「立憲劇昇」の表現があるという石川真澄さんの著書をチェックしてみた結果
有田芳生「石川真澄さんが使った表現を借用すれば「立憲劇昇」です。」
有田芳生さんが11月2日、自身のFacebookに「総選挙で躍進した「立憲民主党ブーム」です。86年選挙で石川真澄さんが使った表現を借用すれば「立憲劇昇」です。」と書きました。
「立憲劇昇」って、何?
と、頭の中が「?」マークだらけになってしまいました。
(出典:有田芳生Facebook)
「劇場」の書き間違い? ではなかった
「小池劇場」「小泉劇場」と同じように「立憲劇場」と書こうとしたのかな? と思いましたが、86年の選挙と書いているので、「~劇場」というのも違和感があります。
86年の選挙というと、衆参同日選挙で、自民党は公認候補のみで300議席、追加公認を入れると304議席の圧勝でした。
よくわからないので、石川真澄著「人物戦後政治」を読んで調べてみることにしました。
207ページに、86年の選挙について書かれたくだりがありました。
「自民激昇」
石川 八六年選挙ということで私がすぐに思い出すのは、朝日新聞の一面で選挙前に「自民激昇」という見出しの記事を書いたことなんです。文字通り「激しく上昇する」という意味なんですが、それが社内で大変に評判が悪かった。というのは、当時の朝日は少なくとも中曾根政治に対して肯定的な態度はとっておりませんでしたので、「自民党が大勝するであろう」というようなことを言うのはけしからんというわけですね。
(「人物戦後政治」石川真澄著)
なるほど「激しく上昇する」という意味で「自民激昇」という見出しなんですね。
それをもじって、有田芳生さんは「立憲激昇」と書きたかったわけですね。
それを「劇昇」と書いてしまったと。
「激」と「劇」は、「はげしい」とは読みますし、「劇症肝炎」とか「劇薬」とか薬関係では使用しますけれど、やっぱりおかしいです。他人の言葉を引用する場合は、その言葉だけは間違わないでほしいですね。
読んだ人間からしてみると、わけがわからないですよ。
どうして、有田芳生さんの文章を確認するために、いちいち出典の本まで読まないといけないんですか(笑)
「げきしょう」は「劇昇」とは一発で漢字変換できませんから、自分でその漢字を選択したわけですよね。
多少の誤字脱字は仕方がないとして、他人の言葉を持ってくる場面で一番の重要語句を間違えるのだけは勘弁してください。
それと、立憲民主党の獲得議席は55です。自民、公明の与党は313です。
55議席で「激昇」「激しく上昇する」はないんじゃないですか。「立憲民主党ブーム」とまでは言えないし、浮かれすぎですよ。ブームなのはおそらく有田芳生さんの周辺だけだと思います。
そうそう、いま、東京の荒川区の「ゆいの森あらかわ図書館」で、有田芳生さんの大好きな吉村昭さんの企画展を展示しているので見学に行ってきました。書斎も再現して展示されていて、見どころ満載でした。
本日10月28日(土曜)からゆいの森あらかわにて、荒川区出身の作家・吉村昭の生誕90周年を記念した企画展「吉村昭とふるさとあらかわ 生い立ちとその作品世界」が始まりました。 https://t.co/7Q7mxP2AY9
— 観光タイムズ (@info87986507) 2017年10月30日
吉村昭さんの色紙には、「凛乎(りんこ)」(きりっとして勇ましいさま)と書いてあるのか「凛手(りんて)」(意味不明?)なのか、気になりますね。「凛手」って、どういう意味なのかなぁ?
有田芳生さんのこのツイートを思い出しながら吉村昭さんの企画展をていねいに見てきましたが、「凛手」の吉村さんの精神は未熟な私には理解できませんでした。
吉村昭さんはあまり色紙を書かなかったと聞いています。札幌の「BARやまざき」に色紙があります。「凛手」。吉村さんの精神がこの言葉に込められています。 pic.twitter.com/waFmmbeBLW
— 有田芳生 (@aritayoshifu) April 9, 2016