東京新聞が「選手村のエアコン1万3000台も廃棄?」という記事を書き「見出し詐欺」と批判される

(画像は@GabyDabrowskiさんのインスタグラムから)

東京新聞が2021年7月28日に「弁当に続き、選手村のエアコン1万3000台も廃棄? 大会後の再利用は未定」という記事を配信、東京新聞の望月記者が「もったいなさすぎる。SDGSに完全に逆行。冷暖房のない人たちに無償提供する仕組みをきちんと考えて欲しい。」と批判されています。

広告

SDGSに完全に逆行

「弁当に続き」というのが、この記事のキモになっています。

東京新聞の記事では、東京五輪・パラリンピック組織委員会の北島隆ビレッジゼネラルマネジャーの「エアコンはリース会社に返す。」という発言を書き、それを「中古市場の関係者」なる人物の「エアコンは保管中の性能の維持が難しく、設置に手間がかかるため、繰り返しの利用に向かず、使用後は廃棄物処理業者に回収してもらうことが多い」という発言で打ち消す構成になっています。

誰だかよくわからない「中古市場の関係者」なる人物の発言が、見出しのソースになっています。

組織委の北島隆ビレッジゼネラルマネジャーは6月、本紙の取材に「エアコンはリース会社に返す。再利用しやすい性能なので、工事現場などで利用されると思う。ただ1万3000台もあるので、すぐには使われないだろう」と話した。中古市場の関係者によると、エアコンは保管中の性能の維持が難しく、設置に手間がかかるため、繰り返しの利用に向かず、使用後は廃棄物処理業者に回収してもらうことが多いという。

(東京新聞 2021年7月28日)

リース会社が廃棄?

この東京新聞の記事には、「見出し詐欺」という批判が増えています。

朝日新聞「大会後に再利用先を見つけ、譲り渡す」条件

朝日新聞の2019年3月25日の記事では、エアコン発注の入札に「大会後に再利用先を見つけ、譲り渡す」ということを条件にしたと書かれています。

朝日新聞の記事では、「リース」という言葉はありませんが、「売り切り」であれば、組織委員会が家電リサイクル法に従って処分することになり、記事内容とはあいませんので、「リース」の発注であろうと推測できます。

組織委はエアコンを発注する際、入札業者に「大会後に再利用先を見つけ、譲り渡す」ということを条件にした。落札業者は大会後、どこに譲ったかを組織委に報告する。

夏季五輪としては初めて本格的に「SDGs(国連の持続可能な開発目標)五輪」をめざす大会組織委は、調達するのべ1万点以上の物品について、「再使用・再生利用率が99%」という目標を掲げている。選手村で使うベッドなどの備品についても、再利用しやすい段ボールなどの素材を使うことも検討している。

(朝日新聞 2019年3月25日)

エアコンのリモコンが日本語

東京オリンピック、カナダのテニス選手のガブリエラ・ダブロウスキーさんが、インスタグラムで、「エアコンのリモコンが日本語で理解するのに苦労している」と投稿されて、それを引用したツイートに「リモコンに英語の説明を付けた」リプライが付けられたりして話題になっていました。

https://twitter.com/GabyDabrowski/status/1419537164690280450
https://twitter.com/lawanda50/status/1416979481651150849

リモコンが英語仕様ではなく日本語仕様だったのは、エアコンはリースで、その後の再利用のためだったと考えると納得です。

エアコンは、リサイクルショップでも洗濯機、冷蔵庫と並んで人気商品のひとつで、すぐに廃棄されるとは考えられません。リサイクルショップではお店の人が設置工事もしてくれることが多いので、設置費込みの金額では割安感が大きいです。

半年程度の短期リースの場合は、中古のエアコンを設置した可能性もあります。リース会社が回収して、また次のリース先を探すだけの話でしょう。

東京新聞が、朝日新聞の2019年の記事を否定するのであれば、その点について突っ込んだ取材が必要だと思いますが、東京新聞の記事では、それは触れられていません。



広告