(画像は茅ヶ崎駅)
朴壽南(パク・スナム」監督の「沈黙ー立ち上がる慰安婦」の上映を神奈川県茅ヶ崎市が「後援」することについて、「日本政府の見解とは異なる政治的主張が含まれているので中立性を欠いているのではないか」との多数の抗議が寄せられていた問題で、新たな展開がありました。
茅ヶ崎市後援名義とは
茅ヶ崎市後援名義とは、法人その他の団体が主催する博覧会、展示会、講演会、記念式その他の行事に対し、事業等の趣旨に賛同し、市が経費の負担をせず、茅ヶ崎市の名前により援助することをいいます。(茅ヶ崎市後援名義使用関係の申請書より)
「後援」とは、市が趣旨に賛同し、推薦するというようなものらしいです。
自民党茅ヶ崎市議団が市に抗議
茅ヶ崎市議会議員の柾木太郎さんが、「立ち上がる慰安婦上映会」を茅ヶ崎市が後援決定したことについて、自由民主党茅ヶ崎市議団として抗議したとツイートしています。
立ち上がる慰安婦上映会を、茅ヶ崎市が後援した事は政治的中立逸脱で不適切と判断し映画を後援したことに自由民主党茅ヶ崎市議団として抗議した。後援取り消しは要綱から逸脱してない為、法的に不可能との事だが、要綱の見直し、社会的に配慮不足を認め、後日謝罪を含めたコメントを出すと約束した。 pic.twitter.com/OadSnFLfIx
— 柾木 太郎 (@TAROMASAKI) 2018年10月15日
市はお詫びの予定
以下は、柾木太郎市議の公式ブログからの引用です。
映画の上映は主義主張・言論の自由だから問題はありません。
しかし、地元選出の河野大臣が日韓関係で大いに努力されている最中に、沈黙と言う従軍慰安婦を題材とした韓国映画でサブタイトルが『日本が要求に応じない限り韓国へ帰りません』の内容に茅ヶ崎市と市教育委員会が後援する事は他方自治体の中立に反する事で不適切と考えます。
本日、会派として正式に行政側に抗議を行いました。
行政側からは、名義貸し後援についての要綱が甘かった為、世間をお騒がせした事は、大変に申し訳ないと反省しているとのお話がありました。
また、後援の取り消しについて検討を行ったのでしょうか?に対しては、弁護士に相談したが、現行の要綱から逸脱している事が無い為、一度認めた案件を取り消しは困難である旨の説明を受けた。
今後の対応としては、チェック機能が脆弱なを要綱を早急に改め2度とこの様な事が無い様にすると同時に、社会的に配慮不足であり結果として世間をお騒がせした事をお詫び申し上げる予定であるとの説明がなされました。
ネットの映画関係者書き込みでは、自民党市議団が本日、市と市教育委員会に後援の取り消しに動いたてとんでもないとのコメントがありましたが、かなり以前から多くの茅ケ崎市民から苦情の電話が殺到しており、その事を真摯に受け止めた行政の対応であり、行政の対応には公平に行われた事を確認すると同時に如何なものか?との意見交換は行われておりました。
故服部市長も、担当決済後に状況を知り不機嫌だったそうです・・・映画の上映では無く、後援の妥当性についてであります。
この様な案件については、公平を大事にしていた政治家ですから、不機嫌となるのは理解する処です。
僕達は、映画主催者への攻撃は行っていないのですが、主催者側は自民党市議団の横暴と攻撃を行っています・・・・お互い主義主張が違うのでありますから、攻撃しても寂しいだけであります。
色々な人々が色々な考え方を持っている訳ですから、自分と同じ考え方で無いから悪者と言うのも何だかと思うこの頃であります。民主主義の世界ですからねー。
また、映画の協力団体についても、後から書き加えられたとの事ですから、名義貸し後援のチェツクが機械的に行われていた結果であります。
様々な心情やボリシーが存在する中で、行政の中立性が担保されないと、物議となる事を身を持って感じていると拝察いたしました。
「日韓合意」と違う
一番の問題は、この慰安婦ドキュメンタリーの主張が、国交正常化(日韓基本条約締結)50周年に当たる2015年の12月末に、日韓両国政府が慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的に解決させること」で合意した「日韓合意」と違っている点です。日本はすでに10億円を支払い済みです。
その政府見解と異なる解釈のドキュメンタリーを、茅ヶ崎市が「後援」するということはおかしな話です。
自由民主党茅ヶ崎市議団が抗議するのも当然の話です。
リテラのストローマン論法
この茅ヶ崎市の「後援」を問題視する動きに対して、いつものリテラがストローマン論法で、「グロテスクな歴史修正運動」などと話をすり替えて批判記事にしています。
映画の「後援」を問題にしているだけで、「上映中止」などは求めていないのに、「映画の禁止」などと書いて対立を扇動しています。
茅ヶ崎市での慰安婦ドキュメンタリー上映に抗議したのはあの“慰安婦像を蹴った”極右団体! 産経も抗議を扇動 https://t.co/0rlrSdQEGJ
— litera (@litera_web) 2018年10月13日
いずれにしても、連中のいつものグロテスクな歴史修正運動のやり口には呆れるが、その運動の背景をひた隠しにして、あたかも一般市民が〈中立・公平であるべき行政が後援することを問題視〉したかのような産経新聞の報道は、極めて悪質であり、看過できるものではない。
そのうえで言うが、そもそも「政府見解」と異なる映画が禁止されるとすれば、まさしくそれは北朝鮮や中国のような「表現の自由」のない状況を自ら求めているということになる。
(中略)
こうした安倍首相の存在が、グロテスクな歴史修正主義をばら撒き、表現の自由を殺そうとする連中を勢いづけていることは言うまでもないだろう。茅ヶ崎市と市教育委員会は、このような卑劣な圧力に決して屈してはならない。(リテラ 2018.10.13)
歪められた内容に基づいて反論するという、リテラのグロテスクなストローマン論法記事ですね。
的外れな記事。産経は抗議を煽動しているわけではない。茅ヶ崎市が賛否の分かれる政治的な映画に後援するのがおかしいと言っている。「安倍万歳」的な映画であっても後援すべきではない。 https://t.co/OTk3vOPZAn @litera_webから
— 清P (@naokiyoshima) 2018年10月13日