(「叫び」と「夏の夜、人魚」)
東京・上野の東京都美術館で開催中の「ムンク展」を見てきました。
2週間前にも出かけたのですが、その日は運の悪いことに鶯谷駅の坂の手前で自転車の後輪がパンクしてしまい、そのまま徒歩で自転車屋さんを探す旅になって、上野公園にはたどり着けずにすり減ってパンクした自転車の後輪を4900円で交換しただけの一日でした。
紅葉がきれいな上野公園と東京都美術館
ふたたび上野公園に向かったのは11月の最終日。12月は高校生の入場料金が無料になるので混むのではないかと思い、その前に出かけたのでした。
上野公園は紅葉がきれいでした。
東京都美術館のロビーはいつも混んでいます。「ムンク展」の入り口には、複数のモニターによるムンクの絵のアニメーションが展示されています。モニターの絵は溶けるように別の絵に変化していきます。
オスロ市立ムンク美術館から101の作品
「ムンク展」は、
- ムンクとは誰か
- 家族─死と喪失
- 夏の夜─孤独と憂鬱
- 魂の叫び─不安と絶望
- 接吻、吸血鬼、マドンナ
- 男と女─愛、嫉妬、別れ
- 肖像画
- 躍動する風景
- 画家の晩年
の9つのテーマ別に、合計101の作品が展示されています。
すべてオスロ市立ムンク美術館が所蔵しているものです。ノルウェーに行かなくてもこれだけの作品を一同に見ることができる機会はなかなかないと思います。
以下略ちゃんの見どころ
「ムンク展」を見ていて参考になったのは、月の海面での映り方の絵画技法です。
この描き方です。ムンクの絵でたびたび登場します。
単純なのですが、印象的でわかりやすい。
海に映る月や夕日を描くことがあったら、真似をしてみようと思いました。
やっぱり「叫び」
「叫び」の展示だけは、行列用にパーティションポールが設置してあって、並ばないと近くで見ることはできません。すごい行列です。
少し離れた場所からなら並ばないで見ることができましたので、行列には並ばずに遠巻きに見学しました。以下略ちゃんは行列が嫌いなのです。
「叫び」は、83.5cm×66cmと大きめな作品なので、それでも十分、堪能することができます。
「叫び」は橋の上ではない
ところで、「叫び」のモデルの場所ですが、「叫び」の場所は実在します。
最初見た時は、橋の上からの風景かと思っていました。ただ、橋にしては向こう側が海に向かっているようで違和感はありました。
現存している「叫び」の場所は、橋でなくて、片側が崖の山道でした。
昔の写真がこちら。
2014年撮影のストリートビューだとこうなります。
橋の上ではなくて、Uの字になっている山道です。現在は道路も舗装されて整備されています。
『叫び』の場所は、当時からフィヨルドを望むことができる絶景ポイントだったようです。
主治医「ダニエル・ヤコブソン」の肖像画と悪魔の影
肖像画では、1909年の「ダニエル・ヤコブソン」の肖像画が印象的です。
神経衰弱を病んだ時に主治医を描いた作品で、「キリスト教で悪魔との関連性を示す馬の蹄の影が左足に描かれている。」との説明があります。
主治医を悪魔の使いと感じたのか、悪魔の神経衰弱と戦う医師と感じたのか。
いろいろと空想が広がり、作品に奥行きを感じます。
ムンク展記念撮影コーナー
撮影は一番最後の場所にある記念撮影コーナーだけ可能です。
お土産グッズは盛りだくさん
ミュージアムショップのお土産グッズの種類も豊富でした。
他の展覧会に比べて趣向を凝らした商品が多いように感じました。楽しい商品が多く、多くの人がたくさんのグッズを購入していました。
ムーチョの叫びなどという箱が並んでいて、一瞬、何かと思いました。カラムーチョとすっぱムーチョです。
30cmほどの叫びの風船人形がほしかったのですが、時間がたてば部屋のゴミとなってしまうだけですので、諦めて、150円のポストカード「叫び」と「夏の夜、人魚」を購入しました。
正直、以下略ちゃんはいろいろな展覧会を見に行きますが、だいたいはメインの作品以外は飽きて、ざっと見て回ることが多いです。ところが、今回の「ムンク展」は内容が充実していて、見ごたえがある展覧会でした。
今年見た展覧会のなかで一番おもしろかったです。
特に12月は、大人1600円、高校生800円のところ、なぜか高校生だけは無料らしいので、ぜひ高校生の方は「ムンク展」を見に行ってみてください。おすすめです。
ムンク展 2018年10月27日(土)~2019年1月20日(日) 東京都美術館