「うがい薬」インサイダー取引疑惑 発端のテリー伊藤さんのサンジャポ発言文字起こしと関連銘柄の値動きについての考察

(うがい薬を並べて会見する吉村大阪府知事)

8月4日(火)に、大阪府の吉村洋文知事が、「大阪府で軽症患者に対して行われた調査によると、市販のうがい薬にも使われているポビドンヨードという成分によって新型コロナウイルスが減少した」という記者会見を行いました。

この吉村知事の発言で、ドラッグストアなどから「うがい薬」が売り切れて品切れになりました。

5日には、厚労省が、うがい薬が新型コロナウイルスに有効と判断できるかについて「時期尚早」と回答すると、この「うがい薬」騒動は、すぐに収束しました。

ところが、8月9日(日)の朝のTBS系列『サンデー・ジャポン』で、この話題について触れた際に、テリー伊藤さんが「インサイダー」という言葉を使用されたことで、インサイダー取引をした人がいたのではないかとの疑惑が浮上しています。

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テリー伊藤さん「実はこの話をですね、1時間半くらい前に知った

問題となっているのは、『サンデー・ジャポン』でのテリー伊藤さんの発言の中の次の2つの部分です。

  • イソジンなどポビドンヨードを有効成分としたうがい薬が新型コロナに効果があるという吉村知事の記者会見があることを、テリー伊藤さんは会見の1時間半前に知っていた。
  • 吉村知事は、記者会見を行うことをあらかじめ薬品メーカーの方に連絡をしていた。

 

会見の1時間半前にテリー伊藤さんは知っていたとおっしゃられています。

テリー伊藤さんは株を買わなかったそうですが、テリー伊藤さんが知っていたということは、他にも知っていた人が複数いる可能性があります。

 

吉村知事は、あらかじめ薬品メーカーの方に連絡をしていたということですから、こちらのルートでも記者会見について他にも複数の人が事前に知っていた可能性が高いです。

 

8月9日の『サンデー・ジャポン』でのテリー伊藤さんの発言(文字起こし)

 

テリー伊藤さん「僕、実はですね、この日、発表する時にですね、ミヤネ屋に出てたんですよ。それで実はこの話をですね、1時間半くらい前に知ったんですね。て、ことはこれを今、買っとけばいいなと思って。で、場合によってはこの薬メーカーの株価を変えるなっていうふうに一瞬、あたまに入ったんですけど。やめたんです。それ、ちょっとインサイダー取引みたいな感じで。僕の立場でそれやると申し訳ないなと思ってやらなかったんですけども。

僕もこの会見、聞いていて。前に薬が並んでましたよね。これ、いくらなんでも、ちょっとやりすぎだと思って。これ聞いてみたんですよ、ちょっと。そしたら、知事がですね、この薬品メーカーの方にいちおう前もって連絡はしていたみたいなんですけれども。

これね、知事の性格で情熱があるじゃないですか。情熱があるから、彼の中ではいいと思ってやったんですけれども。ちょっと僕は、彼がですね、政治家だからやったって言いましたけれども。ほんとは政治家だからやっちゃいけない部分があると思うんですよ。

それは何かというと、彼のですね中では、こういう風に言ってんですけども。いろんな形で少しやってみたけど必ずでも効いてると言ったんですけど。その後です。翌日に医師会の方や厚労省の方はそんなことはないって言いましたけれども。当然ですねイソジンなり、それが全ての人に合うわけじゃなく、場合によっては副作用の方もいらっしゃるんで。

それをね、とくに吉村知事って、それまですごく功績があるんで、みんなが聞く耳を持っていたんでね。そこがやっぱり問題だと思うんで、たぶん、あの番組の中で、ちょっとフライングしてないのかなって言ったんですけども。まさにそんなかんじでしたね。」(8月9日 サンデー・ジャポン)

 

テレビで生放送もしていた

吉村知事の記者会見は8月4日の午後2時過ぎです。

生放送をしていたテレビのワイドショーもあったそうです。それがテリー伊藤さんの『ミヤネ屋』です。

 

インサイダー取引とは

インサイダー取引とは、上場会社の関係者等が、その職務や地位により知り得た、投資者の投資判断に重大な影響を与える未公表の会社情報を利用して、自社株等を売買することで、自己の利益を図ろうとするものです。そうした情報を知らされていない一般の投資者は、不利な立場で取引を行うこととなり、証券市場の信頼性が損なわれかねないため、金融商品取引法で禁止されており、違反者には証券取引等監視委員会による刑事告発や課徴金納付命令の勧告が行われます。(JPX 日本取引所グループHPより)

 

実際に株価に影響があったのでしょうか?

関連銘柄の8月4日の値動きを見てみましょう。

 

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4507 塩野義製薬

塩野義製薬は「イソジン」を販売しています。

塩野義製薬は、8月4日午後2時20分頃から買いを集め、6100円前後から6300円前後まで約200円急騰しています。

(引用、楽天証券)

ただ、塩野義製薬は6月22日に高値7183円をつけてから値を下げている途中で、この値動きで利益を得るのは難しいでしょう。

 

2269 明治ホールディングス

明治ホールディングスは、昔、イソジンを販売していて名前だけ変えて「明治うがい薬」(中身は同じ)を販売しています。

(引用、楽天証券)

明治ホールディングスも、8月4日午後2時20分頃から買いを集め、8400円台から8990円まで約500円急騰しています。4日は、その後、8700円台で推移しています。

5日には、値を戻してしまっていますが、デイトレーダーなどが会見の情報を1時間半前に知り、急騰前に購入していれば、十分、急騰した場面で売り抜けることができたでしょう。

 

4541 日医工

ジェネリック医薬品メーカーの日医工は、ポビドンヨードガーグル7%「日医工」を販売しています。

(引用、楽天証券)

日医工は、8月4日午後2時20分頃から、1260円から1290円まで約30円値上がりしています。

 

4107 伊勢化学工業

地味な銘柄ですが、今回、一番、目立った値動きをしたのが伊勢化学工業です。

伊勢化学工業は、原料となるヨウ素の生産で国内首位です。

ポビドンヨードのうがい薬についての記者会見ということであれば、当然、原料のヨウ素の会社も連想されるはずです。

(引用、楽天証券)

伊勢化学工業は、8月4日の吉村知事の会見直後、安値2750円から前日比+502円の3260円まで急騰し、ストップ高になっています。

翌5日は、朝方3670円で寄り付くと+700円のストップ高3960円までいっきに値上がり、その後、前日の終値よれも安い3315円まで売られる場面がありました。

この2日間の値幅は、1202円もあり、事前に吉村知事の記者会見の情報を知って株を買い集めていれば、利益を得ることは可能です。

伊勢化学工業の出来高は8月5日には30万5300株ありましたが、ふだんは7月31日が4800株、8月3日が1800株と流動性がありません。

とはいっても買い集めるのは大変ですが、情報を知って1000株程度を仕込むのなら難しいこともありません。

どちらかの日のストップ高で売れば、1000株でも50万円から120万円の利益です。

 

会見の1時間半前に、情報を知っても、出来高の少ないこの銘柄では買い集めることは無理ですが、あらかじめ知っていた人であれば仕込むことは難しくないでしょう。

 

個人的な意見になりますが、インサイダーというか、事前に情報を知っていて売買した人がいなかったとは考えにくい話です。

 



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