綺麗でしょ。こういうきちっとした対応をすると、災害関連死が非常に少なくなる。総理、もーねこれ政治の力でなきゃ出来ないんですよ。もう抜本的に対応を変えるという風にお答えいただけませんか

ヤジ(森ゆうこ)「原則も知らないのに何答えるんだ」

武田防災担当大臣「あのー、いただきました資料拝見させてきまして、イタリアのこの対応の早さ、そしてまた機能等について参考に出来るとこは取り入れていくべきだと、私も思っております。まあ、あの、いい加減にいろんなものを変えていくべきだと、ご指摘ありましたけども。とにかく災害があるたび、そこで得た教訓、不断の見直しを繰り返していかなくてはならないわけでありまして。我々は今、避難所におられる多くの皆様方からどういったものが足りないか、どういったお気持ちか、皆様方はこうした経験をもとに、何を我々に一番求めるかということを細かくですね、まずお聞きして、そして次の災害に備えて行く準備をいたしておるところであります」

安倍総理「あの、先程もお答えをさせていただいたわけでございますが。我々もですね、出来る限りですね、避難者の皆さんのですね、この生活状況を改善していくため事前の準備等についてですね、しっかりと対応していきたいと考えてます」

森ゆうこ議員「そんな、曖昧な答弁ではなくて、これ日本の方がイタリアよりも経済大国ですよ。それでイタリアもさほどその人口が少ないわけでもない。イタリアにできることが何で日本で、よしこういうふうにやろうと、目指そうと、そういう風に言っていただけないんでしょうか。それを聞きたいんですよ総理に。それが予算委員会なんですよ」

ヤジ(森ゆうこ)「そういう大方針の転換を聞いているのに、(大臣の答弁は)いらないよ」

武田防災担当大臣「様々なご意見、そして教訓というものをもとに、常なる改善策を図って参りたいと、このように思ってます」

安倍総理「私は先ほど答弁したとおりでございます」

森ゆうこ議員「いやー、こういうね。方針の転換、これぐらいのレベルまで上げていこうと、いうことを政治家トップが決めなければ進みませんよ。予算の使い方なんだから。トランプさんに頼まれて兵器を爆買いしてる場合じゃないんですよ。(ヤジ:それと比べるな)いや、国民を守るって意味では同じですよ。ということで、政治の力って、私、大きいと思います。あの中越、新潟県中越沖地震、これを契機に被災者生活再建支援法、議員立法ですが大きく改正されました。財務省がそれまで断固拒否していた、私有財産に公金入れるのは駄目だということを、これを突破をして、これが一つ。もう一つは直前に起きた新潟県中越沖地震、これに遡って適用する遡及適用、これは最後まで財務省の抵抗があり、はっきり言って新潟県の自民党の先生方が協力してくれませんでした全く。でも最後の最後、これで与野党で協議をして、えー、応援して下さったのが赤羽国土交通大臣。そして末松信介参議院議員、自民党の。本当に感謝申し上げます。そのおかげでどれだけ救われたか。そしてそのおかげでどれだけ、また東日本大震災などの被災者が救われているか。だから政治の力大きいんですよ。だから総理からね、そのイタリアは家の住宅の再建なんかも、国が責任を持ってどんどん推し進めると、それから災害、災害対応を専門にする役所があります。防災庁とかね。そういう、名前ちょっと違うんですけども。そういうふうに組織の改編も含め、被災者支援対策、災害対策をもう本当に根本から見直しましょうと。病院船の建設も含めですね。そういうことを総理の口からもう1回、しっかりと答弁をしていただきたいと思いますので、総理是非よろしくお願いします」

安倍総理「災害が大型化し、そしてまたその災害によってはですね、避難所での生活が長くなるという可能性も出ている中においてですね、我々どう対応していくかと。不断の見直しと努力が大切なんだろうと。これまでもですね、相当、ま体育館の中においてもですね、出来る限り、プライバシーを守り、また段ボールベッド等の対応を行っているところでございますが、これからも努力を重ねていきたいと思います」

森ゆうこ議員「はい。なんかちょっと残念なんですが。それであの地元からもですね、新潟も、信濃川そして阿賀野川どちらも氾濫をしておりまして、あの災害の質問もとても大切なんですが。一方さまざまな問題が山積をいたしておりまして。えー、そういう意味で次の質問に移らせていただきたいと思います。障害者政策の充実について伺います(以下略)」

(2019年10月15日の参議院予算委員会)

 

過不足なく引用しているのに、デマ?

平井文夫さんの引用は、過不足なく森ゆうこ議員の発言を引用しています。

何が悪質なデマなのでしょうか?

 

森ゆうこ議員の質問の組み立てとしては、「イタリアでは避難所での待遇が充実している、日本も抜本的に変えましょう」と安倍総理に迫っている主旨のように思えます。

その中で「イタリアの避難所ではワインが出る。」という話も出てきます。

 

平井文夫さんの主張は「避難所に入れてあげた方がいい。ただその前にまず川が氾濫しないようにするのが政治家の仕事」というもので、森ゆうこ議員の発言を正確に引用した上で、自分の記事を展開したにすぎません。

 

森ゆうこ議員の避難所の待遇の話とはすれ違いですが、だからといって、平井文夫さんを「悪質なデマ」呼ばわりするのもおかしな話です。

引用は正確なのですから、コラム記事は「言論の自由」の範囲の正当なものでしょう。



「解説委員を解職するべきだ」とリツイートを使って報道機関に圧力

それなのに、「フジテレビは森議員と視聴者に陳謝の上、解説委員を解職するべきだ。」などというツイートをリツイートして、報道機関に圧力をかけるのですから、ブロックされても仕方がないでしょう。

 

驚きの新事実、森ゆうこ議員が質問で触れなかったことを発見

この記事を書いていて、あれこれ調べたところ、森ゆうこ議員のイタリアの避難所の話は、どうやら2018年6月のこのブログが出典らしいことがわかりました。

この記事の内容、そのままです。

イタリアの避難所に被災後真っ先に届く3つのものとは | 危機管理最前線 from リスク対策.com | ダイヤモンド・オンライン

たしかにこの記事に、フルコースやワインを提供するキッチンカーの話が出てくるのですが、記事の後半にこのような記述があります。

ところで、民間ボランティアのキッチンカー、テントなどの機材は、国からの支給品もありますが、自前で持っているという民間ボランティア団体も結構あるそうです。例えば、これ。

当然、搬送訓練もされています。それだけではなく重機まで民間ボランティアが持っていたりします。

宮定氏がお聞きした、とある民間ボランティア団体では、実にキッチンカー4台、ヘリコプター2機、救急車25台、自動車整備も自前でしているとか!スケールが違いますね。で、国から支給された機材は災害救助時に限定されているけれど、自前のものは自由に活用できるのですって。

日常で救急車の出動もあるし、キッチンカーを使って失業者への炊き出しも行なっています。それだけでなく、ボランティアという崇高な事業が持続可能なものとして継続できるように、結婚式の食事のケータリングサービスもされて収入を得られているということです。(イタリアの避難所に被災後真っ先に届く3つのものとは より)

 

イタリアの、フルコースやワインを提供するキッチンカーというのは、国が主にやっているのではなくて、ボランティア団体が独立して事業として成立しているんですね。

なぜか、ボランティア団体がやっているということは、森ゆうこ議員の15日の質疑では触れられていません。

 

「日本でも災害ボランティアをどう充実させるか」というテーマで議論するのならわかりますが、イタリアのボランティア団体のキッチンカーとワインの話をとつぜん持ち出して、避難所の待遇改善を安倍総理に迫るのも、やはり的外れなような気がして仕方がありませんでした。



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