日本語読解能力欠如、時系列無視
落下傘よりおっかさん?
新潟県知事選挙は6月10日投開票です。
新潟県知事選挙の池田ちかこ候補の応援をSNSで発信している人が、#落下傘よりおっかさん というフレーズを使って、対立候補の花角英世(はなずみひでよ)さんを、「落下傘候補」で新潟のことをぜんぜん知らない人と言うネガティブキャンペーンを行っています。
6/10 #新潟県知事選
池田ちかこ さん応援バナー
作ってくださったものを
繋げています(連ツイ)落下傘よりおっかさん
PRの参考に公約・政策
➡ https://t.co/hwVUohY9ta #池田ちかこ pic.twitter.com/5cB9kSiXZS— 信州長野勝手連 (@NaganoGX) 2018年6月9日
落下傘候補とは、その地域に地縁や血縁のない人
落下傘候補とは、「その地域に地縁や血縁のない人が立候補すること」です。
現在、その地域に住んでいない人、のことではありません。
ウィキペディアには、次のような概説も書かれています。
知らない土地から突如舞い降りてくるという落下傘(パラシュート)のようなイメージからこの名が付けられた。
(中略)
ヘゲモニー政党制を採用する共産主義の国会においては、候補者は党中央の指名によって決まるため、選挙区に土着している必要がないので、全候補者が落下傘的に選挙区を割り当てられることがある。特に朝鮮民主主義人民共和国の最高人民会議では、選挙区がすべて数字で表記される上に、番号の付与も地続きではなく、詳細な立候補先選挙区も全て朝鮮労働党中央委員会によって恣意的に決まるため、最高幹部が毎回違う地域、選挙区番号で立候補し、信任投票することも多い。
一党独裁の共産党政権などで、地縁血縁のない落下傘候補が多いと書かれています。面白いですね。
花角英世さんの経歴
花角英世さんは、1958年(昭和33年)5月、新潟県佐渡生まれ。
1977年(昭和52年)、新潟県の高校偏差値ランキングで1位の、新潟高校を卒業。
東京大学法学部を卒業後、運輸省(現国土交通省)に入省しています。
官僚ですから、短期間であちこち転勤したものと思われ、2011年8月から2012年9月までは大阪航空局長もしていたようです。
2013年(平成25年)4月、泉田裕彦新潟県知事の時代に、新潟県副知事に就任しています。
2015年(平成27年)9月、海上保安庁次長になっています。
新潟生まれで新潟県副知事がどうして「落下傘候補」?
花角英世さんは、新潟県生まれで、少なくとも高校卒業までは18年間、新潟県に住んでいたわけです。
その上、新潟県の副知事も経験しています。
「その地域に地縁や血縁のない人」という「落下傘候補」の定義には該当しません。
実家や親戚、知人は、新潟県にたくさんいるでしょうし、副知事経験者なのですから新潟県の実務にも詳しいはずです。
これがどうして「落下傘候補」なのでしょうか?
正しい日本語を理解している人であれば、違和感がありすぎて「落下傘候補」という言葉は使わないと思います。
日本語読解能力に問題がある人による、ネガティブキャンペーン、フェイクなのでしょう。
池田香代子さんに、その辺の解釈について質問してみたいくらいです。
ちなみに米山隆一前知事も、新潟県生まれですが、高校は兵庫県の灘高校、大学は東京の東京大学です。2016年10月に新潟県知事になるまでは、長い期間、新潟以外で、弁護士(第一東京弁護士会)、医師として働いていました。
森友問題と関係あるかのようなフェイクも…時系列無視で
2011年8月から2012年9月まで、花角英世さんが大阪航空局長をしていたことを持ち出して、「花角英世・元大阪航空局長って、森友の、ど真ん中じゃん!」と騒いでいる人もいるようです。
花角英世さんさんが大阪航空局長をしていたのは、籠池さんが土地取得を考える前です。
森友学園が最初に豊中市の土地の取得を要望、籠池さんより鴻池事務所に相談したのが2013年9月です。
しかも、森友学園へ売却前の所有は国土交通省で大阪航空局が管理していましたが、土地売却の担当は近畿財務局です。
花角英世さんと、森友問題はまったく関係がありません。
詳しいことを知らない人を騙そうとするネガティブキャンペーンはやめたほうがいいと思います。