峰なゆかさんが「クリムト展」で車椅子の人に殴られた本当の理由がようやくわかった

漫画家の峰なゆか さんが「クリムト展」で車椅子の男性に殴られたという話題が6月15日にありました。

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「絵を見てたら、急に車椅子に乗った男に殴られた」



東京都美術館は混んでいる

ちょうど以下略ちゃんも、東京都美術館で開催中のクリムト展に行こうか考えていたときだったので、興味のある話題でした。

いつも人でいっぱいの東京都美術館の館内の様子が浮かびましたが、なぜ車椅子に乗った人が殴りかかってくるのか、状況がわかりませんでした。

 

6月17日のJ-CASTニュースを読み返してみて、そのトラブルの経緯が理解できました。



男性は、峰さんを複数回にわたって手で払った

 美術館の広報担当者は6月17日、J-CASTニュースの取材に当時の状況を説明した。

防犯カメラを確認したところ、絵画を鑑賞する車イスの男性の前に峰さんが立っている形になり、これに対し、男性は、峰さんを複数回にわたって手で払っていた。会話の音声については、取れていないという。

峰さんは、すぐにスタッフのところへ行き、「手で3、4回はたかれた」と訴えた。この場面を見ていたスタッフはいなかったという。スタッフが「ケガありませんか?」と聞くと、峰さんは、「大丈夫です」と答えた。男性はその後、場所を離れたため、峰さんやスタッフと話すことはなかった。

(「車イスの男性から殴られた」 漫画家ツイートで都美術館が謝罪 J-CASTニュース)

絵画を鑑賞する車イスの男性の前に峰さんが立っている形になり、これに対し、男性は、峰さんを複数回にわたって手で払っていた。という状況だったようです。

 

車椅子に乗っていると目の高さは低くなります。また車椅子で作品に傷を付けてしまうとまずいので、一般客よりも展示されている作品から離れた場所で鑑賞しがちなのかもしれません。

必然的に作品と車椅子の間にスペースができてしまいます。そのスペースに別の人が入ってしまったら…。

6月15日は土曜日でした。週末の東京都美術館は特に混んでいる事が多いです。展示の作品と車椅子の間に、運悪く女性とはいえ立っている人が入り込んでしまったら、車椅子の人からは絵画は見えにくくなってしまいます。

そこで、この車椅子の人が峰なゆかさんを、どかそうとして手で払ってしまったのですね。

問題は、車椅子の男性が「グー」で払ったのか、「パー」で払ったのかという違いということになるのでしょう。

「グー」ならば「男に殴られた」なのでしょうが、「パー」だったのなら「殴られた」というほどのこともないのかな、と思います。

「グー」だったのか「パー」だったのか、その情報は、いまのところ見つかっていません。

 

以前、東京都美術館のムンク展に行ったときも、とても混雑していました。メインの「叫び」の前は特に人が集中していて、以下略ちゃんは絵画を鑑賞する人たちの頭越しに後ろから見ただけでした。

そのとき、車椅子の方もいました。その車椅子の方は、付き添いのご家族の方と一緒でした。車椅子の方の前に立ちふさがらないように、ちょっとだけ注意しながら展示室を回遊したような記憶があります。

 

思うに、今回の「クリムト展」の車椅子の方はおひとりで鑑賞に来られたのでしょう。

車椅子の方はおひとりだと、周囲に気をつけてくれる介助人がいないので、混雑した展覧会では、絵画が見えにくいということは十分予想できます。

別の観客も、館内が暗いので車椅子には気が付きにくい。

偶然、峰なゆか さんがそんな状況に出くわしてしまった、そのような事件だったのではないでしょうか。

 

そう考えると「常連のお客様で頻繁にトラブルを起こす方」という説明も、静かな館内で「見えない!」というような声を出していただけなのかもしれません。

なかなか難しい問題だと、あらためて考え直しました。



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