2019年7月7日の千葉・船橋駅南口での安倍総理の応援演説。安倍総理が「民主党の枝野さん」と間違い連発した、と朝日新聞は言うのですが……。
発端
7月7日夜、朝日新聞官邸クラブさんが、
7日は街頭に立った6ヶ所全部で同じ「言い間違い」がありました。 首相「民主党の枝野さん」間違い連発 演説の定番に?
と、ツイートしました。
7日は街頭に立った6ヶ所全部で同じ「言い間違い」がありました。
首相「民主党の枝野さん」間違い連発 演説の定番に?:朝日新聞デジタル https://t.co/k0ZY5Oj2Iz
— 朝日新聞官邸クラブ (@asahi_kantei) 2019年7月7日
ファクトチェック
7日は街頭に立った6ヶ所全部で同じ「言い間違い」がありました。 首相「民主党の枝野さん」間違い連発。
と朝日新聞さんが言っていますが、怪しいので、当ブログで7月7日の安倍総理の応援演説の動画を探しました。
7日の船橋駅南口での、安倍総理の応援演説の動画が見つかり、その全文を文字起こししてみました。
それがこの記事です。
フェイク「「民主党の枝野さん」と連発していた。」
実際「民主党の、あ、すいません民主党でなくて立憲民主党ですね。
どんどん政党が変わるからわからなくなってしまいます。
この立憲民主党の枝野さんは党首討論で…」https://t.co/I3gTzKaTKG pic.twitter.com/KpY8FixbRg— 以下略ちゃん™ (@ikaryakuchan) 2019年7月9日
他の演説会場すべてはチェックしていませんが、少なくとも7日の船橋駅南口での応援演説では、朝日新聞のいう「民主党の枝野さん」という発言ではありませんでした。
船橋駅南口での応援演説は、「民主党の、あ、すいません民主党でなくて立憲民主党ですね。どんどん政党が変わるからわからなくなってしまいます。この立憲民主党の枝野さんは党首討論で…」というものでした。
街頭に立った6ヶ所全部で同じ「言い間違い」がありました。
とする朝日新聞さんのツイートには疑義があります。
立憲民主党の枝野代表が安倍総理を批判
朝日新聞の記事を元に、立憲民主党の枝野さんが「選挙妨害」だと批判します。
「民主党の枝野さん」。街頭演説で言い間違えを繰り返した安倍首相を、立憲民主党の枝野幸男代表が「選挙妨害」と批判しました。https://t.co/2VsZqoGlQu
— 毎日新聞 政治プレミア (@seijipremier) 2019年7月9日
攻撃
朝日新聞の記事を元に立憲民主党の議員や支持者らが安倍総理を攻撃します。
首相「民主党の枝野さん」間違い連発 演説の定番に?:朝日新聞デジタル https://t.co/vbay1DfRPa 低劣な知性です。意図して語るのはこの国の政治の最高責任者です。これまでにこんな首相はいたでしょうか。恥ずかしいことです。
— 有田芳生 (@aritayoshifu) 2019年7月7日
安倍総理が反論「怒るなら党名変えるな」
共同通信が「首相、立憲の選挙妨害批判に反論「怒るなら党名変えるな」」という記事を配信します。
記事にある安倍総理の発言とタイトルの印象が微妙に違っていて、意図的に反感を買うように付けられたタイトルだと個人的には感じます。
この記事を元に、ふたたび多くの人が安倍総理を批判します。
開き直る首相。少しは自分の行動を省みてはどうか。
6年半も政権の座にいたら、これほどに驕り高ぶってしまうものなのだろうか。
首相、立憲の選挙妨害批判に反論 「怒るなら党名変えるな」 | 2019/7/9 – 共同通信 https://t.co/CwZWmlBwEm
— 諏訪原 健 (@swa_swa_swatch) 2019年7月9日
安倍晋三首相は9日、立憲民主党の枝野幸男代表の所属政党を言い間違えた自らの発言について、枝野氏から「一種の選挙妨害だ」と批判を受けたことに反論した。香川県坂出市での街頭演説で「毎回(党名が)変わると間違えてしまう。そんなに怒るんだったら、何年も同じ党名で頑張ってもらいたい」と述べた。首相は6、7両日の演説で「民主党の枝野さん」と連発していた。
旧民主党政権で幹事長などを務めた枝野氏は、2016年7月の前回参院選当時は旧民進党に所属。17年10月の衆院選を前に立民を設立した。
枝野氏は8日に「誤解されると別の党への投票になる」と不快感を示していた。(共同通信)
「立憲民主党」公式ツイッターが安倍総理批判
共同通信の記事を元に、「立憲民主党」公式ツイッターが、「常識的に考えて、失礼です。」と批判します。
公党の名称を何度も間違えて笑いを誘い、こちらが批判すると「党名を変えるな」と開き直る。常識的に考えて、失礼です。新しい時代は、お互いきちんとしたやり方で有権者に訴えましょう。令和時代の新しいリーダーは、時代錯誤な嫌がらせはしない、フェアなリーダーであることを願います。
— 立憲民主党(りっけん) (@CDP2017) 2019年7月9日
立憲民主党の略称は「民主党」だったことが見つかる
ところが、「立憲民主党」(2017年10月に結成)、その時の届け出の略称は「民主党」だったことが発覚します。
立憲民主党幹事長の福山哲郎さんの「略称:民主党」ツイートもありました。
明日は、天候が悪くても、投票所に足を運んでいただき、ぜひ各地の立憲民主党の候補者への投票をよろしくお願いします。
重ねて、比例区は、【立憲民主党】(略称:民主党)とよろしくお願いします。
12日間、本当にありがとうございました。 pic.twitter.com/f1bTRvVxk2— 福山哲郎・立憲民主党(りっけん) (@fuku_tetsu) 2017年10月21日
つまり、「民主党」は昔の政党名ではなくて、「立憲民主党」の正式な略称だったわけです。
「立憲民主党の略称は民主党です」のツイートが発掘される | 以下略ちゃんの逆襲 ツイッターGOGO https://t.co/iivQjiOjbc
を投稿しました。— 以下略ちゃん™ (@ikaryakuchan) 2019年7月9日
枝野さん?これでも安倍総理の発言が「選挙妨害」ですか?自分たちの分裂や名称変更の果てに「民主党」を名乗らなくなった、だけのこと。ひとのせいにするなよ? pic.twitter.com/VKHtSOH1xj
— ピクシー (日本人で良かった) (@pixie10ole) 2019年7月10日
前回の衆議院選挙時には「立憲民主党」は略称「民主党」だったものを、「民主党」の黒歴史を連想しないようにするためなのか、最近になって略称「民主党」を略称「りっけん」に変えたようです。
「安倍総理が、過去の政党名と間違えた」という最初の朝日新聞の主張じたいがひっくり返ってしまいました。
「民主党」は、「過去の政党名と間違えた」のではなくて、「少し前の略称を言ってしまった」だけだということになります。
証拠の隠蔽
「立憲民主党」公式ツイッターに、多くの人から、略称「民主党」だったではないか、と指摘が寄せられると、「立憲民主党」公式ツイッターは信じられない行動に出ます。
なんと、政党の公式ツイッターなのに、7月9日の夜になって、こっそりと過去の略称「民主党」ツイートをすべて削除して隠蔽したのです。
これは2017年衆院選のときのですね、たしかにややこしくなるのでツイ消ししたほうがいいかもしれません💦ご指摘ありがとうございます!
— 立憲民主党(りっけん) (@CDP2017) 2019年7月9日
上のツイートは、ひとりのユーザーに向けてだけつぶやかれているものです。すべてのユーザーへの説明ではありません。
個人のツイッターではなく、党の公式ツイッターなのですから、不都合があるからと言って、過去のツイートをこっそり削除するのはおかしな話です。
検証可能なように、きちんと過去の発言も残して、訂正のツイートを追加すべきです。
略称は「民主党」です。という複数の過去のツイートを見て錯覚した人たちを陥れて、悪人にする意図があるとしか思えない行動です。
党の公式ツイッターとして、おそまつすぎる対応ではないでしょうか?
お納めください
(過去ツイート消しましたね?) pic.twitter.com/xgOr4Or6IB
— ヒゲノマダオ㌠ (@HigenoMadao) 2019年7月10日
※2019年夏の参議院選挙では「民主党」と書くと、「国民民主党」の票になります。
あー、紛らわしい。混乱するのは誰のせいでしょうね。
おまけ
立憲民主党結党会見で枝野氏自身が、ニコニコ動画さんの『略称は?』の質問に『略称は民主党、と言う事で考えております』とお答えされているのですが、やっぱりナイチョ(内調)にした方が良いですか?🤤#立憲民主党#内調 https://t.co/RuwNW3zkM6 pic.twitter.com/QdjKnO3vUv
— まや(内調の方から来ました) (@maya1537) 2019年7月9日