女子高生の間で 「あべ過ぎ」が流行っているというのでヤフーリアルタイム検索で件数推移を調べてみました

広告

女子高生の間で「あべ過ぎ」という言葉が流行っている?

ソースのない「だそうです」ツイート

「女子高生の間で「あべ過ぎ」という言葉が流行っている」という主張がツイッターで流れてきました。

しかも「そうです」が二つもあるこのツイートには、真偽を判断できるソースが付けられていません。

この発信者のタイムラインを追っても、どのような女子高生の間で、どのくらい流行しているかが確認できるソースが一切ありません。

せめて「◯◯女子学院の生徒の間では」のような追跡調査が可能な出典を付けていただきたいものです。

本当に「あべ過ぎ」が流行っているのでしょうか?

ヤフーのリアルタイム検索で、ここ1ヶ月間で「あべ過ぎ」がツイッター全体で何件使用されたかを調べてみました。

 

「あべ過ぎ」

「あべ過ぎ」の2017年11月12日から12月11日12時までの1ヶ月間のツイート数推移をリアルタイム検索で調べてみました。

30日間グラフで見ての通り、12月10日まで「あべ過ぎ」のツイートはひとつもありませんでした。

「あべ過ぎ」は、12月10日の18時00分に初めて1件出現します、12月11日8時15分の7件が最高です。(期間24時間グラフ15分刻み)

該当の「女子高生の間で「あべ過ぎ」という言葉が流行っている」のツイートが12月10日17時56分ですから、この最初の1件はこの発信者のツイートということになります。

結論

2017年11月12日から12月11日12時までの1ヶ月間では、「女子高生の間で「あべ過ぎ」という言葉が流行っている」のツイートの前に「あべ過ぎ」とツイートした人はいませんでした。

検索を除外されているアカウント、ツイッターをしていない女子高生が「あべ過ぎ」と発言した可能性はあります。

 

「安倍すぎ」

念のため、漢字を変えて「安倍すぎ」も調べてみます。

こちらも2017年11月12日から12月11日12時までの1ヶ月間のツイート数推移をリアルタイム検索で調べてみました。

30日間グラフで見ての通り、こちらも12月10日まで「安倍すぎ」のツイートはありませんでした。

「安倍すぎ」は、12月10日の21時に初めて1件出現して、12月11日14時には3件に増えています。(期間7日間グラフ2時間刻み)

結論

2017年11月12日から12月11日12時までの1ヶ月間では、「女子高生の間で「あべ過ぎ」という言葉が流行っている」のツイートの前に「安倍すぎ」とツイートした人はいませんでした。

検索を除外されているアカウント、ツイッターをしていない女子高生が「安倍すぎ」と発言した可能性はあります。

 

古い「あべ過ぎ」ツイート

検索で見つけることのできた一番古い「あべ過ぎ」は2015年12月17日のこのツイートです。

次は2016年1月13日のものがあります。散発的に「あべ過ぎ」のツイートは存在します。

 

朝日新聞の「アベする」騒動

似たような騒動が10年前にもありました。

安倍晋三首相が突然の辞任をした2007年9月25日。

朝日新聞でコラムニストの石原壮一郎さんが、

「『アタシ、もうアベしちゃおうかな』という言葉があちこちで聞こえる。仕事も責任も放り投げてしまいたい心情の吐露だ。そんな大人げない流行語を首相が作ってしまったのがカナシイ」

と書きました。

この「アベする」に対して、「アベする」など流行っていない「でっち上げだ」とネットで炎上する騒ぎがありました。

その後、東京新聞が「アベする」を流行語大賞に、などと擁護する記事を書いたりしました。

東京新聞コラム

当時もこの記事の前には、まったく「アベする」はネットにはほとんど存在せず、記事の後に「アベする」が多く使用されていました。

流行ってもいないものを先物買いして記事にして、記事によって流行が作られる手法です。

「アベする」についても、最近1ヶ月間の分析を見てみます。

「アベする」は定着せず、2017年現在では1日に1件程度のツイートがみられるだけでした。

こちらの「アベする」のデータに動きがあるのも「女子高生の間で「あべ過ぎ」という言葉が流行っている」の問題ツイートの後です。

17時56分の「あべ過ぎ」のツイートをうけて、2007年の朝日新聞の「アベする」騒動も話題にされ、12月10日18時以降、「アベする」のツイートも増加しています。

 

「ネトウヨ」の正体

流行ってもいないものを「流行っている」と雑誌やテレビなどで取り上げて、「流行」していると錯覚させてその商品を購入させたり、お店に出かけたりさせるというマーケティング手法があります。

昔は、そうした手法、仕掛けが今よりも横行していました。

雑誌やテレビは、常に新しいものを発信しなければならないので、流行の先端を取り上げて発信しようとするとそうした先物買いのような「でっち上げ」にならざるをえないのでしょう。

流行とはいえないけれど、おもしろいネタがあった。それを例えば流行に敏感な女子高生の間で流行しているという切り口で記事にして、流行の実態として読者に後追いさせる。

きっかけは何であれ、流行ってしまえば構わないという考え方ですね。

 

一方、そうした「でっち上げ」について許容できない勢力が、ネットやSNSの発達で生まれてきました。

安倍首相の擁護というよりは、「でっち上げ」そのものが許容できないと反発するネットユーザーが存在するのです。

この検証マニアが「ネトウヨ」と揶揄されるネットの勢力の正体のひとつでもあります。



広告