検証してみました
立憲民主党の有田芳生 参院議員が8月14日に、枝野幸男さんの内閣不信任案趣旨説明演説について、次のようにツイートしました。
議員によっては過剰に使われる「しっかりと」という言葉はほとんどなく、首相が好きな言語破壊、意味不明の「いわば」もありません。
活字になってまとまって読むと、これは現代日本政治の格好のテキストだとわかります。頭のなかが整理されていないとこうした演説はできるものではありません。議員によっては過剰に使われる「しっかりと」という言葉はほとんどなく、首相が好きな言語破壊、意味不明の「いわば」もありません。
— 有田芳生 (@aritayoshifu) 2018年8月13日
「しっかりと」という言葉はほとんどなく
「いわば」もありません
本当でしょうか?
実際、どうなのか枝野幸男さんの演説を検証してみました。
「しっかりと」は15回確認
検証の結果、「しっかりと」は15回、発言を確認できました。
- だからこそ、災害などの緊急時においては、前例主義にとらわれず、政治責任を持つ政治家がしっかりと役割を果たしていく体制が求められています。
- そもそも、近代労働法制というのはどこから始まったのか。それは、一日八時間労働が原則であるという、その原則を法定し、しっかりと守らせる、これこそが、労働法制の世界における、近代社会としての大前提であります。
- 高度プロフェッショナル制度は、さまざまな言い方をしていますが、この近代国家においては大前提である、労働者の労働時間はしっかりと把握、管理し、一日八時間労働が原則である、八時間を労働に、八時間を睡眠に、そして残り八時間をそれぞれの自由な時間に、これこそが人間らしく生きるための最低限のベースであるというのが近代社会の大前提である、この制度の外側に置く労働者をつくるというのが、この高度プロフェッショナル制度の本質であります。
- しかも、労働時間管理自体を、従来の労働と違って、しっかりとした管理をしないという仕組みになっています。
- 行政の内部におけるいきさつはいろいろあるのかもしれませんが、総理自身が、裁量労働制や高度プロフェッショナル制度などの、いわゆる残業代を残業時間に応じて支払うというわけではない制度を導入するに当たって、この誤ったデータを引用して正当化する発言をしていた以上は、この法案の前提の事実が事実でなかったということでありますから、当然のことながら、今度は正しいデータをとり、そのデータをしっかりと分析した上で議論をし直すのが当たり前のことじゃないですか。
- それぞれの地方において、地域の社会と経済を支えているのは一次産業に従事する皆さんです。その人たちの比率はかなり低下をしている地域はあるかもしれませんが、しかし、基幹となる産業として一次産業がしっかりと回っていく、そこで仕事をしている人たちが地域の中心を担って、あるいは消費を促していく中心を担っていく、こうしたことが必要な地域が日本じゅうの圧倒的に広い面積を占めているというふうに思っています。
- 先ほど申しましたとおり、私は、明治維新以前の、西欧近代文明が入ってくるより前からの日本の歴史と伝統の中には、再評価すべきもの、しっかりと引き継ぎ、それを現代社会に合わせて応用をして生かすべきものが多々あると思っています。
- 私は、現時点で、この文書が本物だったと言うつもりはありません。しかし、政府みずから積極的に調査をして、真実を明らかにする必要があります。巻きを入れた事実があったのかなかったのか、しっかりと調査をすべきでありますが、その調査すら放棄をして開き直っている姿勢は、到底許しがたいものがあります。
- 私たちは、全貌解明に至るまで追及を続けることをここで申し上げるとともに、与党の皆さんに対しては、国会は、明後日、通常国会は再延長はありませんので閉会をしますが、臨時国会を開き、あるいは、臨時国会を開かなくても閉会中審査でも、幾らでも、先ほど申し上げました関係者を、国会に来て説明をしていただくことはできますので、ぜひ、しっかりと国民の信頼を取り戻す、本気でうみを出し切る姿勢を示していただきたいと、この場をかりて強く求めておきたいと思います。
- あらかじめ、いっときの多数決では変えてはいけないこと、いっときの多数決をもってもやってはいけない理不尽なこと、それが何なのかを決めて、こういう理不尽なことはやってはいけませんよという枠の中でしっかりと熟議をして、情報を公開して、少数意見も、それは政治ですから、建前としては、それは今さら賛成とは言えないよね、でも、ここまで議論をして、これだけ情報開示をして、理不尽でないならば、意見は違うけれども仕方がないね、これが本来の真っ当な民主主義の姿である。その手続をこの国会で全く踏んでいない上に、安倍政権は立憲主義そのものの破壊工作を今も進めています。
- 例えば、この議場で我が党から非常に品格の高い反対討論をしていただきましたが、十八歳成人については、審議については協力をいたしました。しかしながら、対応、しっかりとした手当てが不十分だということで反対をいたしましたが、審議には一定の協力をいたしましたし、あるいは、相続法の改正などについても、明確な反対の姿勢を示しましたが、審議にも協力をいたしました。
- 多くの皆さんが、いわゆる大本営発表が、第二次世界大戦に至るプロセスの中で、あるいは第二次世界大戦を通じて、結果的にいかに日本の国益を損なったのかということについては、これは立場を超えて共有していただけると思うんですが、まさに大本営発表という大きな過ちをした我が国は、こうしたことに陥らないようにしっかりとした情報の管理と公開を進めていかなければならない、そのことを通じて文民統制を機能させなければならないことは当然のことであります。
- 一般の国民の皆さんからいろいろな御批判を受けることについては、それは与野党を超えて、我々の役割、仕事として、それをしっかりと真摯に受けとめる姿勢が必要だと思いますが、現職の幹部自衛官がそのことを表明しながら、国会議員に対して国民の敵だとの暴言を吐いた、これは文民統制の観点から許されることではありません。
- 実力組織については、まずは内閣が、そして議院内閣制であるこの議会がしっかりとコントロールする、それこそが本来のシビリアンコントロールであります。
- 厚生労働省という点では、私はこれが深刻な問題だと思っていますが、東京労働局長が記者会見の場で取材記者に対し、皆さんの会社に行って是正勧告をしてもいいんだけどと発言し、十二日後に、局長職は更迭されましたが、軽い処分で済んでいます。報道機関の皆さんの労働条件というものの実態も、しっかりと各種労働法制を守ってやっていただきたい。厳しい状況であることも知らないわけではありませんが、公権力が恣意的な運用を公言したんです。考えられない不祥事です。
2時間43分の演説で15回は、多いのか少ないのかは、よくわかりません。
しかし、「ほとんどない」とは「ほぼゼロの状態」のことですから、15回は「ほとんどなく」には当たらないような気がします。どうなんでしょうか?
「しっかりと」という言葉がほとんどないのは、もしかすると有田芳生さんの「読み方」かもしれませんね。
「いわば」もありません?⇨ありました
首相が好きな言語破壊、意味不明の「いわば」もありません。…ともツイートしています。
なぜ、安倍総理と比較するのかよくわかりませんが、枝野幸男さんの動画をチェックしてみましたが、「いわば」も発言しているようです。
「いわば」 pic.twitter.com/yCHrTz5zIS
— 以下略ちゃん™ (@ikaryakuchan) 2018年8月16日
高度プロフェッショナル制度は、いわば定額働かせ放題と言える制度です。働かせる側に有利な労働法改悪であり、過労死を促進する結果になるでしょう。
以上、事実のみのご報告です。
個人的な感想についてはコメントしません。
第196回国会の議事録で無料で読めるのに、
どうしてわざわざそんな本を買わなくてはいけないの?https://t.co/k0iltUoCtc pic.twitter.com/2DzKpIzYMV— 以下略ちゃん™ (@ikaryakuchan) 2018年8月16日