香山リカさんと野々村竜太郎元県議 「命がけ」の大安売り 大村知事リコール運動をめぐるSNSの気持ち悪さ

※この画像は、無料写真素材なら【写真AC】より

 

美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長らの団体「愛知100万人リコールの会」が、2019年に愛知県内で開催された国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」の企画展での展示などに問題があったとして、芸術祭実行委員会会長を務めた大村秀章知事の解職請求(リコール)を目指す署名集めを8月25日に開始しました。

JR名古屋駅前での街頭宣伝に、河村たかし名古屋市長も参加。高須さん側は、署名集めを担う「受任者」が約7万人集まっていると説明しました。

リコールには、愛知県内の全有権者約613万人中、86万5000人余の署名が必要。2カ月以内に必要数に達すればリコールの賛否を問う住民投票が実施され、過半数の賛成があれば失職となります。

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リコールは直接選挙の1つの形

弁護士の北村晴男さんが25日の虎ノ門ニュースで、リコールの制度について、わかりやすく解説をされています。

 

「受任者、署名者まさに命がけの参加になるんですね! すごい勇気です!」

精神科医の香山リカさんが、8月26日に「受任者、署名者まさに命がけの参加になるんですね! すごい勇気です!」というツイートをされています。

精神科医といえば、ある意味、精神のプロと個人的に考えています。

フォロワー7万1900人の著名なお医者様が、こうしたツイートをSNSで不特定多数に向けて拡散することによって、人々にどのような影響があるかを計算されてのものに違いありません。

 

リコール運動の萎縮が目的?

この香山リカさんの「署名者の個人情報は公開される」というツイートは、有権者に認められた権利であるリコール運動を萎縮させることが目的である、との批判がSNSで起こり、27日の虎ノ門ニュースなどでも放送されました。

香山リカさんの「受任者、署名者まさに命がけの参加になるんですね! すごい勇気です!」というツイートは、リコール運動に署名するだけで何かリスクがあるかのように誤認させる可能性があります。

 

「命がけ」とは?

「命がけ」の意味は辞書に次のように書かれています。

いのち‐がけ【命懸け】

死ぬ覚悟で物事をすること。また、そのさま。決死。懸命。「命懸けの作業」「命懸けで取材する」

(goo辞書)

例文としては、「冬山登山は命がけ」「組織暴力団の侵入取材は命がけ」などが考えられます。

 

通常の手続きにより通常に実施されているよくある署名運動のどこが「命がけ」なのか、さっぱり理解ができません。

 

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受任者とは?

「受任者」という聞き慣れない言葉が出てきました。

「受任者」とは何でしょうか?

 

通常の選挙に関しては、公職選挙法で細かい規則がすでに決められています。

しかし、長や議会のリコールなどのように、特別な投票の場合は、その都度、まず投票に関する細かい規則(条例)を定めなければなりません。

皆を代表して条例の制定を請求してくれる人が「請求代表者」ですが、「請求代表者」だけで2ヶ月間に86万5000人余の署名を集めるのは困難です。

そこで「請求代表者」は、できるだけ多くの人に、署名集めを委任します。

「請求代表者」から署名集めを委任された人が、「受任者」です。

「受任者」以外は署名集めをすることができません。

受任者には、愛知県内に住民票のある有権者ならどなたでもなれます。

 

全署名を閲覧可能なのは

「請求代表者」37人は官報に載りますが、一般の7万人の「受任者」が広報に公開されている、「署名した人」の名前や住所が公開されるという香山リカさんの主張は事実と異なるという指摘があります。

 

野々村竜太郎さんの「命がけで」

香山リカさんの「命がけ」の使い方には違和感があります。

そのような使い方は一般的ではないと思います。

ただ、一人だけ似たような「命がけ」の使い方をしている人に思い当たりました。

2016年7月に、架空の出張経費などを計上して政務活動費約913万円をだまし取ったとして、詐欺罪で懲役3年、執行猶予4年の判決を受けた野々村竜太郎 元兵庫県議です。

野々村竜太郎さんも号叫記者会見で「命がけで」と叫んでいました。

野々村竜太郎さんの「命がけで」は、「一生懸命」のような使い方をしているように聞こえます。

しかし、このような使い方は「命がけ」を大安売りしているようで、やはり違和感しか感じません。

 

 

ソーシャルメディアの何が気持ち悪いのか (朝日新書) 香山 リカ (著)

ツイッター、フェイスブック、LINE。生活に深く浸透しているが、それに息苦しさを感じている人も多い。賞賛・承認とその反対の悪意・炎上…。SNSへの違和感の正体と、SNSが変えつつある人間について鋭く迫る。【「TRC MARC」の商品解説】

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