2019/12/07

画像は、テレビ朝日、グッド!モーニングより
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「国民の敵」という言葉には、歴史上大きな意味がある
約束を破った小西ひろゆき議員の言い分
民進党の小西ひろゆき参院議員が4月16日の夜に自衛官に批判的な暴言を言われた事件で、いったんはお互いに握手をして和解をしたのに、小西ひろゆき議員がそれを蒸し返しています。
約束を破った理由は、「国民の敵」という言葉には、歴史上大きな意味があるからだと小西ひろゆき議員は言います。
テレビなどでも、そのように主張しています。

テレビ朝日、グッド!モーニングより
一方、自衛官は「国民の敵」ということは言っていないと否定していて、言った言わないの水掛け論になりつつあります。
総理大臣を暗殺した五・一五事件で、ビラに「国民の敵」と書かれていた
五・一五事件は、1932年(昭和7年)に起きた、武装した海軍の青年将校たちが総理大臣官邸に乱入し、内閣総理大臣犬養毅を殺害した事件です。
この時、ビラに「国民の敵」と書いて、反乱を煽ったのだそうです。
「日本国民よ! 国民の敵たる既成政党と財閥を殺せ! 祖国日本を守れ」
シビリアンコントロール(文民統制)の下にある現職自衛官が、この「国民の敵」という言葉を使ったことが大問題だと小西ひろゆき議員は主張しています。
『国民』を都合良く権威付けて自身の考えを正当化していると、毎日新聞も批判しています。
戦前ならば将校に当たる3佐が、国会議員を「国民の敵」と断じた問題をどうみるか。井上寿一学習院大学長(日本政治外交史)は「威嚇する言葉としては戦前ほどのインパクトはないが、許されない言動だ。『国民』を都合良く権威付けて自身の考えを正当化することで、根拠もなく『自分こそが国民で、お前は国民ではない』と言いたかったのではないか」と分析する。
(出典:毎日新聞 2018年4月18日 21時20分)
「自民党と安倍総理」を「国民の敵」とビラに書いた小西ひろゆき議員
五・一五事件は、海軍将校が中心になって、「国民の敵」を「殺せ」とビラに書いて「総理大臣を殺害した」クーデター未遂というか、テロ事件です。
問題の自衛官は「国民の敵」と発言したことは否定していますし、もちろん「殺せ」とも発言していません。
現時点で、五・一五事件との共通点は、「海軍将校」=「自衛官」という部分だけです。
では、小西ひろゆき議員が「国民の敵」と書いたビラ(ツイッター)は、どうなのでしょうか?
小西ひろゆき議員は、「既成政党」の自民党を「国民の敵」と書いて煽っています。
自民党総裁選は、野田議員の立候補断念で安倍総理が再任決定。中高校生でも分かる明々白々な違憲立法を強行する総理・総裁が続投。自民党はどこへ行くのだろう。安保法制の後はおぞましい自民党憲法草案の世界に突き進むしかないのだろう。もはや自民党は国民の敵となってしまったと言わざるを得ない。
— 小西ひろゆき (参議院議員) (@konishihiroyuki) 2015年9月8日
小西ひろゆき議員は、「総理大臣」を「国民の敵」と書いて煽っています。
憲法13条「個人の尊厳の尊重」は、憲法が何のために存在するかの、憲法の究極目的そのもの。同条「幸福追求権」は個人の尊厳を実現・確保するための包括的人権。これを全く知らず理解せず、13条を破壊する自民草案を「21世紀に相応しい草案!」と主張する安倍総理は、恐るべき国民の敵なのです。
— 小西ひろゆき (参議院議員) (@konishihiroyuki) 2015年5月2日
安倍総理と自民党は「国民の敵」、もちろん安倍総理と自民党を支持しているネトウヨどもも「国民の敵」、という意味なのでしょう。
五・一五事件の本質は、「国民の敵」とビラに書いて「総理大臣」を暗殺した事件と読み替えることができます。
ところが、自衛官は(言ったことは否定していますが)、野党議員、それも参議院議員に、直接、言葉で個人的に「国民の敵」と罵っただけです。
ビラなどに、「小西ひろゆき議員は国民の敵」と書いて、全国の人たちに小西ひろゆき議員を暗殺するように呼びかけているものではありません。
自衛官であることと、「国民の敵」という言葉を無理やり小西ひろゆき議員が結びつけているだけです。小西ひろゆき議員が公開しなければ、小西ひろゆき議員が「国民の敵」と言われたことは誰も知ることはありませんでした。
五・一五事件と結びつけるには、かなりの無理があります。
ツイッターは、現代のビラです。ツイッターには記録が残っていますが、発言は音声録音がなければ、本当に言ったのかどうかもわかりません。
五・一五事件のように煽動しているのは小西ひろゆき議員ではないのか?
それに比べて、小西ひろゆき議員が、実際に書いている「国民の敵」の方はどうでしょうか?
首相、「帰れ」ヤジに反論 「こんな人たちに負けない」https://t.co/ZYXaZoclpJ
異次元の暴言。政治家として政敵に対し負ける訳にはいかないと発言することはあっても、その支持者の国民を敵視することは絶対にあり得ない。国民を敵視する総理こそ恐るべき国民の敵である。
— 小西ひろゆき (参議院議員) (@konishihiroyuki) 2017年7月1日
この投稿こそ、『国民』を都合良く権威付けて自身の考えを正当化しているように見えてしまいます。
小西ひろゆき議員が「安倍総理」を名指しで「国民の敵」とビラ(ツイッター)に書いて倒閣を呼びかけた2017年7月、小西ひろゆき議員のツイートに反応したのではないかと考えられなくもない殺害予告が、実際にネット掲示板に投稿されています。
俺が安倍晋三を殺してやる。自家製爆弾で自爆テロを起こして必ず殺害する。[ナカムラユキヒロ ]
シャレになりません。
ビラ(ツイッター)に、民主的な選挙によって選ばれた総理大臣や自民党を「国民の敵」と書いて、五・一五事件のように全国の自衛官を含む数少ない自分の支持者に、総理大臣を倒すように呼びかけ煽動をしているのは、小西ひろゆき議員の方なのではないのでしょうか?
小西さんは「国民の敵」という言葉に大きな意味があると理解した上で普段から安倍首相に対して使っていたのか pic.twitter.com/uXJpr1kNYv
— sv2tss (@sv2tss) April 26, 2018