ジュゴンの死因はエイのとげ
今年3月に、沖縄・今帰仁村(なきじんそん)の沖合で死骸で見つかった絶滅危惧種の海獣ジュゴンの死因について、エイのとげが腹腔(ふくくう)内に刺さり、腸管が裂傷して死んだ可能性が高いとする解剖結果が7月29日に発表されました。
沖縄近海に生息するオグロオトメエイのとげ(長さ約23センチ)が体内から見つかり、体の表面から刺さり、腹腔(ふくくう)内が傷つけられ、腸管の内容物が漏れ出すなど、状態が悪化したことによって死亡したものとされています。明らかな骨折や外傷などは見つからず、「野生では偶発的に起こり得る事案だ」とのことです。
船舶と衝突して死んだ可能性は「極めて低い」と結論付けられ、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設工事との関連性は見つかりませんでした。
鳩山由紀夫元総理は「辺野古の埋め立てで死んだ」と主張
このジュゴンの死因について、当時「辺野古の埋め立て」と関係があると断定して、国内外に発信していたのが鳩山由紀夫 元総理です。
鳩山由紀夫 元総理は2019年3月20日に、ツイッターで、
「ジュゴンが死んでしまいました。」「辺野古の埋め立てで遂に死んでしまいました。人間のエゴで生き物を殺すのは止めにしようではありませんか」
と、辺野古の埋め立て工事との関連性を断定してつぶやき、これがバズっていました。
天然記念物で絶滅危惧種のジュゴンが死んでしまいました。先日、鳥羽の水族館で食欲旺盛なジュゴンを見たばかりでした。その時、辺野古には餌がなくなっているのではないかと心配したのです。辺野古の埋め立てで遂に死んでしまいました。人間のエゴで生き物を殺すのは止めにしようではありませんか pic.twitter.com/PDEKj2OI1Y
— 鳩山由紀夫 (@hatoyamayukio) 2019年3月20日
この鳩山由紀夫 元総理のツイートは、辺野古反対派の多くの人たちに影響を与え、絶滅危惧種の海獣ジュゴンを殺したという安倍政権への不信感を増長させたであろうと推測できます。
まさに、元総理大臣によるSNS発信フェイクと言えるでしょう。
「エイのとげが死因のジュゴンが、辺野古の埋め立てで死んだ」という元総理のSNSフェイク https://t.co/Hr66ukNYiC
— 以下略ちゃん™ (@ikaryakuchan) 2019年7月31日
根拠もなく、思い込みでジュゴンを政治利用しようとするから、結果としてフェイクニュースの発信源となってしまうわけです。
8月1日午後1時現在、鳩山由紀夫 元総理はあいかわらず次のような政権批判ツイートを続けていますが、
和田春樹先生が中心になり、日本政府の韓国に対する半導体製造に不可欠な品目の輸出規制に反対する署名活動が開始されている。徴用工問題への嫌がらせと言えないものだから、安全保障上の理由としているが、それは韓国を敵と見ていることになる。敵を作って攻撃して支持率を上げる、政権の末期症状だ。
— 鳩山由紀夫 (@hatoyamayukio) 2019年7月30日
このジュゴンの死因についての謝罪、訂正などのツイートは行われていないようです。