内閣総理大臣のことをテレビ局ではどう書きどう呼んでいるのでしょうか
安倍晋三さんはNHKで「首相」と呼ぶと怒る?
このような映画作家らしき人のツイートが流れてきました。
安倍晋三さんは、「首相」という呼び名より「総理」の方が好きらしく、NHKが放送で「安倍首相」って呼ぶと怒る、のだそうです。
そういや、NHKの報道記者から聞いたんだけど、安倍晋三って「首相」という呼び名より「総理」の方が好きらしく、NHKが放送で「安倍首相」って呼ぶと怒るらしいんだよね。だからNHKではうっかり「首相」って呼んじゃったりすると「どうしよう!」って上層部までパニクるらしい。喜劇だよね。
— 想田和弘 (@KazuhiroSoda) 2017年10月31日
伝聞の形になっています。このツイートには、内容について真偽を判断できるソースがありません。
NHKの報道記者の誰かがそう言ったのかもしれませんが、以下略ちゃん的には、どうも怪しい情報に思えます。
このツイートは、都市伝説ということにしておきましょう。
各テレビ局で呼び名のルールはないのでしょうか
NHKが放送で「安倍首相」って呼ぶと、とありますが、そもそも各テレビ局には「内閣総理大臣」をどう呼ぶかのルールみたいなものがあるのではないかと思います、どうなんでしょうか。
テレビのニュース番組での「首相」と「総理」の使い分け方は以前から気になっていました。
気になりますね。どうなっているのでしょうか?
「首相」と「総理」はどう違う
首相(しゅしょう、英語:prime minister)とは、首席の大臣のことです。議院内閣制で政治を行う最高責任者が首相で、日本ではイギリスで発達した議院内閣制という政治制度を取り入れていますので首相がいるのです。議院内閣制の国ではどこでも首相がいます。議院内閣制の最高責任者の通称が「首相」です。
通称とは、正式な名称ではないが世間一般で呼ばれている名称のことです。
その首相のことを日本では、「内閣総理大臣」と呼びます。
「内閣総理大臣」が正式な名称です。国会で「首相」を使うことはありません。
「総理」「総理大臣」はそれを略した言い方です。
「総理」というと日本の首相ということになります。
アナウンサーにとっては「首相」を「総理」と読み替えるのが当たり前
アナウンサーの沢野有希さんによれば、新聞記事に、「野田首相」と書いてある場合は「野田総理大臣」と読み替えるのが、アナウンサーにとって当たり前だと書かれています。
アナウンサーのニュース原稿では、たとえば
野田佳彦総理大臣(2回め以降は総理)と読みます。
新聞記事に、「野田首相」と書いてある場合は
「野田総理大臣」と読み替えます。(沢野有希さんのブログ)
『「首相」と「総理」、書き言葉と読み言葉の関係』
⇒ https://t.co/bpwUAG3wcI #アメブロ @ameba_officialさんから— 以下略ちゃん™ (@ikaryakuchan) November 3, 2017
実際のテレビ局のニュース番組を調べてみました
実際のテレビ局のニュース番組では、呼び方と字幕(テロップ)はどうなっているのか、調べてみました。
「首相」と「総理」
(検証目的による引用) pic.twitter.com/mU22axdoY2
— 以下略ちゃん™ (@ikaryakuchan) November 3, 2017
- NHK ニュースウォッチ9…字幕「首相」 呼び名「そうり」
- 日本テレビ NEWS ZERO…字幕「首相」 呼び名「そうり」
- テレビ朝日 報道ステーション…字幕「総理」 呼び名「そうり」
- TBS NEWS23…字幕「首相」 呼び名「そうり」
- テレビ東京 WBS…字幕「総理」 呼び名「そうり」
- フジテレビ 直撃LIVE グッディ❢…字幕「首相」 呼び名「そうり」
ほとんどのテレビ局で字幕は「首相」で、それを「そうり」と呼んでいました。
例外はテレビ朝日とテレビ東京で、字幕も「総理」、呼び名も「そうり」でした。
テレビのアナウンサーで「首相」と呼んでいる人は見当たりませんでした。
こちらの例外はタモリさんで、2014年の3月21日に「笑っていいとも❢」で、ゲストの安倍晋三首相を、そのまま「安倍晋三首相」と呼んでいました。タモリさんに「首相」と呼ばれても安倍首相は怒るどころか楽しそうに笑っていました。