自由党の森ゆうこ参議院議員、4月17日の参議院農水委員会
北大教授に同意を求めようとして論破されてしまう
世界に冠たるライフサイエンスの教育研究拠点にBSL3施設は必須なのに、加計学園にはできていない?
自由党の森ゆうこさんが、「世界に冠たるライフサイエンスの教育研究拠点にBSL3施設は必須」と主張して、「加計獣医学部にはBSL3施設が出来ていない」のは問題だというようなことを、しつこく国会で問題視しています。
これははっきり言って、森ゆうこさんによる風評被害デマに近いものです。
どこがデマなのか、解説してみたいと思います。
世界に冠たるライフサイエンスの教育研究拠点にBSL3施設は必須だと主張する森ゆうこさん
2018年3月22日 参議院 農林水産委員会
森ゆうこさんは、開学直前の3月22日の農水委員会でも、「世界に冠たるライフサイエンスの教育研究拠点と言ってるからには、BSL施設は必須だ」という独自の主張を展開していました。
開学に当たり加計学園にBSL施設ができていないのは問題だ、と言いたいようです。(注:実際には施設は出来ている)
森ゆうこ「(加計学園の)BSL施設なんですが、申請または相談はありましたか?」
厚生労働省吉永審議官「感染症法に基づきます病原菌の保持につきましては、その病原菌を保持するタイミングで、許可の申請があがってくるという手続きになっております。現時点におきまして、加計学園からそのような相談、あるいは許可申請というものは来ていない状況でございます」
(中略)
森ゆうこ「いよいよ開学なんですよ。世界に冠たるライフサイエンスの教育研究拠点と言ってるからには、BSL施設は必須なんですよ。いまだに何の相談も行われていない。それについて私は、確認するようにお願いしたんですよね。まだ、ということで残念でございます。まだまだ、続きますので、よく確認しておいて頂きたいと思います。」
ポイント
- 厚労省の審議官は、病原菌の保持の許可と言っている。
- 森ゆうこさんは、BSL施設は必須と言い換えている。
動画 1分50秒から
森ゆうこさんは英文科卒
ちなみに、森ゆうこさんは、ウィキペディアによれば、「新潟大学法文学部(現:人文学部)英文科卒業。大学在学中よりディスカウントストアチェーン創業に参画し、子育てをしながら英語塾を経営する。」というご経歴だそうです。
「最低でもBSL3の施設が必要なのに加計獣医学部にはできていない」
2018年4月17日 参議院 農林水産委員会
森ゆうこさんは、4月17日の農水委員会でも、「世界に冠たるライフサイエンスの研究教育拠点であるからには、最低でもBSL3の施設が必要なのに加計獣医学部にはできていない」と、BSL3施設が完成していないと主張して、このことを問題視して追及をしています。
4月17日の農水委員会は、全国大学獣医学関係代表者協議会会長の稲葉睦・北大獣医学部教授を参考人に招いて質疑を行っています。
質疑概略
- 森ゆうこ: まだ加計学園にBSL3施設がない。BSL3施設は必要になった時に作れるものでしょうか?
- 北大教授: は? 作れますけど。BSL3施設と、研究の話は別です。
森ゆうこ「世界に冠たるライフサイエンスの研究教育拠点。北大でもできない、東大でもできない、北里でもできない、そういう医学部(ママ)を作るんだ、だから特別に認めたんだって、さっきからずーと言ってるんですよ。去年からずーと言ってるんですね。まったく説得力がないんですが、ただ、そのためには施設にきちっとした、そういう研究ができる施設が必要だと考えております。
バイオセーフティレベルの最低でも3という、そういう施設が必要だと思うんですが、いまだに加計学園側から、そのような施設を作るという話がぜんぜん出てこないんですけども、そんなに急に必要になったからって、ぱっと作れるようなもんなんでしょうか?」稲葉睦・北大獣医学部教授「BSL3という施設じたいについては、おそらくあの、経験等お有りの方の意見を聞きながら、作ることは可能であろうとは思いますが。それと研究の話とは別だと思いますが…」
森ゆうこ「ありがとうございます。えー、でもそういう施設さえも作っていない。そこには確かに厚労省とか農水省からも説明を受けましたけども、要はそういう人間が扱える、そういう病原菌が扱えて研究ができる、そういう人材スタッフが揃っていなければ、まず研究はできないし、それを使っ…、あの、その研究を元にしてそこで新たな獣医学教育はできないと、いうお話を専門家からうかがっておりますけれども、その点についてのご見解をお願いします」
稲葉睦・北大獣医学部教授「基本的にそのとおりだと思います。ただ、BSL3という施設があれば、世界に冠たる研究ができるかと言えば、けっしてそんなことはないということも事実であると思います」
森ゆうこさんは、加計獣医学部開学にあたって、BSL3の実験施設ユニットができていない(施設は実際には出来ている)ことに着目して、加計獣医学部はまともな研究もできない獣医学部だ、という風評被害を撒き散らして大学を潰してしまおうと考えているのではないかとも思える恣意的で主観的な質問を続けています。
英文科出身の森ゆうこさんは、理系の大学のことがまったくわかっていないようです。
開学1年目で1年生しかいない段階で学生の授業にBSL3の実験施設ユニットは必要はありません。BSL3の実験施設ユニットは学生の実習で使用するものではないからです。授業でも、BSL3の実験施設は使いません。(実際に病原菌を扱うようになった時に許可申請されるようです。)
BSL3実験ユニットは何のために計画されているのか
加計学園のBSL3施設は、獣医学部棟の5階に作られています。(施設はすでに出来上がっていて、まだ病原菌を扱う予定がないので許可申請をしていないだけという話もあります)
このBSL3施設は、獣医学教育病院に来る動物や野生動物の検体が、BSL3の病原菌の汚染されている可能性がある時に、検体からの病原菌を試験管内の実験で分離、診断するためのものとされています。
BSL3以上の施設で研究した実績のある教員8名が着任予定
それでは、BSL3施設は何のために設置が予定されているのでしょうか?
それは、加計学園には、BSL3以上の施設で研究した実績のある教員8名が着任予定であり、それらの教員が将来、実験研究に使用する予定のものです。
つまり、研究室、大学院レベルで使用する予定のものなのです。1年生だけの開学時には必ずしも必要のないものです。
それを国会でとりあげて、あたかも加計学園の研究レベルが低いかのように質問パフォーマンスを繰り返す森ゆうこさんは、ただただ悪質な風評被害デマを撒き散らしているだけのように見えてしまいます。
以下略ちゃんですら、このようなBSL3施設の設置目的に関して事実を把握できるのに、国会議員がなんでデタラメな質問を繰り返しているのでしょうか。
獣医療法と獣医師法がよくわかっていない森ゆうこさん
さらに、森ゆうこさんの勘違い質疑は続きます。
質問概略
- 森ゆうこ: 加計学園での新しいライフサイエンス分野の獣医師はだれが責任を持って、試験問題を考えたり、需給を管理したりするんですか?
- 農水大臣: 獣医療法は需給を調整するための法律ではありません。獣医師法に基づいて、一定の能力を有している人、全員に獣医師の免許を与えます。
森ゆうこ「新しいニーズなんだと、獣医療法の範疇には入っていないのだと、農水省は関係ないんだっていう先ほどの答弁、先ほどの質問、私ちょっと引っかかってんですよ。
獣医療法に基づく獣医療を提供体制の基本方針、あの、さ来年、新しい十年計画を作らなければなりません、したがって来年には調査をして、やらなければいけないんですよ。
この新しい分野、どうするんですか。
この新しい分野については対象にならないで、放ったらかしになるんですか? どうすんですか」農林水産省 池田一樹局長「獣医療法に基づきます基本方針につきましては、様々なことが定められますが。その中で需給につきましては、本日の委員会の最初に申し上げましたように、産業動物診療獣医師、小動物獣医師、公務員の家畜衛生の獣医師、こういったところの需要につきまして、見通しを、確保目標を立てるということを定めるということにしてございます」
森ゆうこ「いやいや、だから、新しい分野については、どうなるんですか。
すいません、じゃ、大臣。
獣医師の免許っていうのは、農水大臣が認可するんですよ、交付するんですよ。どうするんですか。これは誰も責任を持たない分野で。でも獣医師の国家試験は農水省が担当するんですよ。これどうするんですか。新しい分野。誰が責任を持って。
そういう新しい分野っていってるけど、われわれ(反対派議員)は認めてませんけどね。
そういう分野に対応する試験を考え、そうしてきちっと、その新しい分野の獣医師さんたちも含めて、獣医師の需給の調節をはかっていくのか。さっきからの答弁だと、大臣がいらっしゃらないところでしたけども、この新しい分野、加計学園のやる獣医学教育について、そこで排出される獣医師の新しい分野に対応する力とか、そういうものに対しては、農水省は責任を持たないと言っているんですよ。
勝手にやれと、誰が責任をもつんでしょうか?」斉藤農水大臣「まずですね、農水省は獣医師法と獣医療法について、責任を当然、有していると。そのうち獣医療法についてはですね、産業動物診療獣医師、それから家畜保険衛生所等の公務員獣医師、および小動物診療獣医師が行うですね、獣医療の提供体制の整備をこの獣医療法に基づいて行っております。
あの、ご案内のように、獣医療法はですね、その需給を調整するための法律ではありません。需給が足りないから試験をやさしくしようとか、需給が緩いから厳しくしようとか、そういう法律ではなくて。一定の能力を有しているかどうかということをですね、獣医師法では、それに基づいて免許を出したりしているということであります。
またですね、民間企業や大学等においても、研究分野で、いろいろ獣医療に従事しない方もおられるわけでありますので、そういう方については獣医療法に基づく確保目標の対象外になっていることもありまして。そういうところはですね、農林水産省としては関与をしていないということであります。
これらの獣医師がですね、獣医が従事している分野というのは獣医師の全体のだいたい約4割位ということでありますので、例えばあの屠畜場における獣医師によって行われる屠畜検査というのは厚生労働省が責任を有することになっておりますし、いま話題になっております製薬会社で創薬業務に従事する獣医師がどのくらい必要かということについてもですね。私どもが何人とか判断することはしていないということでございまして。ただあの、就業状況等の状況の把握はさせていただいているということでございます」
獣医療法とは、飼育動物の診療施設の開設及び管理に関し必要な事項並びに獣医療を提供する体制の整備のために必要な事項を定めている法律です。診療施設の開設及び管理・整備の方法などを定めているものです。
獣医師法とは、獣医師全般の職務・資格などに関して規定している法律です。
加計学園では、新しいニーズのライフサイエンス分野の科目に重点を置いて指導するとしているだけです。
ライフサイエンスの獣医師という国家試験はなくて、国家試験に合格すれば、全員同じ獣医師の免許がもらえるだけです。
ライフサイエンス分野の知識に詳しい獣医師が生まれるというだけの話です。
どうも、森ゆうこさんは、根本的に勘違いしているのではないでしょうか。
動画 17分22秒から
この人、森ゆうこさんは、獣医師、獣医学部のことも、獣医師法、獣医療法のことも、きちんと理解しないで、素人同然の知識で質疑に立っていますね。
岡山理科大獣医学部を誹謗中傷して、評判を落として潰すことだけが目的のクレーマーのようにすら感じてしまいます。
BSL3施設は使っていないだけ
以下略ちゃんさんが
わかりやすく、まとめてくれました
ありがとうございます
森ゆうこ議員は、農水委員会で
加計には、BSL3施設ができてないと
事実と違う発言をしてました
今治市の第三者委員会による
専門家の検査は済んでおり
施設を使ってないだけなんですけどねhttps://t.co/mSG00moXnB— SAKURAママ (@SAKURA7531) 2018年4月22日
※BSL施設の部屋はできてますが BSL3のための設備は9月中に入るとのことです。