安倍総理が「民主党の枝野さん」間違い連発? 実際の発言を文字起こししてみました

広告

6ヶ所全部で同じ「言い間違い」が

朝日新聞が7月7日に、安倍総理が応援演説で、「民主党の枝野さん」間違い連発、と報道しました。

しかし、具体的にどういう文脈で、そのような発言がされているのかが報道されていません。

怪しい。

切り取りが疑われるので、実際の安倍総理の応援演説を確認してみることにしました。



千葉・船橋駅前の安倍総理の応援演説文字起こし

野田草履Pさんのツイキャスから、2019年7月7日の千葉・船橋駅前の安倍総理の応援演説を文字起こししてみます。

 

船橋駅南口 2019年7月7日

皆さま、こんにちは。
自民党総裁の、安倍晋三でございます。

(候補者の紹介部分、省略)

先般、日本ではじめてG20サミットが開催された。トランプ大統領やプーチン大統領や習近平主席が日本にやってきた。
なかなか難しい問題もあったんです。自由貿易の問題。あるいは気候変動の問題。最後まで揉めたんですが、最後の瞬間に会場で、実は麻生さんに議長役を変わってもらって私はトランプ大統領、席にいるトランプ大統領のとこに行って直談判をしました。
そうしたら、彼は最終的にこういう書き方をしたらいいよと、妥協案を紙に書いて示してくれました。
それをメルケル首相やフランスのマクロン大統領にお示しをして最終的な合意案に達成したわけであります。
おそらく皆さん、トランプ大統領というのは型破りの大統領だ、そう思っておられるのだろうと思います。
しかし皆さんね、意外とトランプ大統領、人の話を聞くんです。

ま、(笑)意外とと言ったら、ちょっと語弊があるかもしれませんが。
私の話の筋が通っているなあと思ったら「わかったシンゾー、協力するよ」こう言ってくれます。
米国は日本にとって唯一の同盟国であります。
もし日本が海外から侵略されたときには、日本のために日本を守るために戦ってくれる唯一の国であります。

よく私はトランプ大統領とたしかにゴルフします。
「安倍さん、ゴルフばかりやってるじゃないか」そう言われますが、世界一忙しいアメリカの大統領の時間を独占できる。
そしてアメリカの大統領と信頼関係を。唯一の同盟国なんですから、作っていくことは日本の総理大臣の最低限の責任であると、こう思っております。

平和安全法制によって私たちを助ける、助け合える同盟になった。
いまや日米同盟は、もっとも絆が強くなった。そう確信をしています。

日本を守っているのは、この日米同盟による抑止力と自衛隊の皆さんです。

でも共産党をはじめ、いまだにこの自衛隊、憲法違反だと言っています。
こういう論争に終止符を打たなければいけない。
ですから私たちは憲法に自衛隊を明記をして、この論争に終止符を打つ。
なんといっても災害があれば、真っ先に駆けつけて国民の命を守る皆さんです。

しかし、そのための議論、憲法審査会、この1年間、衆議院では2時間あまり、参議院ではたった3分しか開かれていない。
野党が審議にも応じないという事実があるんです。
最後に決めるのは国民投票、国民の皆さまであります。

であれば、憲法審査会でせめて、考え方を示して議論をするのは国会議員の責任ではないでしょうか。
その結果、問われているのは豊田さん(候補者)や私たちのように未来に向かって、責任を持って堂々と議論をしていく候補者か、あるいはまったくそれをしない挙手をして責任を果たさない、それを選ぶ選挙でもあります。

そしてこの選挙、豊田さんが言われたように年金問題が大きな議論であります。
野党は財源の裏付けのある具体的な議論はせずに、不安ばっかり煽っている。
残念です。
年金は老後の生活を支える大切な柱です。
でもこの年金の財源は、保険料の負担と税収であります。
負担を増やすことなく、年金の金額を増やすことはできない。
打ち出の小槌はないんです。

それを私たちはしっかりと財源を確保して、厳しい人たちに光を当てていく。

例えば年金の低い方に関しては、消費税を活用してこの10月から1年間最大6万円給付をしていきます。
あるいはまた年金の低い方々、介護保険料高いね、という声をよく聞きます。
それで消費税を活用して、この介護保険料の負担を3分の2に軽減をしていく。
やるべきことをしっかり、私たちは財源を確保して進めていきます。

今日もこの駅前、ほんとに若い皆さん、子どもたちも含めて集まっていただきました。嬉しく思います。
若い皆さん、おそらく高齢化が進む中で支え手が減っていく、年金大丈夫なのかなあ、自分たちがその歳になったらもらえるのかなあ、こう思っておられるのだろうと思います。

しかし皆さん、政策次第によって、政策によって年金を増やしていくことはできるんです。
この6年間、私たちの経済政策によって、雇用が380万人増えました。
増えたということはまさに年金の支え手が増えたんです。

その結果、保険料の収入は減ると思われてたんですが、これが増えた。
そして6年連続、今世紀に入ってもっとも高い水準の賃上げが続いたことによって、この4月、皆さんの年金額を増やすことができたんです。

そして年金を支えている年金の積立金、どうなったでしょうか。
この6年半の間にとうとう積立金は53兆円も皆さん、増えたんですよ。

もっとわかりやすく言うと、民主党政権時代の13倍に増えたんですよ、皆さん。
強い年金、しっかりとした年金財政を作るためには、これは強い政治を作っていくということであります。
これからもしっかりと経済を強くしてまいります。

経済を強くした結果、税収も増えました。
国の税収、過去最高。あのバブル期を超えました。
そしてこの千葉県においても、法人関連税収、政権交代前よりも5割も増えた。

こうやって獲得した果実を私たちは社会保障のために使っている。
例えば、お年寄りの皆さんにとって老後の安心、介護施設、大丈夫だろうか。介護施設、介護の受け皿、50万人分作った。
そこで働く介護関係者の介護士の皆さんに待遇改善をしました。
1ヶ月5万1千円の改善をしました。そして10年以上の皆さんにはさらに上乗せをして8万円という、そういう待遇改善をしています。

さらには子育て支援。保育の受け皿、すでに53万人分、私たちは作っている。
10年ぶりに待機児童は2万人を切りました。10年ぶりのことであります。
そして保育士の皆さんの待遇も月4万1千円改善し、そして経験を積んだ方々にはさらに4万円上乗せをしています。

民主党の、あ、すいません民主党でなくて立憲民主党ですね。
どんどん政党が変わるからわからなくなってしまいます。
この立憲民主党の枝野さんは党首討論で、自分たちが政権をとったら、この保育士の待遇をガーンと改善していく、自民党ぜんぜんやってないじゃないか、こういう批判をしました。
「やってないということはない」ということをいま証明します。
でも、こんなに言うんだったら、自分たちが政権をとっている3年3ヶ月、どれくらい保育士の皆さんの待遇を改善したのか調べてみました。
調べてみたら驚いた。3年間、まったく待遇を改善していないどころか、マイナス1.2%だった。
減らしたんですよ。
びっくりするじゃありませんか。
出来もしない政策を言うのは簡単です。
大切なことは、自民党や公明党のように、しっかりと財源を付けて、言ったことは必ず実行していくことであります。

これからも私たちはしっかり、お約束したことは必ず実行してまいります。

そして、地方を豊かにしていく。これが一番大切ですね。
観光。豊田さんが言ったように、観光、伸びています。
800万人から、とうとう3000万人を超えた。来年のオリンピック、パラリンピック、4000万人、目指しています。
この海外からの観光客が皆さん、けっこうお金を使ってくれます。
なんと1年間に4兆5000億円も使っているんですよ。
日本全体に一大産業ができた。そう思います。
来年は、オリンピック、パラリンピック。この千葉県も競技が開催されます。
どうかもっともっと、たくさんの人たちにこの千葉県にやってきてもらって、千葉県のおいしいものを食べていただいて、観光して、どんどんお金を使ってもらおうじゃありませんか。

そして農業、大切です。
地消地産にも力を入れていた。
ここはふなっしーで有名でありますが、ナスも千葉県は産地であります。
このナス、われわれが政権を取って、輸出が倍に増えました。
香港や台湾に大変な人気があって、もっともっと輸出を増やして、農家の手取りを増やして行きたいと思います。

そして、地方を支えているのは、中小企業や小規模の事業者の皆さんです。
私たちは、この皆さんがしっかり所得が増えるように、努力をしてきた。
生産性を上げるために、従業員の給料を上げるために生産性を上げる、そういう投資に対しては固定資産税ゼロの税制で応援しています。

あるいは事業承継、息子や孫に自分ががんばってきた仕事を継がせたい。そういう皆さん、相続税や贈与税をゼロにして事業承継をしっかり確かなものにしていきたいと思います。

そしてもう一点、中小企業、小規模事業者の皆さんを苦しめているのは、個人保証です。
個人保証によって、一回失敗したら一巻の終わりです。
大企業の社長には求められない。中小企業や小規模事業の事業主の皆さんには、求められる。
これ、不公平じゃありませんか。
そこで豊田さんや私たちは、個人保証なしでも借りられる仕組みを作った。

さらには皆さん。
いよいよ事業を承継する際、お父さんが負った個人保証を、受け継ぐ息子はそれを受け継がなくてもいいという仕組みを、いまの世代で個人保証を完全に断ち切る、これを皆さんにお約束いたします。
たえずがんばる中小企業の人たちをどんどん応援して、地域を元気にしてまいります。

政治の大切な仕事はなんでしょうか。
働きたいと思う皆さんが、仕事ができるという環境を作っていく、ということであります。
われわれが政権を取って、有効求人倍率が、例えば千葉県で、1.38になりました。
つまり、100人の求職者に対して、138人分の仕事があるという状況であります。
われわれが政権を取る前は、半分だったんですよ、実は。
半分しか、なかった。
それを100人に対して138人分。これは日本中で48すべての都道府県で1倍を超えた。
さらには、正社員。
「正社員になりたい」という人に対して、一人分の正規の雇用がある、という状況を私たちは初めて作り出すことができました。

この4月、高校や大学を卒業した若い皆さん。就職率は、過去最高水準になっています。
皆さん。若い皆さんが自らの手で自らの未来を掴み取ることができるという、まっとうな社会を私たちは作り出すことができたんです。

この流れを止めてはならない。

10年前、私が総理総裁のときに残念ながら参議院選挙、大敗しました。
私の責任。
その結果、政治は安定を失い、国会はねじれ。あの民主党政権が誕生した。
決められない政治。ばらばら。
経済は低迷し。今よりも100万人の失業者が多かった。
連鎖倒産という言葉が、日本中を覆っていて、中小企業、小規模事業者の皆さん、今よりも倒産件数は4割も多かった。
若い皆さんが、どんなにがんばっても、なかなか就職できなかったあの時代。
悔やんでも悔みきれません。

いよいよ令和の時代に入って、オリンピック、パラリンピックを迎える。
あの時代に逆戻りするわけには、皆さん、いかないんです。

どうか厳しい厳しい戦い。
豊田としろう、を勝たせてください。
どうか皆さん、よろしくお願いを申し上げます。

(以下省略)



演説は「民主党政権の政策と、安倍政権の政策についての比較」

演説は、全体として、民主党政権の政策と、安倍政権の政策についての比較についての内容です。

民主党の枝野官房長官記者会見

民主党の、あ、すいません民主党でなくて立憲民主党ですね。どんどん政党が変わるからわからなくなってしまいます。」

が、朝日新聞が切り取って報道した「間違い連発」の部分です。

「すいません」という言葉を入れているので、朝日新聞は「間違い連発」としたのでしょうが、これ、間違いでしょうか?

 

個人的には、「くるくる政党名が変わる」無責任さへの皮肉にすぎないように思えるのですが。

名前が変わっても、中身は「民主党」と変わりがないわけですから、このように批判されるのは仕方がないことだと思います。

皆さんは、どう思われますか?

 

なお、朝日新聞の報道以降、8日からは、安倍総理の応援演説からは、この「民主党ではなく立憲民主党ですね」の発言はなくなったとのことです。



広告