メディアがよく使うトリックに「チェリーピッキング」があります。
チェリーピッキング (英: cherry picking) とは、数多くの事例の中から自らの論証に有利な事例のみを並べ立てることで、命題を論証しようとする論理上の誤謬(ごびゅう)、あるいは詭弁術、とされています。
例えば、「杉田水脈は政治家に向かない」ということを印象づけるために、「市民への対応が冷酷だ」という例だけを取り上げて、長所には触れずに記事にする手法です。
浮かび上がってきた「中核派の保母さん」
杉田水脈さんの新潮45に掲載された、朝日新聞批判特集のLGBTに関しての記事表現についての批判が続いています。
ついに一部マスコミは杉田水脈さんの西宮市役所勤務時代の出来事についてまでバッシングを始めたようです。
まずは今週号のアエラ。当ブログは営業妨害を目的としていません。どんどんアエラを買ってくださいね。
「保育所に勤めていた女性(61)」の主張
アエラ8月6日号の、「子育て支援係長だった」という杉田水脈バッシング記事の中で次のような文章が出てきます。
西宮市役所時代の杉田氏には、こんな話がある。当時、子育て支援グループの係長を務めていた。だが、彼女の市民への対応は、あまりに心ないものだった。05年西宮市社会保障審議会、保育所の民営化について議論した際の出来事だ。
当時保育所に勤めていた元職員の女性(61)は、13年経った現在も怒りで声を震わせる。
「市民の意見を聞く終盤になり、小さな子供連れの若い母親が発言していたときです。杉田さんは『早くしてください、時間です!』と大声で激しく遮った。一般の人だから、よどみなく話すというわけにはいかない。あまりに気の毒でした」
当事者たちにとって切実なテーマに、子連れで駆けつけた人も少なくなかった。識者のほか、保育関係者や保護者で会場はいっぱい、立ち見もいた。参加者たちは高圧的な物言いにざわついた。
「『一生懸命しゃべっているんですから聞いてくださいよ』」と言う人も、集会後に『市民に対してあの態度はない』と怒っていた関係者もいました」(女性)
女性の仲間からも「ひどい」と声があがった。すると、杉田氏から睨みつけられたという。
「市民に高圧的にあたる人が、どんな政治家になるのかと疑問に思っていたんです」(同)
(アエラ8月6日号 p.77)
アエラの記事のこの部分は、「保育所に勤めていた女性(61)」の話だけで書かれていることがわかります。
いかにも杉田水脈さんがひどい市役所職員で、政治家として才能がないように書かれています。しかし、内容を吟味してみると、「時間を過ぎてもだらだらと話をしていた市民に注意をした」という内容しか読み取れず、主観的で一方的な記事のようにしか見えません。
典型的な「チェリーピッキング」です。
「保育所に勤めていた女性(61)」とは、いったい誰でしょうか?
「市民と取っ組み合いになりそうになった」元同僚の主張
市民とのやり取りについての話は、8月3日の神戸新聞の杉田水脈バッシング記事にも出てきます。
神戸新聞は次のように書いています。
杉田氏は1992年に同市に入庁。18年間、政策や子育て関連の部署に所属した。政治家として過激な言動で注目される姿に、元同僚らは「騒動の片りんは市職員時代からあった」と口をそろえる。「攻撃的な発言をして、市民と取っ組み合いになりそうになったこともある」という。(神戸新聞NEXT 2018.8.3)
元同僚という人物を登場させ、「市民と取っ組み合いになりそうになったこともある」と主張しています。
「市民」とありますが、どのような場面で「取っ組み合いになりそうになった」のかは書かれていません。
誰との、どういう場面での出来事でしょうか?
はすみとしこさんのツイート
杉田水脈係長(当時)の「プロ市民との掴み合い(未遂)騒動」の真相。タレコミメッセあり。匿名希望さんなので、ワードに変換してキャプチャ。
威力に負けず職務を全うした杉田係長は尊い!https://t.co/FTPvQizuJl pic.twitter.com/eLBzfa7dUV— はすみ としこ (@hasumi29430098) 2018年8月3日
これが正しいとすれば、
保育所の民営化を議論する健康福祉委員会で、全国から集まった抗議団体が傍聴席に集結。
禁止されていたヤジを飛ばしていた中核派の人間を、西宮市役所職員だった杉田さんがヤジをやめるように注意した所、委員会後に抗議団体が杉田水脈さんを取り囲んで恫喝。
そこへ抗議団体に忖度をする上司が仲裁に入り、共産党系の労組トップから「あれは中核派だから相手にするな」と杉田さんが言われたというお話のようです。
アエラの記事と神戸新聞の記事と同じ場面のようにも見えますが、視点を変えれば、見方が180度、違って見えるものですね。
「チェリーピッキング」の語義は、サクランボの熟した果実を熟していないものから選別することで、「つまみ食い」の意味です。
マスコミの杉田水脈バッシング記事がまさにそれで、「チェリーピッキング」とはよく言ったものですね。
報道特注 中核派の保母さんと韓国徴用工像
生コン疑惑、中核派保母さん、左翼の実態暴露
https://youtu.be/sffyEovgypQ?t=1m57s
文字書き起こし(途中から)
杉田水脈「最近ちょっと、確かに中核派系の労働組合の動きが関西では非常に活発化しておりまして。これ私が勤めていた(兵庫県の)西宮の話なんですけれども、関西合同労働組合 というのがあるんですね。これも中核派系の労働組合なんですけれども、この労働組合、日本の労働組合なんですが、支部長さんが在日韓国人の許 用皓(ホ ヨンホ)さんという方で。この方と3人の組合員が、今逮捕されちゃったんです。今年に入って、最近。で、これをさっきの山城さんじゃないですけど「不当逮捕だ!」「共謀罪の先取りだ!」とか言って西宮の警察署の周りでデモをやったりとか、法務局の前でデモをやったりとかを繰り返していて。そこで配られていたチラシをいろいろ入手して分析をしていくと。許(ホ)さんと、もう一人ね、山本さんという方の獄中からのアピールというのが裏面に載っているんですけれど、この山本美知子さんという人、私知ってるんです。私が勤めていた西宮市役所の正規(職員)の保母さんだったんです」
生田よしかつ「へー、で、なんで逮捕されたの? 」
杉田水脈「いまは定年退職しているそうです、確認したら。定年まで勤め上げたんですねこの保母さん。でも中核派の保母さんで有名だったんで」
生田よしかつ「中核派の保母さん!? おっかねぇ~ 」
杉田水脈「いっぱい居ますよ。保育所の民営化をやるとなったら、全国から中核派が集まって来て。それに対して私がいろいろやってるっていうので、私すごいその頃から、『なぜ私は左翼と戦うのか』というこの本の中に公務員時代の事を書いているんですけど。
そういうふうなのがいっぱい集まってくるんですよね。
で、この人、中核派の保母さんだけど、保護者とか子供の評判は非常に良いの。すごい、なついてるの子どもたちも。でも朝、市役所の前で『橋下行革許せない!』『橋下殺せ!』というビラ撒いてるの、この保母さんが」生田よしかつ「何それ? 」
杉田水脈「何それ?でしょ。この人がね、不法侵入で逮捕されてるんですよ。獄中から何を書いているかというと、
私たち三人の戦いは韓国民主労働組合総連盟(民主労総)のハン・サンギュン委員長と……と書いてあるんですけど。
この民主労総というのは、今度新しく慰安婦像の次に、強制徴用の(軍艦島)徴用工像を建てようとしている団体なんですよ。京都の『丹波マンガン記念館』という所に、まだ韓国にも建ってないのに日本に1つだけあるんですけど。私それ取材に行ったんですけど。そこにもこの韓国の民主労総ってちゃんと刻印されているんですよね。
ハン・サンギュン委員長ともう一人、星野文明さんと赤い糸で繋がっています。いっさいは団結です。獄中からサランヘヨ
と書いてあるんですけど」
杉田水脈さんの話を聞いていると、保育園の民営化騒動のときに全国から集まった中核派の抗議団体とのエピソードは、むしろ武勇伝のように聞こえます。
切り口によって、物事の見え方というものはガラリと変わるものです。
中核派の人たちの視点に立っていると思われる朝日新聞アエラ、神戸新聞の記事と、どちらが正しいのかを判断できるだけの材料を持ち合わせていませんので、どちらを信じるかは、読者の自由です。
ただ、マスコミが使うトリックに「チェリーピッキング」という手法があることだけは、常に注意をしておきましょう。
神戸新聞の記事によれば、山本美知子さんは中核派らしい
昨年2017年5月12日の神戸新聞も、中核派の活動家3人逮捕という記事を書いているようです。
中核派の活動家3人、建造物侵入疑いで逮捕 西宮 神戸新聞NEXT 5/12(金) 21:14配信
労働運動名目で会社の敷地に無断で入ったとして、兵庫県警公安3課と西宮署などは12日、建造物侵入の疑いで、関西合同労働組合阪神支部長で韓国籍の許用皓容疑者(78)=西宮市甲子園口=ら3人を逮捕した。
3人の逮捕容疑は3月7日午後4時半ごろ、「春闘統一要求」を掲げて西宮市内の運送会社の敷地に無断で侵入した疑い。
許容疑者は「正当な労組活動」などと容疑を否認している。
県警によると、3人は中核派の活動家。
許容疑者はかつて勤めていた同社で雇用をめぐりトラブルとなり、3人は2012年に裁判所から会社への立ち入り禁止命令が出されていた。 (神戸新聞NEXT 2017.5.12 )
週刊『前進』
週刊『前進』も、このとき逮捕されたのは、許支部長、山本美知子さん、多賀一実さんの3人だとしています。
週刊『前進』は、「中核派」の出版社・公然事務所である前進社が発行しています。