ヘリ事故 毎日新聞の「捏造」と「切り取り」を発見 ❢「ツイッター上に非難の投稿があふれた」のウソ

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毎日新聞の記事「家を失った住人がネット上で罵声を浴びている」は悪意ある「偏向記事」

ツイッターを何だと思っているんでしょう?

毎日新聞は2月11日の「基地周辺、相次ぐヘリ事故 墜落被害者に暴言 想像力欠き冷酷」という記事で、次のように書いています。

家を失った住人がネット上で罵声を浴びている

 佐賀県神埼(かんざき)市での自衛隊ヘリ墜落事故で、家を失った住人がネット上で罵声を浴びている。

ツイッター上に非難の投稿があふれた

 自衛隊ヘリが墜落した際、家に一人でいた女児(11)は軽傷で奇跡的に難を逃れた。翌日、父の「許せないですよね」というコメントが新聞で報じられると、ツイッター上に非難の投稿があふれた。

<何様? 墜落して亡くなった隊員の事考えねーのかよ>

<わざと落ちた訳じゃないし、許せないの意味が分からん>

<死ななかっただけいいじゃないか>

(出典:毎日新聞2018年2月11日 東京朝刊)

これに対して以下略ちゃんは次のようにツイートしました。

 

毎日新聞の記事は、悲惨な事故の際に、ツイッターを漁って、重箱の隅をつつくように「変わった意見だけ」を探し出してきて、それをツイッターの総意のように記事にして批判してみせる手法です。

ツイッターに詳しくない読者を騙して、ネットを悪者にしてインパクトある記事に仕上げるには有効な手法でしょう。

しかし、この毎日新聞の記事の手法はフェアではないし、明らかに間違った報道です。

ツイッターは、誰でもかんたんにアカウントを作ることができます。あらゆる人が、好き放題にいろいろなことをつぶやいています。

その中には、自暴自棄になっている人や、メンヘラの人もいるでしょう。いろいろな環境の人が、それぞれ勝手気ままにつぶやいているのです。実生活で考えれば、すぐにわかるはずです。変なことを言っている人は実生活ではよく見かけます。

でも、実生活で新聞記者さんは、そうした変な人たちを取材して記事にはしないですよね。精神科の待合室に行ってコメントを拾わないですよね。

それなのに、どうしてツイッターだと、発言者がどういう人物かも確認せずに、「変わった意見だけ」を探し出してきて、出典も示さずに記事に利用するのでしょうか?

バカなんじゃないかと、思いますね。

 

「ツイッター上に非難の投稿があふれた。」は捏造

毎日新聞は、「父の「許せないですよね」というコメントが新聞で報じられると、ツイッター上に非難の投稿があふれた。」と書いています。

しかし、以下略ちゃんが調査した所、そのような「非難の投稿」があふれたような形跡はありませんでした。

※このグラフの件数は、すべて毎日新聞の引用コメントです。元のツイートの件数はここにはありません。

毎日新聞が引用したツイートは、2月11日の毎日新聞の記事以前に拡散された形跡はないのです。

それどころか毎日新聞が引用した3つのツイートを探し出すのに苦労するしまつです。

いろいろ検索して血眼になって探さなければ見つからない、そんな程度のツイートなのです。そんな程度のものを「あふれた」と書く毎日新聞の記事は、明らかに捏造です。

そもそもツイッター規約では、引用の際はツイッターAPIを利用してツイートをそのまま埋め込んで利用することになっています。ツイッターを引用するのであれば、検証に耐えるように出典を明確にすべきだと考えますが、なぜ毎日新聞は、元がわからないような形で引用しているのでしょう。

 

切り取って真意を曲げて引用

その理由は「切り取り」がバレないように、かもしれません。

毎日新聞が引用した3番目のツイートは<死ななかっただけいいじゃないか>です。

毎日新聞の記事を読むと、ヘリが落ちて家を失った住人のことを何も考えずに非難しているだけの冷酷な心無いツイートのような印象を持ちます。

ですが、毎日新聞が使ったのはツイートのほんの一部の切り取りです。

元のツイートはこれです。

許せない…ねぇ…
わからんでもないがまず死ななかっただけいいじゃないか
ヘリパイロットも最善を尽くしたんだろうし
パイロットもそりゃ住宅街に突っ込まないよう努力はしたと思うよ
許せないどうこうじゃないと思うんだけどなぁ
許せんとは思うけども
なんかなぁ

「許せんとは思うけども」と住民側の意見も尊重した上で、最善を尽くして殉職された自衛隊ヘリパイロットの無念を考えた、やるせない気持ちが伝わる深い意味のあるツイートです。

これを毎日新聞は、全体120文字の文章の「死ななかっただけいいじゃないか」の15文字だけを切り取って、真意を捻じ曲げて記事に利用しているわけです。

ツイッター投稿なら、どのように使おうとかまわないと考えているのだとしたら、毎日新聞の記者のレベルの低下が著しいですね。ツイッターを何だと思っているのでしょう?  トイレの落書きではありませんよ。ツイートには著作権は成立しませんが、発信者の所有権はあるのです。

 

不思議なのは、このツイートには記事の引用やハッシュタグがないことです。毎日新聞の記者はこれをどうやって見つけたのでしょうか?

これは推測ですが、おそらく、togetterまとめなどだけを見てこの記事を書いたのではないでしょうか。

そうしたツイートだけを集めたtogetterまとめだけを見たのなら、ツイッターにあふれていると錯覚したことも理解できます。

そうしたツイートだけを集めたtogetterまとめなら、そうした声だけがあふれているのは当然です。「それだけ」を集めた「まとめ」なのですから。

そうだとしたら、それこそバカ記者ですね。

 

誰も見ていないようなツイート

毎日新聞が引用した2番目のツイート<わざと落ちた訳じゃないし、許せないの意味が分からん>はこれです。

これも微妙に文章を変えていますね。さらに問題なのはこのアカウントのフォロワー数です。

フォロー0,フォロワー2です。このようなほとんど誰も見ていないようなツイートを記事にする意味がどこにあるのでしょうか?

「住人に罵声を浴びせている」のもウソです。このアカウントは、記事について自分のタイムラインで勝手にひとりごとのように意見をツイートしているだけです。表現の自由の範囲内のつぶやきにすぎません。。

 

「殉職された自衛隊のパイロットの方への思い」と「取材のマスコミのヘリ批判」

「は? 許せないとか何様? 墜落して亡くなった隊員の事考えねーのかよ」は、フォロワー93のアカウントの2018-02-06 03:03:15のツイートであることがわかりました。

このアカウントは、現在は非公開アカウントになっていますので、ここでは取り上げません。

ただ、こうしたツイートのほとんどは、けっして毎日新聞が書くような一方的な「非難の投稿」や「罵声」ではなくて、「殉職された自衛隊のパイロットの方への思い」と「取材のマスコミのヘリ批判」なのです。

家を失った住人に国が十分な損害賠償をしなかった場合には、政府を批判すればよいのです。

こうした声を、沖縄の米軍ヘリの問題や政府批判に結びつけようとする毎日新聞の記事は、事実を捻じ曲げているものです。

毎日新聞の言う「家を失った住人がネット上で罵声を浴びている」は、根拠が見当たらず、もはや虚偽といえるでしょう。

 

想像力が決定的に欠けている、のは誰?

 宮森小の悲劇を語り継ぐ沖縄県うるま市の久高政治(くだかまさはる)さん(69)は「軍用機が墜落するかもしれない恐怖の中で暮らす人の気持ちを考えてほしい」と話す。ツイッター上での非難や、国会でのやじには、そんな人びとへの想像力が決定的に欠けている。久高さんは、そう思えてならない。

と毎日新聞は書きます。

毎日新聞には、真意を捻じ曲げて引用されたツイッター利用者や殉職された自衛隊パイロットの方への想像力が決定的に欠けている、そう思えてならないですね。

 

毎日新聞の記事とタイトルに変化が

日付を見ると、前、現在の上下が逆のようです。元は、もっとひどかったということですね。

紙の新聞の場合は、遠方に発送する紙面の早い版から印刷して、その後どんどん新しい記事が入ると紙面を差し替えていきます。

その際、紙の面積は限られているので、前の記事を短く縮めて、新しい記事を入れたりします。ですが、ネットの記事では、スペースのために記事を短く書き換える必要がありません。ネット版に複数の記事パターンが存在するのは、おかしな話ですね。



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