前川喜平氏、2015年夏、現役官僚の時に国会前の反政府デモに参加
バレていなかったから事務次官に昇進した
講演会「前川さん 大いにかたる」
主催は、夜間中学を作る会のメンバー、元大手、地元紙記者、経営者、ITボランティア、9条の会員などで作る「前川さんの話をきく会実行委員」。
場所、福島県文化センター(福島県福島市)。
2017年8月2日(水) 18:00~。
問題発言部分文字起こし
(文字書き起こし:以下略ちゃん)
前川喜平氏「(前略)役所の人事権を今は官邸が握っているわけですけど、官邸からしてみるとですね、なんであんな奴を事務次官にしちゃったのかというのは、しまったと思っておられるだろうとは思いますね。あんな奴だとは思わなかったと。そこが私が面従腹背と言った所なんですけど。
あのー、ここだけ、内緒の話ですけど。(場内、笑)
2年前(2015年)の9月18日、国会正門前に私はいたんです。(場内、オー)
(※注 前川喜平氏は2014年7月に文部科学審議官、2016年6月に文部科学事務次官に昇進、2017年1月20日に文科省の天下り問題による引責辞任)
えー、シールズ(SEALDs)の連中がね、ラップのリズムで、『しゅうだんてきじえいけんは、いらない』って言ってるわけです。集団的自衛権はいらないって、非常に散文的な言葉ですけど、これがあのリズムに乗るってとこがすごいですよね。
『しゅうだんてきじえいけんは、いらない。しゅうだんてきじえいけんは、いらない』こういうリズムでこういくわけですよね。おー、すごいなと思って。こういう、これもシュプレヒコールって言うのかなと思ったりですね。つまんないことを考えながらですね。
私は、戦争法と言われたり安保法制と言われたりしますけど、あの安保法制は解釈改憲によるものですけれども、集団的自衛権を認めるという解釈は成り立たないと、ですから、このこういうことは立憲主義に反すると、つまり立憲主義というのは、やっと憲法の話になってますけどね。(場内、笑)
立憲主義というのは、国民が国を縛るものですから。国が国民の自由や権利や基本的人権や平和、といったものを侵さないように国を縛っているわけで。
個人の尊厳を最大限に踏みにじるものは戦争ですから、戦争はぜったいにしないと9条でもう宣言しているわけですからねえ。
そのために9条というものを大事にしてきたと。で自衛隊は確かに存在するし、一定の役割を果たしているし、国民の多くが自衛隊の存在を認めているという事実はあると思うんです。
でそれは長年の憲法の解釈の中で、ここまでは認められるっていうギリギリの線を、国も政府も国民もですね、まあ100%ではないけども、何とかこうコンセンサスに近いものを作りながらですね、個別的自衛権で専守防衛ならば、まあ、実力組織として認めてもいいんじゃないか、っていう所で踏みとどまっていたのが自衛隊だと思うんです。
憲法9条の解釈もそこまでだったら、っていうのがあったと思うんですよね。
しかし、それをいともあっさりと踏み越えてしまってですね、しかし、法制局の見解だ、閣議決定だ、という政府の中の考え方として、集団的自衛権は憲法上認められているというような、ありもしないことをですね、宣言して、そのありもしない、あってはならない憲法解釈に基いて法律作っちゃったわけですから。私は個人として考えるに明らかにあれは、安保法制はですね、集団的自衛権に基づく条文はすべて憲法違反だと思います。(場内、拍手)
いや、これは、安保法制、賛成の人もいますから、これは私の意見です。
ですから、あの法律は作るべき法律ではなかったと思ってますのでですね。
そのためにはやはり自分は一個人として一国民として、声を出す場がなければ、いけないと思ってですね。声出すと言っても皆に混じって言ってただけですけど、えへへ、皆に混じって言ってただけで、しかも行ったのは9月18日の夜、一回きりですから。
あの日はですね、今日行かないともうないと思ったんですよ。その日はもう安保法制が参議院で成立した日ですから。
あのー、何も好き好んで満州事変の日にやらなくてもいいと思ったんですけど。9月18日ですから。まさに日本が本格的な中国侵略を始めた日ですよね。1931年の9月18日。
日本が誤った戦争をしたっていう痛切な反省の上に出来ている憲法、だからこそ平和憲法というわけですから。その平和憲法をほんとに土足で踏みにじるような行為、これはやっぱり問題だと、思ってました。
ただそれはですね、あの、バレてませんでしたから、(場内、笑)
これバレてたら事務次官になってなかったんです。おそらく。
まさかね、これから事務次官になるっていう人間がですよ、安保法制反対のデモの中にいるとは思わないですよね。(場内、笑)
だから、あのー、ほんとにこれ内緒の話ですから。(場内、爆笑)
(以下略)」